食物系与太話まとめ

食物に関するクソツイートが貯まってきたので自己まとめにしました。 かにかまについては単独まとめがありますので、そちらもどうぞ。 http://togetter.com/li/946245
6

知られざるかにかまの生態

さんかく @File_Snake

野生のかにかまは体表から分泌したかにかまチューブの中で共生細菌に栄養を作ってもらいながら生活しています。プラスチックのかにかまパッケージを置いておくと、プランクトンとして浮遊生活を送る幼生かにかまが流れ着いて定着します。これを肥育し、出荷したものがスーパーで見かけるかにかまです。

2016-03-01 19:54:41
さんかく @File_Snake

トレイに入ったほぐし身状のかにかまは、実は一般に見かけるかにかまとは別種です。これはプランクトン期を経ずに直接発生する大型のかにかまで、エビやカニを好んで捕食します。体表の赤い色素はエビカニから取り込んだアスタキサンチンで、色が濃いほどよく餌を食べた上質なかにかまです。

2016-03-01 20:03:30
さんかく @File_Snake

古事記にも「天女の帯」として記述がある、全長20mにも達する遊泳性のかにかま、リュウグウノカニカマは現在餌となるプランクトンの減少や、幼生期の住処となる岩礁の破壊、そして乱獲によって絶滅危惧種に指定されています。

2016-03-05 15:07:29
さんかく @File_Snake

人間の環境破壊から最も深刻な影響を受けたのは遊泳性のかにかま達でした。遊泳性のかにかまは固着性のカマボイド幼生、プランクトンのハンペツラ幼生、徘徊性のチクオラリア幼生と変態を重ねます。成熟までに多様な環境を必要とする遊泳性のかにかまは、一つ環境が失われただけで滅びてしまうのです。

2016-03-05 15:50:22
さんかく @File_Snake

プランクトンを絡め取る長い紅白の触手を閃かせるホグレカニカマ、粘液線から誘引物質を分泌して獲物をおびき寄せるチーズカニカマ、全長数メートルにも及ぶナガカニカマ、そして最大種リュウグウノカニカマ、昔は普通に食卓に登っていたこれらの生き物は、今ではどれもほとんど見ることができません。

2016-03-05 16:04:17
さんかく @File_Snake

固着性のかにかまにも危機が迫っています。タイリクヒゲブトカニカマは直接発生をする種で、配合飼料が開発されており、管理が容易なため各地で養殖されている外来種です。近年本種が野外に放逐されて分布を広げ、在来種を駆逐しつつある事、更に在来種との雑種を作る能力がある事が判明しました。

2016-03-05 16:32:46
さんかく @File_Snake

ここでは8月の満月の夜、底性のかにかまであるイチモンジカニカマの繁殖行動を観察することができます。繁殖年齢に達したイチモンジカニカマの体には遊泳脚が発達し、泳ぐのに適した姿になります。これは繁殖に向かうイチモンジフトカニカマ。棲管から抜け出し、海面へ向かって泳ぎ出しました。

2016-03-05 20:50:41
さんかく @File_Snake

海面でイチモンジカニカマの体はばらばらにほぐれ、中から噴き出してきた精子と卵が海中に流れ出します。彼らは生涯に一度しか繁殖できないんです。沢山のイチモンジカニカマが繁殖する時には、海が真っ白に染まるといいます。そんな彼らも捕食者にとってはご馳走。様々な捕食者がやってきています。

2016-03-05 20:51:15
さんかく @File_Snake

ほら、遊泳性のナガカニカマが現れました。プランクトン食のホグレカニカマも、卵や精子を食べに来ています。海底でおこぼれを狙っているのはフトカニカマ。こんなに様々な種のかにかまを一度に見られる場所は多くありません。この海域では実に30種ものカニカマ類が観察されているんですよ。

2016-03-05 20:51:46
さんかく @File_Snake

「ちょっと待った」「はいハゲじい。来ましたね」「せっかく卵を産んでも食べられちゃうなら意味ないじゃないですか。満月に拘らなくてもいいんじゃないの?」「確かに、無事に大人になるイチモンジカニカマは一割以下だとされています」「ほらぁ」「でも、今繁殖するのにはちゃんと理由があるんです」

2016-03-05 20:52:00
さんかく @File_Snake

「イチモンジカニカマの成体は住み着いた場所から動きません。幼生や卵の内に分布を広げるしかないんです。だから、潮の満ち引きが大きい大潮の夜に卵を産んで、少しでも遠くに卵を流しだそうとしているんです」「なるほど、捕食者なん、かにかま、ってらんない……ってことですナ」「(苦笑)」

