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ぽよ @Poyo_F
「そう言えば今年はどんな研究が?」と思って調べてみたらコステリッツ(K)、サウレス(T)、ハルデン(H)の3人がノーベル賞とな! ぽよは、大学、大学院時代と、統計物理&物性物理のラボでニューラルネットワークの研究やってたので、この3人の名前はとても良く聞く名前だった。
ぽよ @Poyo_F
聞いた名前が出てきて嬉しくなったので、色々な間違いがあるとは思うけれど、以下で物理の話を楽しみたい。 量子系と古典系の違いとか、強磁性か反磁性かとか、電子系のトポロジーなのか磁性系のトポロジーなのかとか適当にやってしまうので、そういうイイカゲンさにイラつく人は読まないでね。
ぽよ @Poyo_F
受賞理由がトポロジー相転移というから、ぽよでも少しは聞いたことがある お話。トポロジーというのは、あの五円玉と取っ手が輪っかになったコーヒーカップとを同一視する数学だ。穴の数ぐらいしか似てないほど似ても似つかぬモノどうしであっても、連続変形でうつり合うものは同一視する考え方だ。
ぽよ @Poyo_F
相転移というのは、粒子がキチンと並んだ秩序状態から、それが崩れた状態に変化する時の変化が(温度を変えてゆくと)ある温度で急に起こる現象の事。例えば氷は水分子がキチンと並んでいるが、0度をちょっとでも超えると水分子は並ぶのをやめてバラバラになる。この変化の事を相転移というのだ。
ぽよ @Poyo_F
相転移の温度を堺に物質の性質がガラリと変わるので、相転移を理解することは、物質の性質を理解することと直結しているのだ。例えば、水も氷も同じH2Oでできているのに、見た目も性質も滅茶苦茶違う。3人の発見した相転移は、それによって物質の磁気や電気抵抗等がガラリと変わるような相転移だ。
ぽよ @Poyo_F
BKT相転移のBKTはベレジンスキー、コステリッツ、サウレスの名前の頭文字だ。何故、ベレジンスキーは受賞できなかったのだろう? 原子1個を磁石と見立てた微小磁石の事をスピンと呼ぶが、全てのスピンの向きを平面内に限定するような物質では面内に磁石が渦状に並ぶようにできる。
ぽよ @Poyo_F
BKT相転移は、2通りある渦の向きが逆向き渦どうしでペアを組む状態と、ペアが無い状態が、ある温度を堺に突然入れ替わる。温度を下げてゆくと、ある温度で、一斉に渦達が逆向きの渦を見つけ出してペアになる。アブレた壁の花は殆どいなくなる。雑に言うと、この変化の事をBKT相転移という。
ぽよ @Poyo_F
トポロジーの穴の数が違う物体は、たとえ「コヒーカップと五円玉が同じだ」と言うほどに自由度が高い同一視ルールを持ってしても同一視できない。2穴のメガネドーナツは、連続変形である限りは、どうやっても1穴のドーナツに変形できないのだ、穴の片方を切るという不連続変形を行えば可能なのだが。
ぽよ @Poyo_F
磁石を平面内に並べた時に生じるツムジのような渦の数も連続変形が可能な範囲では、増えも減りもしないというトポロジーの性質を持っているのだ。ツムジをウブ毛も含めて、右回りツムジを見つけたら1増やし左回りツムジの時は1減らす数え方で数えると合計はゼロになるなんて話もある。(本当はウソ)
ぽよ @Poyo_F
ハルデン転移(本当はホールデンと発音するらしいが、ぽよはローマ字読みでハルデンと呼んでいたのでこのままいく)の方は、スピンが1列に並んでいた場合(今度は向きは自由)にも、スピン壁が簡単には減ったり増えたりしないトポロジーの性質があり、この壁の秩序にも転移があると言ったというわけ。
ぽよ @Poyo_F
あれから20年以上経っているし、ぽよはもはやその後の進歩に追いつけていないけれど、ある金属に磁場をかけながら電流を流した時、電気伝導度が磁場の変化に従って飛び飛びで変化するというのが量子ホール効果だから、トポロジーの穴の数に相当する何らかの不変量の変化で説明できたのだろう。
ぽよ @Poyo_F
温度にしても、磁場にしても連続的に変化する(させる)ものだから、これに伴う変化や効果も連続的に変化すると思われていた。だが0.5個の穴考えられないように、量子ホール効果では磁場や温度が多少変化しても電気伝導度は変化せず、いきなり一定量の変化が生じ中間の値が無いという事が起こる。
ぽよ @Poyo_F
電気伝導度は抵抗の逆数なので、この一定量の変化(=e^2/h)を測れば、抵抗の基準値を逆数で求めることができる。大体26kΩぐらいの値だ。この効果の発見自体は1980年台に別の研究者によるものだったが、今回のようにより深い数学的な理解は、K、T、H以降も進んでゆくのだろう。
ぽよ @Poyo_F
「右回りと左回りのツムジの個数が体全体で同数」が本当はウソなのは、体表面には毛の生えない穴が沢山あるから。もし隙間なく全表面に毛が生えた物体ならば、全ての毛が立ったツムジ数0の状態からツムジを作る操作は毛を倒すという連続変形なので、実は逆向きツムジで総数ゼロを保てる。
