『甲陽軍鑑』の悲劇 闇に葬られた信玄の兵書 まとめ

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日光81 @nikko81_fsi

『甲陽軍鑑』の悲劇 闇に葬られた信玄の兵書、読了。値段的な観点から黒田日出男先生の甲陽軍鑑の史料論よりも手軽に、かつ如何に偽書説の呪縛が根強いかが解る内容。わたしは最初の甲陽軍鑑復権論が昨年の平山先生の講演(わたしが初めてお目にかかった日でもある)だがいずれよりもより詳細な解説。

2016-10-04 23:05:34
日光81 @nikko81_fsi

前半は父氏による甲陽軍鑑の兵学思想解説、後半は息子氏による偽書説成立からの研究論史と性格が異なるのは構成面から少し面食らう。ただ武田家の立場から信長、秀吉、ひいては上方との思想的な対立への言及は平山先生の甲陽軍鑑からわかる姿に限った勘助を解説する『山本勘助』と合わせて再読したい。

2016-10-04 23:12:35
日光81 @nikko81_fsi

後半の研究史は平山先生、黒田日出男先生のご指摘内容をより詳細に丁寧に、如何に『論理的ではなく』偽書説が生きなが得てきたかがありありとわかる。ただかなり頻繁に批判が非難を交えた語気の荒い箇所が散見されるのは残念かな。

2016-10-04 23:17:16
日光81 @nikko81_fsi

田中義成の甲陽軍鑑考批判にしてもその時代背景や田中の置かれた環境も踏まえて論じているのにね…批判はどんどん結構なことなんだけども。黒田先生の時にもある種の感情的な論調、前のめり感は読んでて感じたのだけど、あちらは新たな知見の拡がりへの止められない期待感の現れと感じましたがね。

2016-10-04 23:25:09
日光81 @nikko81_fsi

ま、手軽に甲陽軍鑑の歴史を詳細に学ぶにはいい本だと思います。あとわたしの関心の流れでは、本書で一定の理解が向けられている渡辺世祐氏の『武田信玄の経論と修養』(1943年、後1971年再版?)は一度目を通したくなりました。信玄の信仰、さらには内的世界に迫るものだとしたら。

2016-10-04 23:30:39
日光81 @nikko81_fsi

@nikko81_fsi 批判が非難を交えた語気の荒い箇所『を伴って』散見されるのは…でした。誤字脱字。

2016-10-04 23:36:23
日光81 @nikko81_fsi

あ、大事なこと忘れてた。とにもかくにも、甲陽軍鑑をもっと知ろうと思うと、酒井憲二氏の「甲陽軍鑑大成」を読まないことには始まらない感がやっぱりあるな。この研究でようやく明るみに出たとされる末書、これね。ここが絶対おもしろいはず・・・と思わずには居られない。

2016-10-04 23:42:31