『テヅカ・イズ・デッド』を批判的に乗り越えるために

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uroak_miku @Uroak_Miku

19)まんがキャラクターが不可逆に変容するのは日本のまんがに限ったことではないのでしょうが、日本の場合は幼年期の終わりというテーマが伴った。手塚がそれを始めた。そして戦後にたくさんの若いまんが家に伝播していった。

2016-11-13 16:08:48
uroak_miku @Uroak_Miku

20)日本のまんがはセックスとバイオレンスでいっぱいだと外国で批判されることがよくあります。それはこれと関係があるはずです。

2016-11-13 16:09:45
uroak_miku @Uroak_Miku

21)思春期、とりわけ男の子の場合はセックスとバイオレンスでいっぱい。

2016-11-13 16:10:26
uroak_miku @Uroak_Miku

22)戦争末期に描かれた手塚まんがを読むと、いろいろ考えさせられます。

2016-11-13 16:11:24

続きです。

uroak_miku @Uroak_Miku

1)これの続きを論じます。 twitter.com/KaoruKumi/stat…

2016-11-13 23:05:49
uroak_miku @Uroak_Miku

16)アウトコールトはこの男の子を著作物と考え、著作権局に登録しようと考えた。アメリカは当時著作物は登録制でした。何かまんがを一本描いたらそれをいちいち局に申請して登録していたのです。これを拡大解釈して主人公を著作物として登録したらどうか?と発想した。 pic.twitter.com/FDZXOLP4i8

2016-11-13 01:05:02
uroak_miku @Uroak_Miku

2)「キャラクター」の発明はコマまんがを進化させた。この話は何度もしたとおりです。同時に「キャラクター=特許」の発想も生んだ。

2016-11-13 23:07:07
uroak_miku @Uroak_Miku

3)ずっと後の話ですが連載まんが『スーパーマン』の作者コンビが出版社を訴えたことがあります。何回も。死後も遺族が訴訟を起こした。 pic.twitter.com/PeaJH5Uq6s

2016-11-13 23:12:46
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4)連載開始前に「いっさいの権利を出版社に譲る」という内容の書類に二人とも署名してしまったのです。出版社側もまさかこのサーカス団の筋肉男が大ブレイクするとは思っていなかったのですが新聞連載まんがの慣習にのっとって事前にそういう書類を交わしたようです。 pic.twitter.com/aDxYr1jG3k

2016-11-13 23:16:05
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5)日本の戦争が始まって作者の片割れは徴兵され、つまり脚本は出版社側が用意した人間の手に委ねられた。絵描きのほうは大近眼だったこともあって徴兵されず引き続き絵を担当。しかし視力悪化のためアシスタントにゆだねることが多くなった。

2016-11-13 23:17:38
uroak_miku @Uroak_Miku

6)脚本家が徴兵中にスーパーボーイが企画された。スーパーマンが十代のときの冒険譚です。スーパーガールもこの頃に企画されたのでしたか?記憶がおぼろげですが、とにかく作者の手の届かないところで姉妹編の企画が進んでいったのです。

2016-11-13 23:19:29
uroak_miku @Uroak_Miku

7)それが後で祟って作者コンビが出版社を訴えたのですが完敗。戦後、スーパーマンから一切手を引くはめになりました。わずかな手切れ金とともに。

2016-11-13 23:20:43
uroak_miku @Uroak_Miku

8)その後数十年してまた二人は騒ぎ出した。このときはほかのマンガ家たちが協力しキャンペーンを張った。テレビでも取り上げられた。それで出版社側は毎年ふたりに年金を払うことで手を打った。以後スーパーマンのいかなる作品にも必ず二人の名前を入れることにもなりました。

2016-11-13 23:22:35
uroak_miku @Uroak_Miku

9)ちょっとうんちく語りに脱線してしまったので話を戻します。この二人が「俺たちのものだ」と主張したのはまんが『スーパーマン』ではなくキャラクター「スーパーマン」のほうです。ここにどうか注意してください。

2016-11-13 23:23:47
uroak_miku @Uroak_Miku

10)十数年前に日本でもまんが家さんがあるSFアニメの著作権がらみで裁判を起こして地裁で負けてしまったことがあります。これです。 pic.twitter.com/NxWIhfn0kB

2016-11-13 23:26:57
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uroak_miku @Uroak_Miku

11)当時牢獄にいたPと、実質的に原作を提供したまんが家との争いです。詳細は省きます。この二人が争ったのは「キャラクター」(タイトルになったこの宇宙船も含める)ではなく「作品」の帰属でした。

2016-11-13 23:28:33
uroak_miku @Uroak_Miku

12)スーパーマンの裁判は違いました。キャラクター「スーパーマン」の帰属をめぐっての戦いでした。 pic.twitter.com/iQZkg8dSRH

2016-11-13 23:30:25
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uroak_miku @Uroak_Miku

13)要するに特許をめぐる争いです実質的に。「キャラクター」は特許ではないはずですが実質的に特許として機能しています。スーパーマンの絵をあしらったTシャツは、無地のTシャツよりはたくさん売れるはずです。「のれん」的効果を有するわけだから知財の一種と考えられます。

2016-11-13 23:32:39
uroak_miku @Uroak_Miku

14)「キャラクター」はコマまんがに時間経過を演出するための最重要デバイスという話もこれまでしつこく語ってきました。コマとコマのあいだに漂う、というか自律した存在と読む側は認識する。

2016-11-13 23:35:20
uroak_miku @Uroak_Miku

15)自律はコマとコマのあいだに留まらなかった。紙からも飛び出し、自律した。つまり商品化ですよ。 pic.twitter.com/2BjaOJBWXu

2016-11-13 23:39:28
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16)伊藤はここまでは思考しなかった。「キャラクター」がコマとコマのあいだで自律すると論じるにとどまった。(彼は「キャラ」と呼んでいますが「キャラクター」でいいと私は考えます) pic.twitter.com/OsbXEUVRNW

2016-11-13 23:42:32
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17)「キャラクター」の自律化についてはこれまでいろいろな方がすでに論じてきましたが、その「自律」うんぬんについては作品内世界にとどまって論じられています。せいぜい二次創作のなかでぶっとんだ新解釈がなされる等の指摘にとどまっている。

2016-11-13 23:45:27
uroak_miku @Uroak_Miku

18)「キャラクター」は「作品」をも跳びだすのです。 pic.twitter.com/283bmdCa26

2016-11-13 23:48:02
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uroak_miku @Uroak_Miku

19)どうもキャラクター論は作品創作メソッドの文脈でなされるか、資本主義のメカニズム下でまわる商品展開の文脈でなされるかの二系統があって、基本的に乗り入れがない印象を受けます。『テヅカ~』のキャラクター論ははっきりと前者です。

2016-11-13 23:50:28
uroak_miku @Uroak_Miku

20)後者で比較的読める内容のものとしては小田切博の『キャラクターとは何か』が挙げられます。ただ中途半端な印象が拭えない。最初のページから基本的なエラーがあることも過去に指摘したとおりです。

2016-11-13 23:52:25
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