2016-10-27のまとめ
これらの調査では,採用に関する考え方を示し,それに対し肯定か否定かを 5 段階で回答を求めているが,それを 3 段階に括り直している。ここからは,新卒採用を重視していて,たとえ景気が悪化してもそれを継続したいという意欲を窺うことができる。
2016-10-27 22:16:51とは言え,企業規模が小さくなるにつれ,いずれの設問に対しても「肯定」が減り,「否定」が多くなっている。ただし,全ての規模区分で,「肯定」が「否定」より多い。
2016-10-27 22:17:07中小企業の回答がかなり多い調査で,過去 3 年間の正社員の募集・採用方針が,「新卒中心」と「中途中心」のどちらであったかを 4 段階で問うている。表はそれを 2 段階にまとめたものである。規模「合計」では,実に70%が「中途中心」と回答していて,表 1 との違いは大きい。
2016-10-27 22:17:47この表には,企業規模別の結果も示してあるが,最大規模の「300人以上」のみが「新卒中心」の方が多いという結果である。新卒採用は,大企業を中心にしたものであることが示唆される。
2016-10-27 22:18:01労働市場がタイトになる中で,企業の人材採用を中心にした初期キャリアの領域ではどのような対応や変化が発生しているかを,企業インタビュー調査の結果に基づいて検討した。その結果,新卒採用に対する志向性が強いことが示され,「白い布仮説」 は依然として信奉されていることがわかった。
2016-10-27 22:18:46しかし中堅・中小企業や,準大手でもいくつかの業種の企業では,採用難によって計画人数が確保できなくなっていた。このような規模による違いは,採用のみではなくインターンシップに関しても現れていた。企業規模間格差は,特に採用に関わることに関しては大きい
2016-10-27 22:19:12日本企業の新卒者採用は,Thurow(1975)の「仕事競争モデル(JobCompetitionModel)」や,経営者がしばしば唱える「白い布仮説」が,依然としてよく適合する
2016-10-27 22:19:44仕事競争モデルとは,職業能力を身につけた求職者が職を得るために賃金を巡って競争するのではなく,職業能力は就職後の企業内の教育訓練で獲得するので,求職者は訓練可能性の高さを巡って競争する8)というモデルである。
2016-10-27 22:20:03白い布仮説とは,「白い布は何色にでも染められる」として,訓練効率の高い新卒者を白い布と見みなして優先的に採用するというモデルである。
2016-10-27 22:20:17[PDF] フィールド・アイ~英国から(2): ロンドンの生活賃金 / jil.go.jp/institute/zass…
2016-10-27 22:20:30低コストで許容範囲とされるロンドンでの生活費 pic.twitter.com/g22vFVy8yx
2016-10-27 22:20:50Σ(゚Д゚) 低所得者向けの公営住宅への入居を前提とした場合,低コストだが許容範囲の生活賃金は1週間当たり大人1人の世帯で288.2ポンド,共働き夫婦と子供2人の世帯では738.7ポンドとな る ( 表 )。
2016-10-27 22:21:35この中には所得税や社会保険料は含まれておらず,最低賃金レベルのフルタイムの収入があった場合,共働き世帯は公的扶助を受けることで何とか収支を合わせることができる。一方,一人暮らし世帯は公的扶助を受けても1週間当たり14.2ポンドの赤字になる。
2016-10-27 22:21:48収支を合わせることができる時間当たり賃金率は,公的扶助を受けることを前提とした場合,夫婦共働き世帯では6.95ポンド,一人暮らし世帯では8.55ポンドだ。
2016-10-27 22:22:1825歳以上の労働者に適用される名目最低賃金額の変化と消費者物価指数 pic.twitter.com/hOJaObl6Kr
2016-10-27 22:22:36( ゚д゚ ) 2005年の最低賃金額の額面と比較すると,率にして40%以上,2ポンドを超える上昇だ。この昇幅は日本人の目からすると,かなり急なもののように思われるが,イギリスでは物価の上昇も急である点に注意が必要だ。
2016-10-27 22:22:572005年から2015年までに物価は28%も上昇した。ただし,それでも最低賃金額(2016年は国民生活賃金)の上昇率は物価の上昇率を上回る。
2016-10-27 22:23:33(;゚Д゚) 導入に前後して,複数の大手企業が既存の労働者の福利厚生や時間外手当の引き下げを行い,オズボーン財務相が「生活賃金を盗んでいる」とけん制する事態になったことがあった。
2016-10-27 22:24:22企業の判断を雁字搦めにできない以上,国民生活賃金の導入が貧困を減らすという本来の目的を果たすかどうかは,まるで綱渡りのような危うさだ。雇用量や労働条件が削減されれば,見えないところで貧困が生まれる可能性があるからだ。
2016-10-27 22:24:40