2016-03-05 20:52:37
さんかく @File_Snake

「かにかまの多様性というのは種数だけの話じゃない」そう語るのはねりもの研究者笹鉾白口氏だ。「人為的に養殖されたかにかまが野外に放逐されたせいで、かにかまの遺伝的多様性は危機に瀕しているんです」大きく均一になるように選別された養殖かにかまは、野生かにかまよりも多くの子孫を残す。

2016-06-30 22:59:57
さんかく @File_Snake

「徘徊性のかにかまの中には、他の個体群から隔絶されて数万年も経つものもいます」遺伝的汚染は、地域個体群を損なうだけでなく、絶滅さえ招きかねないと笹鉾氏は語る。「個体群間の差は数万年かけて環境に適応した結果です。均一に育成された養殖かにかまは環境変化に耐えられないかもしれない」

2016-06-30 23:09:11
さんかく @File_Snake

「かにかまの遺伝子はかにかまが辿ってきた歴史を伝えているんです。この地域のかにかまには、朝鮮のものと近い遺伝子を持つものがいます」かつて日本と朝鮮が陸続きだった時代に侵入したのだという。物言わぬかにかまが歴史を物語る。「様々な種の中に様々な遺伝子があって、それで初めて多様性です」

2016-06-30 23:18:23
さんかく @File_Snake

かにかまによる人間への寄生事例は1982年に初めて報告された。しかし、かにかま寄生の初期症状は咳•肺炎•疲労といった、他の感染症や単なる不調と誤認されやすいものが多く、かにかま被寄生患者が見過ごされてきた可能性は高い。現在もかにかま寄生への認知度は低く、早期発見を困難にしている。

2016-08-01 19:31:35

「生どら焼き」の正体

さんかく @File_Snake

まさかどら焼きが円周から触手を伸ばして這い回るとは思いませんよね。私も初めていただいたときびっくりしました。

2016-06-14 20:37:02
さんかく @File_Snake

生どら焼きって書かれたらやっぱり生麩の生地使ってるのかなあとか思うじゃないですか。届いた時からもう箱がガタガタ揺れてて、恐る恐る開けてみたら中からビャッ!て触手が伸びてギャーですよ。

2016-06-14 20:42:11
さんかく @File_Snake

外周の襞から触手を伸ばして回転しながら這い回る姿がユーモラスで、よっぽど飼おうかと思ったんですけど、エサが特殊なんですね。あのアンコ様物質を生成するためには有機物に富んだ泥と塩分濃度が変化する汽水が必須なんですって。無理に飼っても長生きしないらしいので、涙を呑んでいただきました。

2016-06-14 20:45:18
さんかく @File_Snake

生どら焼き、個体によって餡の部分の色や味がだいぶ違うなーって思ってたんですけど、アレはエサ内容の差なんですってね。周囲に植物性プランクトンが多い場所だと緑でお茶っぽい匂いになり、懸濁物が少ない場所で育つと白っぽく淡白になるんだとか。ご当地どら焼きってそういうことなんですね!

2016-06-14 20:52:56

アップルパイ同人が出ると聞いたので

さんかく @File_Snake

『アップルパイが食べたい』そのAIは、転写を繰り返されてすり切れた骨董品。それの元の人格となった人物は既にこの世になく、地球という星に文明はもはやなく、この星もまたかの星と同じく文明の黄昏を迎えていた。「アップルパイとはなんだ」『私にもわからないんだ』合成音声は抑揚なく呟いた。

2016-04-17 18:01:22
さんかく @File_Snake

『 どんなものだったかな。アップルパイを食べていた時、私はしあわせだったのにね』既に滅びたかの星、地球の文化について、知るものは多くない。退廃したこの星では、誰も文化になど興味を持たないのだ。『ものを食べる感覚も、もう忘れて久しい。肉体があったというのはどんなものだったか……』

2016-04-17 18:09:21
さんかく @File_Snake

「へぇ、妹さんがアップルパイに。今の子はハイカラだねぇ。ウチの姉も昔きんつばになっちまってね」「身内が言うのもなんだが、姉ちゃんはそりゃあ器量よしだった。それが突然きんつばになったもんで、水に入って自殺しちまったよ。見つかった時はふやけてきんつばかあんこ玉か分からなくなってた」

2016-04-17 20:56:05