放射性ヨウ素を使用した甲状腺の検査について
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@PKAnzug おはようございます。昨日他の人と話をしていて、二、三お聞きしたい事が出て来ました。お忙しい時間を割いていただくのは恐縮ですが、お暇のある時に質問して宜しいですか?
2016-10-17 06:14:07@PKAnzug ありがとうございます。んでは早速なんですが、例のまとめの中で、131I を使った甲状腺の検査がある、と言われていますよね。確かに随様がんに4割の集積がある、という記述がありましたが、検査自体としては123Iか99mTcが圧倒的に多いですよね?
2016-10-17 08:38:46@simesaba0141 I-123は比較的新しい核種なんです。I-131と違ってβ線を出さない上に半減期も短いので、高用量では甲状腺癌を増やすことが既知なI-131より安全性が高いということで、かつてのI-131検査に取って代わっているんです。
2016-10-17 09:15:04@simesaba0141 で、99mTcも比較的新しい核種で、しかもこいつは放射性ヨードとは若干動態が異なるんで、放射性ヨードを使った検査の完全な代替にはならないです。原発事故でI-131が放たれたもんで、最近隠居気味の検査の安全性を調べた研究が今更役に立ってる、みたいな感じ。
2016-10-17 09:21:19@simesaba0141 あともう1つ蛇足。放射性ヨード治療(検査ではない)はI-131しか使えませんが、これの終わりがけにもガンマカメラで撮影して「(超大量投与後の)I-131検査」をやります。これは治療薬の分布を確認する検査。そういうのもある、ということで参考までに。
2016-10-17 09:27:11@PKAnzug なるほど、123Iが比較的歴史が新しいというのは目から鱗でした。過去の知見の蓄積と言う観点からすると131Iの検査経験は積み重なっているのですね。
2016-10-17 09:37:45@PKAnzug 治療後に状況を見るというのは素直に納得の行くところです。たしかにこれは「検査」ですね。また、甲状腺の範疇から外れても、131I製剤なら副作用として甲状腺集積があって当然だと考えますので、部外者の素人が想像するより遥かに甲状腺への131I集積の事例はあって、
2016-10-17 09:40:32@PKAnzug その線量も某白猫氏が考えているような高線量ばかりではなく、低線量被曝の事例も臨床現場では多く積み重なっている、そのような理解で正しいでしょうか?
2016-10-17 09:42:23@simesaba0141 核医学で放射性物質を使う場合、大雑把に「検査量」と「治療量」があって、治療量はさらに病気の種類や状態で結構違うんですが、放射性ヨードに関してはいずれも検討されています。
2016-10-17 09:57:16@simesaba0141 「極微量」の検討は確かにないんですが、そもそもそんなもんで騒ぐのがナンセンスなんです。火傷に喩えるなら、36度の皮膚に41度のお湯が「特に害がない」と既知の時に、「36.001度のお湯は調べてないから危険だ」という主張が如何に馬鹿馬鹿しいかという話で…
2016-10-17 09:57:32@PKAnzug はい、このあたりが次の質問とも絡んでくるのですが、「甲状腺に被曝負荷をかけると発がんが抑制される。」と言う話も良く出てきます。激しく違和感を感じる部分ですが、聞いてみると甲状腺細胞の絶対数があるから、線量を上げれば甲状腺がんになりようがない。と言う話で、
2016-10-17 10:01:34@PKAnzug 甲状腺摘出術後の残存・転移細胞を叩くための話を持ち出すようなものだと思います。実際、バセドウ氏病の131Iアブレーションでも甲状腺を全部叩いてしまう訳ではないし、そんな手を使うくらいなら殆どが手術適応だと思うのですが…
2016-10-17 10:05:05@PKAnzug 具体的にMAXの甲状腺等価線量はどの程度で、ベクレル数ではいかほどになりますでしょうか?
2016-10-17 10:05:49@simesaba0141 「放射線当てた方が発癌が抑制」って、もしかしてバセドウ病に対するI-131治療の話じゃないですかね。それは「特に小児では、中途半端なβ線で甲状腺を半殺しにするよりは、大量投与で焼き尽くしたほうが甲状腺癌にならない(甲状腺細胞残らないから)」という話。
2016-10-17 10:07:57@simesaba0141 I-131治療では「甲状腺等価線量」なんて雑なものは使わずに、甲状腺の大きさ、ヨード摂取率等も加味した独自の計算式を使うんですよ。患者ごとに甲状腺の状態が大きく違うので単純には言えません。最終的には甲状腺に100Gyくらい当たるように調節します。
2016-10-17 10:10:57@PKAnzug あ!そうでしたね学校でやりましたそれ。すっかり忘れてました。それにしても100Gyですか!想像していたより桁一つ多かったです。
2016-10-17 10:12:16@PKAnzug はい、お察しの通りで、出所はバセドウ病の治療ガイドラインです。で、「大量投与で焼き尽くす」って話ですが、それは手術より131I大量投与の方が侵襲が少ないと言う事なんでしょうか?だとすると、それも結構凄い話だと思います。
2016-10-17 10:11:11@simesaba0141 そりゃ侵襲は少ないですよ。切らないですから。一時的には、首が腫れる・バセドウ病の症状が強く出る、といった副作用もありますが、それはすぐ改善しますし。若い女性が多いから「首の傷」も重大です。
2016-10-17 10:13:04@simesaba0141 再発を防ぐ意味でも、「ちょっと焼きすぎて甲状腺機能低下症になった」くらいがベストの結果だと、少なくとも私がやっていた頃には言われてました。施設によっては「丁度いいくらいの甲状腺機能」を目指してもう少し少なくしてるところもあるかもです。
2016-10-17 10:15:21@PKAnzug うむ、すごく納得できました。当てる線量と言い、文字通り焼き尽くす、と言う事で「大線量の方が抑制される」のレトリックも理解できました。ありがとうございます!線量等に関する疑問点はほぼ解消です。あと一つあるのですが、お忙しいと思いますので後日に後回しにします。
2016-10-17 10:16:23