【シュアリー・ユー・アー・ジョーキング】#3

J0SHUA @kj0shua2112

【シュアリー・ユー・アー・ジョーキング】 #3

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(これまでのあらすじ:ネオサイタマ、ハトノス大学で教鞭をとっていた科学者モナガ・ヒデキは、自殺未遂の果てにニンジャと成り果て、大学において殺戮を繰り広げた。一方その事件の調査の一環で大学祭に潜入していたエーリアスは、不幸にもミスコンテストのシンデレラ枠として出場させられてしまう)

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「カワイイよね、あの娘」「オボコ！」「オボコイエー！」ミスコン運営陣の大学生がにわかに色めき立つ。勘の良い読者の皆様はお気づきだろう、「飛び入り枠」というのは、いわば”掘り出し物”を見つける彼らなりの口実である。

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そもそもこのミスコンの運営に携わる多くは、このコンテストや、後のノミカイ等を通じ、出演者とネンゴロとなることを目論む者なのだ。「店ダイジョブ？」「ダイッジョブです！」「イエー！」そしてそうしたセンパイ達のために、この後の店(時には退廃ホテルすら)を押さえるのも、後輩の役目である。

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「ア、アイエエエ……」用意されていたエプロンドレスに着替えさせられたエーリアスがステージ上に上がる。リボンの付いた靴にサイハイソックス。ヴィクトリア朝時代のメイドめいたレトロな姿に、イバラタトゥーの眉がアクセントとなっている。やや強めに吹いた風が、フリルの付いたスカートを揺らす。

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彼女は思わず手に持つオボン(小道具として持たされたものである)でスカートを抑えた。奇しくもそれがオジギめいた格好となり、観客はそれを歓声と拍手で歓迎した。「ワオオーッ！」「カワイイヤッター！」エーリアスは赤面！

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「ドーモ！飛び入り参加の方！よろしければお名前と学部を！」「え……アー。ド、ドーモ。エーリアス・ディクタスです」「「カワイイヤッター！」」歓声！「学部は……エート」ウカツ！ナンシーの偽造学生証の内容が思い出せない！「「「オボコカワイイヤッター！」」」だが観客は更にヒートアップ！

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「ははあ、秘密ですね。エーリアスちゃん……エリちゃん、で良いかな？構いませんよ……後で僕に個人的に教えてくれたら！」観客からは笑い声。エーリアスはさらに赤面！((チクショウ！ナンデ俺がこんな事に！これじゃあ潜入どころか、ヤバイ級に目立って……))その時エーリアスは目にした。

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観客席の向こう、メインストリート。アクマめいた翼と鉤爪を持つ男。他の学生のコスプレに似た、しかし致命的なアトモスフィアの違い。目が合った。お互いがお互いを、ニンジャ視力で認識した。見つけた。見つかった。エーリアスは司会のマイクを奪い、叫んだ。「皆、逃げろ！」

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その瞬間、敵はすでに眼前に到達しようとしていた。ニンジャ脚力に加え、背中の翼によって生じた推進力を乗せたアンブッシュめいた一撃がエーリアスに襲い来る！「イヤーッ！」「グワーッ！？」エーリアスは横っ飛びに飛んでこれを危うく回避！爪が掠ったドレスのスカートとソックスが大きく裂ける！

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先ほどまでにエーリアスがいた位置をズームしていたカメラに、異形のニンジャの姿が捉えられ、モニターに大写しになる！会場は一瞬にしてパニックに陥った！「アイエエエ！」「ニンジャ！？ニンジャナンデ！？」「ゴボボーッ！」

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ニンジャはそのまま観客席に飛び込み、逃げ惑うスタッフや学生を無差別に斬りつけ、殺戮してゆく！「ARRRGGGH！」「グワーッ！」司会男即死！「アバーッ！」ミスコン出場チアマイコ部即死！「アババーッ！」巨大目玉男即死！「「「アバババーッ！」」」

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「クソッ、あの野郎……」エーリアスは立ち上がり、災害めいて暴れ続けるニンジャを何とか止めるべく身構えた。彼女のコトダマ空間と重なる視界には、ニンジャの内側に精神の檻に捕らえられた男の姿が見えていた。捨て身で食らいつき、ニューロン・アタックを試みるか。