ぽよ @Poyo_F
無限に広がらない表面に境界があるという事は、中が空洞の物体に空いた穴を大きくすることで境界のある面を作れる。だから穴の周りを回る電流の渦は、その穴を拡大する変形をすると境界を流れる電流と同一視することができる。ここで全体として電気を流さない物質も境界だけは流す状態を作れる。
ぽよ @Poyo_F
物理法則は実験で確かめられなければいけないが、トポロジーは数学なので、連続変形と論理展開の正しさとかいった「前提」の部分を認めるならば、実験をすっ飛ばして「正しい」事が言えてしまう。この意味で、トポロジー的考察は結構役に立つのだ。
ぽよ @Poyo_F
忘れてたHaldaneの研究の続き、書こうかな。でも、結局、トポロジカル相転移には見えないんだよね。やはり、「本物」は、ちょっと読んだ程度では、難しいいね。
ぽよ @Poyo_F
トポロジカル相転移の面白さというか重要さを理解するには、どうしても「粒子の運動」とか、「温度」とかの意味を知る必要があるので、ここは話を脱線させて寄りしよう。温度は、粒子のランダムな運動の程度を表している。だから絶対0度で粒子運動が止まるというのは自然な感覚なのだが。。
ぽよ @Poyo_F
水を温めてゆくと摂氏100℃になるまでは順調に温度が上がってゆくが、そこで温度上昇は止まり、蒸発して全て気体になったところで、その水の気体はまた温度上昇を始める。この温度変化は、沸点では加えた熱が温度上昇に使われず、水分子が「動き方」を大きく変えるのに使われたために起こる。
ぽよ @Poyo_F
このように、温度を変えてゆくと、ある温度を堺に(つまり相転移温度を堺に)、物質の性質が大きく変わるので、相転移温度のあたりで粒子の動き方を探る事は重要なのだ。
ぽよ @Poyo_F
「動く」というのは、時間とともに位置や傾きなどの物理量が変わるという事だった。一方、「粒子は波でもある」と認めないと説明できない色々な事がある。そこで、これを認めてしまうと、絶対温度が0度(以降「0度」と書けば0[K]の事)で「動きを止めた波ってなんだ?」という難問が生じる。
ぽよ @Poyo_F
例えば、電子は今では見なくなったブラウン管の1ドットに衝突して光らせる事ができるような粒子だけども、水素原子の周りにいる時は波の方程式を満たすような波だ。水素原子1個では外形が球ということになっているから、「球面の周りの波とは何だ?」という事になる。
ぽよ @Poyo_F
本来、原子一個では温度も定義できないのだけども、水素原子で満たされた容器の中が0度の時と常温(約300度)の時とで、ある1個の水素原子の中の電子の波の運動状態に違いはない。つまり0度の水素原子達の中にいる電子の運動は300度の時と同程度であって、「速さ=0」にできない。
ぽよ @Poyo_F
要するに、小さな世界では、我々が見たことも無いような事、しかも理解に苦しむ事が起っているらしい。だから物理学者は、普段見慣れた世界で起こる事の類推はやめて、直観から一旦離れた数学を用いて微視的世界を解き、その数学的世界の直観を鍛えようとするんだな。
ぽよ @Poyo_F
温めるとランダムに動き出し、冷やすと動きを止めるような運動は、粒子が位置を変えるような運動ばかりではない。原子の中にある微小磁石であるスピンも、物質を温めるとその向きをランダムに変えるような運動をする。スピンの大きさは倒れづらさの事だった。
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コメント

ケンジ @windcompas 2016年10月11日
まとめを更新しました。
zionadchat @zionadchat 2016年10月11日
宣伝ついでに、やって来ました。数学的トポロジーは瞬間無限の世界で対象原子複数とか電子複数をを扱う。 だが個別の原子や電子は、世界をどう味わっているか。物質波群の同時到着。 ソビエトとアメリカの宇宙船同士のドッキングでは回転同期。 気分は情報将校。写真の読み方。 Map 5 金環日食 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/1035459
zionadchat @zionadchat 2016年10月11日
トポロジーの穴について、俺には実証する能力はないが、3つの様態があるように思える。 1.回転による「ねじ切り」が残す中心点。 2.有限範囲の同時性による平面から切り出された円。の、内外。 3.3次元空間の有限空間範囲が切り出された表面同時性と空間の内外。 これが3次元空間で触れることのできるクラインの壺、断面。
ケンジ @windcompas 2016年10月20日
まとめを更新しました。
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