- yasumico83
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25. 「え…」 キッチンに立つ私を 熱を帯びてる彼が ふわっと背中を包み込む 『避けとる?』 「ううん」 『なんで…部屋に来ないん?』 「かなり飲んだの?」 『ん?』 「酔ってるでしょ?」 『酔うほど飲んでないよ…』 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 02:26:5926. 腕を解いてリビングへ向かうと ついてきた彼はまた私を抱きしめた 『なぁ…』 「離して」 『俺が嫌いか?』 「…」 『抱いて…ええか?』 返事をする間もなく 振り向かされた私の唇は彼に奪われてた 彼を拒む事なんて出来なかった #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 02:27:4227. 大切にしてた彼女と別れて 寂しそうで悲しそうな彼が 私を求めてるなら… 愛なんてなくてもいい 簡単に抱かれた私をどう思うんだろう 疲れきって眠る彼の寝顔を見て 彼に抱かれたことが嬉しいと思っていたのに とても辛くて涙が溢れた #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 02:28:4128. 『おはよぉ』 「うん」 『昨日は…ごめんな』 「ううん」 楽屋への廊下で声をかけられて 彼の顔を見ることが出来なかった 何を話せばいいのかわからなくて だけど俯いてしまえばきっと 彼は昨日の事を後悔して 罪悪感さえ感じてしまう #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 02:29:0729. だから… 「ちゃんとご飯食べてきた?」 『ん…ありがとぉ』 「美味しかったでしょ??」 『うん…美味かった』 笑顔を作って 何もなかったような顔をして いつもと変わらない態度で接した 彼の口から 彼から謝られるのが辛いから #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 02:30:3130. 「鍵…ちょうだい?閉めてきてくれた?」 『うん…待って』 「ごめん…もう行くね、後ででいいから」 鞄の開ける彼の後ろからメンバーが現れ 私は逃げるようにその場を後にした 思っていた以上に辛い こんな気持ちになるなんて思ってなかった #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 02:31:0131. 大好きな人に抱かれるって こんなに苦しくなるものなの? 気持ちがなくてもいい 愛されてなくてもいい そんな女なんてどこにでいるのに みんなこんな辛い気持ちになってるの? 消えてしまいたい 戻れるならあの夜に戻って 彼を突き放せば… #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:04:2632. 《よぉ!》 「…おはようございます」 《顔が死んでんで》 「ブスって言いたいんでしょ?」 《ブスとは思わへんけどな》 長く彼らに付いてる私は 彼以外にもメンバーとは いい関係が続いていた #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:04:4933. 《お前さ~最近…なんやろ…悩んでへん?》 「悩み?全然?」 《へぇ~》 「疑ってるの?」 《何年一緒に居ると思うとるん?》 「3年?もっと??」 最初は話せなくて 輪に入れなかった私を引っ張ってくれたのは この人… #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:05:1434. 《何かあったら言えよ?》 「うん」 《俺に言え?》 「限定?」 《そ、俺だけに言えな?》 私の頭をクシャッとして優しく笑う 「やめてよ…せっかく直してきたのにぃ」 《もっとくしゃくしゃにしてやろか?》 「もぉ!」 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:06:3335. 頭に乗ってる手を掴んだ瞬間 私は大きな胸の中にいた 「ちょっと…」 《抱きしめるくらいなに?》 「だって」 《なんなら…キスしよか?》 真顔で見つめられて 困る私の額にそっと唇が触れた 《俺が居るから…そんな悲しい顔すんな》 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:07:0536. 《ええか?笑えなくなったら俺んとこ来いよ?》 返事に困る私をもう1度抱きしめ 耳元で優しく囁きその場から出て行った “ずっと好きやった…” 耳元で囁かれた言葉が頭の中を駆け巡る 仕事も手につかなくて 1日が終わるのを凄く長く感じた #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:07:4237. カフェで何時間も過ごし 閉店になり追い出され部屋に帰ると 玄関に人影を見つけた 『遅かったやん…』 「どうしたの?」 