@amnkLibya さんによるリビア情報

現地訪問・調査を重ね、リビアの部族主義について考察してきた @amnkLibya さんによるリビアの解説。本人にまとめるの嫌がられたら消します。 スタンスと注意事項は本人のTweetをよく読んで下さいね。一応、緑字にしておきました。また、話題が変わる度に、その話題を青字にしておきました。 リストへの追加は不定期なのでリアルタイムに情報を得たい人は素直に @amnkLibya をフォローしましょう!誰でも編集可にしてあるので、勝手に追加してくださって結構です。ただ、混乱しないようにほかの人の発言は入れていません。また、本人が考えてTweetしているはずなので情報の取捨選択はせず、重複以外は全Tweetリストに追加しています。
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@amnkLibya

このワルファッラ(Warfalla, Werfella)家は、現在のリビアでの反体制運動の先陣を切り、反カダフィ姿勢を鮮明にしている模様です。

2011-02-22 21:55:39
@amnkLibya

これまでリビアでは何度か旧王制を支持する勢力や地方の有力部族が台頭し、反体制勢力として現政権を脅かしましたが、彼らの勢力基盤は特定の地域や部族に根ざしており、全国規模での広がりを見せたことはありませんでした。

2011-02-22 21:59:08
@amnkLibya

また反体制運動の目的は政治権力の奪取/奪還であり、隣国エジプトのムスリム同胞団のように何らかのイデオロギーを実現するための運動ではありませんでした。リビア国内のイスラーム勢力についても、旧王制の母体となったサヌーシー教団以外には、反政府運動を行った例は確認されていません。

2011-02-22 22:00:32
@amnkLibya

参考:中東・エネルギー・フォーラム「リビアで発生した反政府デモ」 http://bit.ly/glipR6

2011-02-22 22:07:22
@amnkLibya

参考:al-Quds al-Arabi紙「リビア、懸念すべきシナリオ」 http://bit.ly/eeGXQI

2011-02-22 22:08:31
@amnkLibya

では、地域主義と部族主義にもとづいたベンガジでの局地的な反政府運動が、なぜ首都を含めたリビア全域に広がり、政府高官や外交官の辞職・離反などに結び付いたのか?これは時間をかけて分析する必要がありますが、現時点では以下のように捉えています。

2011-02-22 22:20:38
@amnkLibya

まず、反政府運動に対する武力を伴う鎮圧がきわめて苛烈なものであり、多数の死傷者が出たことに、国民がアレルギー反応を示したという点。政府の対応には当然ながらカダフィの判断が伴っており、ベンガジでの蜂起そのものとは異なる部分でカダフィ個人への批判が高まったと思われます。

2011-02-22 22:29:44
@amnkLibya

繰り返しになりますが、ベンガジに対する鎮圧があそこまで苛烈であったのも、前述の通りトリポリの現政権とベンガジの間に潜在的な対立・対立意識が根強く残っていたためだと思われます。

2011-02-22 22:42:18
@amnkLibya

リビア国内、もしくはリビア人からのものだと思われるTweetを眺めていると、「リビア国民のために」「国のために一致団結して…」といった表現がよく出てきます。裏を返せば、これはそのような枕詞によって反体制側の団結心と正当性・正統性を高めようとしている・・・という見方もできます。

2011-02-22 22:50:14
@amnkLibya

また、政権が動揺する中で、「もはやカダフィ/個人による独裁の時代ではない」という風潮は確実に高まっているでしょう。この点に関しては、これまで大きな動きこそなかったものの、リビア政府内部でもある程度の共有はなされていたと思われます。

2011-02-22 22:51:25
@amnkLibya

参考:Newsweek 「打倒カダフィ」血のシナリオ http://bit.ly/efZfAq

2011-02-22 22:53:50
@amnkLibya

ここで一つ考えておくべきことは、リビアの反政府側に立つ人々は、「なぜ」カダフィ政権を打倒しようとしているのか、アラブ諸国の人々は、反体制運動を通じて「民主化」を達成したとして、その先に何を求めているのか、という点です。