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だが彼女が勇気を振り絞り飛びかからんとしたまさにその時だ。「イヤーッ！」上空からスリケンが投擲され、地面に突き刺さる！回転ジャンプ着地する者あり！赤黒い装束を着たそのニンジャはエーリアスを手で制しながらジゴクめいた声色でアイサツした。「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」

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「GRRR...ドーモ、マクスウェルです」「エーリアス＝サン、オヌシはこの場から撤退せよ。避難誘導を頼む」「わ、わかった！」もはや事態は一刻を争う！エーリアスは控室から「地獄お」マフラーを回収し、着替える間も惜しんでエプロンドレスのまま首にそれを巻き脱出！

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「イヤーッ！」マクスウェルはエーリアスの後を追い控室へ！だがその足に絡みつくは鉤縄付きフックロープ！「オヌシの相手は私だ」ロープに引き寄せられたマクスウェルをニンジャスレイヤーのヤリめいたサイドキックが迎え撃つ！「イヤーッ！」「グワーッ！」吹き飛んだマクスウェルによって控室破壊！

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ニンジャスレイヤーはザンシンしたままじりじりとすり足で動き、相手の出方を伺う。「ARRRGGH！」瓦礫が突如として跳ね上がり、マクスウェルが空中に飛び上がった！羽ばたきニンジャスレイヤーの周囲を旋回しながらスリケンを連続投擲！「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」

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ニンジャスレイヤーもまたスリケン投擲で応戦！「イヤーッ！イヤーッ！イヤーッ！」空中でスリケンは対消滅！マクスウェルは着地と同時に地面を蹴り、圧倒的速度の刺突攻撃を繰り出す！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはかろうじてブリッジ回避！「イヤーッ！」「GRRRR！」

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そのまま走り抜けたマクスウェルは反転後、再び加速しながらこちらへ飛来し爪での攻撃を狙う！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはブリッジ回避！「イヤーッ！」そのままバク転し、再び走り抜けようとしたマクスウェルに距離を空けさせない！

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遠距離の間合いでは一気に距離を詰めながら勢いを乗せた刺突が来る。ならば近距離を保つべし！ニンジャスレイヤーは左右のチョップを連続して繰り出す！「イヤアアーッ！」しかしマクスウェルは背中の翼を駆使したトリッキーなステップと腕捌きでこれを全ていなす！カラテオドリ！

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ニンジャスレイヤーはさらに攻撃の密度を上げる！不意打ちめいた水面蹴りをマクスウェルはジャンプで躱す、だがこれはフェイント！空中で動きが止まったところに暴走トラック衝突めいた質量衝撃！肩から背中を壁めいて叩きつける暗黒カラテ技、ボディチェックだ！「グワーッ！」吹き飛ぶマクスウェル！

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CRAASH！すでに避難が完了した屋台にマクスウェルの身体は叩きつけられた。ニンジャスレイヤーは追い打ちめいてスリケンを投げる。起き上がる間もなく、翼と腕で防ぐ他無い。だがこれもまた本命の攻撃ではない！投げられたスリケンのうち1枚は、屋台にあるガスボンベを狙ったものだ！

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CABOOM！「グワーッ！」炎に包まれながら地面を転がるマクスウェル！自らの不利を悟った彼は火が消えると再び空中に飛び上がり、スリケンを牽制めいて繰り出しながら徐々に後退、ニンジャスレイヤーとの間合いを離しにかかる。逃げ続ける先には、かつての彼の居城ともいえる理学部棟だ！

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逃げ込んだマクスウェルに続き、ニンジャスレイヤーは建物内にエントリーした。棟内は同じような構造が続き、見知らぬ者には現在地の把握は困難！だがマクスウェルにとっては勝手知ったる場所である。フーリンカザンは敵方にあり！ニンジャスレイヤーは慎重に歩を進める。

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狭い廊下にいくつも分かれ道がある。そこかしこにニンジャソウル痕跡。つい先程までここにいたか、あるいは偽の痕跡を残しこちらを幻惑する”クマのメソッド”か。「イヤーッ！」曲がり角からマクスウェルのアンブッシュ！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはかろうじてこれを防ぎ回避！「イヤーッ！」