『待ってた』 「鍵?ポストに入れておいてくれたら良かったのに」 『話したくて』 「どこか飲みに行こうか?」 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:08:1338. 背を向けて階段を降りようとすると腕を掴まれ 部屋の前へ連れ戻された 『中で話そ?』 「掃除してないし…」 『俺やで?今朝最後にここ出たの』 彼の顔が少し怖かった いつも見てるからわかる いま怒ってるって… #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:09:0439. 黙って鍵を開けて部屋に入ると 彼はソファに座った 「コーヒーでいい?」 『ええから…座って』 言われた通り 向かい側に座ると沈黙が続いた 怖かった 静まり返る部屋が 謝らないで お願いだから… なのに 『ごめんな…』 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:09:3740. 俯いたままの彼が低い声でぼそっと言った一言 私が1番聞きたくなかった言葉 零れそうな涙を堪える事しか出来なくて 言葉が出てこない 『ごめん…俺な』 続きを言いにくそうにしてるのは 優しいからだよね 傷つけないようにした…つもり? #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-03 22:12:2141. 「やっぱりコーヒー入れるね?」 すぐにでも逃げ出したくて 席を立ちキッチンへ向かおうとした そんな私の腕は彼に掴まれ また沈黙… 「コーヒー入れられないじゃない…離して?」 『なんで…なんで平気でいられるん?』 「平気?」 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:01:3942. 『あんなことあったんに…なんで…いつもと変わらんでいられるん?』 「何かあったっけ?」 精一杯の笑顔を作ると 彼は目をそらせた 『俺さ…』 「そんなに悩まないで?私は全然平気だよ?」 『なんで』 「なんでって…大人だし」 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:02:3743. 『なんで…俺に抱かれたん?』 「成り行き…?なんとなく?」 『それだけ?』 「うん…」 そう言うしかないよね “あなたが好きだから” そんな言葉は彼を苦しめるだけで たった1回のこと… それをずっと引きずられるのは嫌だった #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:03:1844. 『帰るよ…』 掴んでた腕を離し立ち上がると 私の顔を1度も見ることなく 彼は黙って出て行った 我慢してた涙は1度流れ出すと 止まることはなくて 朝までソファで泣き続けた 気持ちもないのに 簡単に寝た女 軽蔑したんだよね… #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:04:2045. 『おはよぉ!』 「おはよ」 『コーヒー飲みたいな』 「いま入れるね」 あの日から不思議なほど 前と変わらない態度の彼に戸惑いつつ 私も笑顔を作りながら 一緒に過ごしていた 『あんな…新しい女が出来たんよ』 「良かったね」 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:04:4646. “良かったね” なんて笑って言える自分 正直な私の今の気持ち 別れて欲しいとか 私と付き合って欲しい そんな事は望んでない 1日の中で一緒に同じ時間を少し過ごせたら 彼が笑ってくれるなら それだけで良かった それだけで… #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:05:2547. なのに 私はあの日 あの夜のことをいつまでも忘れられないでいる たまに押し寄せてくるあの感情 彼に抱かれたあの夜… 紛らわすために屋上にあがると またあの人がいた 《ここって…お前の逃げ場なん?》 「そんなことないけど」 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:05:5948. 《お前さ…男が居るって嘘やろ?》 「え?」 《ヤスがいつも言ってるけど…そんなふうに見えんし》 忘れてた そんな嘘をついてたこと 《男が居るならもっと色気出せるはずやし》 「酷い…」 《なんで嘘つくん?》 「嘘じゃないもん」 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:06:2649. 《ヤスが好きなんか?》 その名前に反応してしまう そんな私の顔を覗き込んで嘲笑った 《わかりやっす》 「違うから」 《言わんかった?辛い時は俺に言えって言うたやろ?》 「…」 《1人でこんなとこで泣くなや》 「泣いてないし」 #秘めた想い #エイトで妄想
2016-11-04 06:07:36