2011-02-22 23:08:00
@amnkLibya

国家が資源から得た利益の適切かつクリーンな分配、行政サービスや法律の有効な機能、イスラームにもとづいた社会モラルの浸透、経済的格差の解消などは、単純に「民主化」「カダフィ退陣」の延長線上にあるものではなく、民主化を達成すれば自動的に達成され得るものでもありません。

2011-02-22 23:10:11
@amnkLibya

恐らく今後も情勢は大きく変動するでしょうし、リビアに多くの友人を持つ身としては一刻も早く現地の情勢が安定することを切望してやみませんが、「独裁政権vs無辜の民衆」「民主化」「狂人カダフィ」という言葉に踊らされていると、表層的な捉え方しかできないということは確かです。

2011-02-22 23:13:36
@amnkLibya

リビアでは前述の通りオイルマネーによって、生活必需品は非常に安く保たれています。ミネラルウォーター1.5リットルのボトルが20円、フランスパンが5本で100円など。基本的に生きていくのに困ることはありません。教育費もほぼ無料のため、肩書きだけは大卒の人間があふれています。

2011-02-22 23:24:02
@amnkLibya

報道されている通り、リビアにはブラック・アフリカや隣国のチュニジアやエジプト、南アジア諸国から多くの出稼ぎ労働者がきてブルーカラーの仕事を請け負っていますが、リビア人の外国人労働者に対する差別意識は極めて強いと言われます。

2011-02-22 23:30:23
@amnkLibya

話が逸れましたが、1969年の革命以降のリビアを振り返ってきても、政府と人々は決して対立、弾圧、抵抗の関係にあっただけではありません。オイルマネーや政治的権益の配分をめぐり、時には「共犯」の関係を持つことも多かったのです。この点に関しては機会があれば詳述したいと思います。

2011-02-22 23:35:49
@amnkLibya

乱暴な表現になりますが、「魔王カダフィがリビア政府全てを牛耳っていた」というようなドラクエ的発想からは、何も見えてこないどころか、極めて歪んだリビア像しか引き出しません。

2011-02-22 23:56:33
@amnkLibya

個人的な感覚ですが、国営テレビが政府のプロパガンダに用いられているのと同様、既にTwitterとFacebookは情報戦のツールになっています。死傷者数をふくらませ、「正義を求める無辜の民の声」を紹介し、「狂った独裁者」の悪行を並べ立て、「カダフィが国外逃亡した」と煽る・・・

2011-02-23 00:05:56
@amnkLibya

くれぐれも、「狂った独裁者カダフィvs正義と平等と平和を求める民衆」という一面的な構図に陥らないで頂きたく思います。そんなに単純なものであるはずがない。実情は、もっとずっとドロドロしている。

2011-02-23 00:07:17
@amnkLibya

そしてリビアという国を「魔王の支配する地獄のような国」「無力な人々が抵抗もせず苦しみ続けてきた国」と捉えること自体、その社会や現地で生活している人々を間接的に貶めている、ということも忘れないで頂きたく思います。

2011-02-23 00:11:29
@amnkLibya

引用: リビアを単純にその政治形態から捉えると、リビアという国は、暴政が敷かれ、国民は自らの権利をはく奪され、支配者は敵対する者を追い求め、国境を越えて彼らに暴力的な死をもたらすような国であるかのように見える。

2011-02-23 00:15:10
@amnkLibya

続) しかしリビア人(その多くが西側の評価を、最低でも一部に関しては真実だと認めている)は、決してリビアをそれだけの国だとは見なしていない。彼らは苦しんでいると同時に、政治的、精神的、文化的な自由のために奮闘している。

2011-02-23 00:15:36
@amnkLibya

続) この視点に立てば、リビアを独裁的(arbitrary)で自由の欠如した、束縛と恐怖によって支配者への服従を強制する社会だと見ることは誤りなのである。 ――John Davis “Libyan Politics: Tribe and Revolution”(拙訳)

2011-02-23 00:16:01
@amnkLibya

繰り返しお断りしておきますが、他の多くのリビア関連のツイートと同様、独断と偏見、不確定な情報にもとづいていることがあります。また、恐らく多くの人にとって「親カダフィ」「親リビア政府」のように思える内容も多いと思います。

2011-02-23 00:26:09
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