ある日の晩酌inはまルーム
「だが、そうか。そんなにうまいのか」 そう言う磯風の手には、先程谷風から取り上げられた水色の缶ビールが握られていた。プルタブが開かれる。 「まずい、止めろ浦風、浜風!」#落ちぬい二次
2016-11-13 00:44:11慌てて兵頭が腰を浮かせる。磯風は酒は飲める。だが弱い。しかも強化型だけに酔うと手が付けられなくなる。兵頭がばね仕掛けの様に谷風を飛び越えて磯風の背後に回り、羽交い絞めにする。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:46:11兵頭ならば磯風を殴り倒す事はできるが、浜風の部屋を荒らさずに抑え込むのは困難だった。強化型の磯風は単純に腕力が強い。浦風に至ってはビールを口に運ぼうとする右腕に全身でしがみついても止められない。 「浜風!」 「はい!」#落ちぬい二次
2016-11-13 00:47:35浜風がビールを握る右手に取り付き、指をこじ開けようとする。だが磯風はアルミ缶を握りつぶさず、かといって開かない絶妙な力加減で抵抗する。谷風はこの騒動を見てげらげら笑っている。磯風がビールを飲んだらさっさととんずらするつもりなのだろう。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:48:59「こ、のぉーっ……!」 浜風は顔を真っ赤にして磯風の指を強引にこじ開け、何とかビールをもぎ取る。無理矢理奪い取ったため、缶は潰れて中身は大分こぼれてしまっていた。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:49:32「いくら磯風にだって、これは譲れません!」 と言うなり、浜風は残ったビールを一気に飲み干した。 「「「「浜風ー!?」」」」#落ちぬい二次
2016-11-13 00:50:56「にが……でもちょっと果物っぽ……」 言い終わらないうちにへなへなと倒れ込む。危うく床に衝突する直前に兵頭が受け止めたが、その顔色は早くも蒼白になっていた。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:52:33いくら気持ちを打ち明けているといっても、年頃の娘が返事を貰っていない相手に好きと言うのに勇気がいらないはずはない。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:53:56それで気持ちが昂ぶっていたところに、真意はどうあれ兵頭を狙っていると公言している磯風に兵頭がこの部屋に来る理由になっているビールを横取りされそうになって、何とかして兵頭は自分のものだとアピールしようとした結果が、ビール一気飲みである。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:54:13「浦風テーブル片付けろ、谷風はバケツかなんか持って来い!」 「任しとき!」 「がってん!」 「司令、私はどうする」 「隅っこに正座してろ!」 「承知した!」#落ちぬい二次
2016-11-13 00:55:20兵頭は浦風が手早く片付けたスペースに浜風を座らせ、後ろから抱えて背をさする。浜風の呼吸は荒くなり、小刻みに震えている。今にも発射しそうな状況だった。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:56:49「バケツおまち!」 谷風が浜風のすぐ横にバケツを置く。処分しやすいよう新聞紙を入れてあるのはさすが最年長というべきか。浦風は水を汲んだグラスをテーブルに用意していた。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:58:02「なあ司令。もしかして私は戦力外という事か?」 「飲んでたらお前がこうなってたんだから黙って見てろ!」 「ははは、何を馬鹿な。私はそんなに弱くはないぞ」 「弱いんだよ!」 「…………うぷ」 静かだったはずの夜はこうして更けていったのである。#落ちぬい二次
2016-11-13 00:59:22あとがき&おまけ
幹部扱いの謎
こういう事情もあるそうな
インドの青鬼とかって?
描いてるとおり結構面白いビールです。
発泡酒のホワイトベルグもおすすめ。
インドの青鬼と水曜日のネコは軽井沢の醸造所が造ってるクラフトビールで凄く特徴的なのでおすすめ。スーパーやローソンとかに売ってます。なお浜風が飲んでたのは「ほっとゆずかりん」#落ちぬい
2016-11-13 01:04:59