@amnkLibya さんによるリビア情報

現地訪問・調査を重ね、リビアの部族主義について考察してきた @amnkLibya さんによるリビアの解説。本人にまとめるの嫌がられたら消します。 スタンスと注意事項は本人のTweetをよく読んで下さいね。一応、緑字にしておきました。また、話題が変わる度に、その話題を青字にしておきました。 リストへの追加は不定期なのでリアルタイムに情報を得たい人は素直に @amnkLibya をフォローしましょう!誰でも編集可にしてあるので、勝手に追加してくださって結構です。ただ、混乱しないようにほかの人の発言は入れていません。また、本人が考えてTweetしているはずなので情報の取捨選択はせず、重複以外は全Tweetリストに追加しています。
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@amnkLibya

・・・と留保しておいたところで、例えばTwitterでは、こんなツイートが流れて、拡散されているわけです。(注:原文のまま。ツイートした人の名前は伏せます)

2011-02-23 00:27:24
@amnkLibya

「リビアに関しては、昨日だと思いますが、「平和的抗議行動からの無血革命は絶対に無理。相手は狂人なので民衆の側は武装しなければならない」という誰かの言葉がRTされてきていました(控えてないけど)。民衆の側が攻撃を加えているという情報があってもびっくりしないでください」

2011-02-23 00:27:50
@amnkLibya

「昨日だと思いますが」「誰かの言葉」「RTされて」「控えてないけど」という不確定要素の羅列・・・しかもその内容は、「カダフィは狂っているので、民衆が武装蜂起して、攻撃しても驚くべきことではない」という極めて過激なメッセージ。

2011-02-23 00:30:26
@amnkLibya

また、現在リビアで起きている状況を鑑みるに仕方のないことかもしれませんが、Twitter上で流れる「涙が止まらない…」「世界のため!」「人類のため!」「心が震えた」「良心が…」といった表現にも違和感を覚えます。

2011-02-23 00:39:58
@amnkLibya

未確認情報ですが、UAEの放送局Al-Arabiya等によれば、トゥアレグ族とマガーリハ族がワルファッラ族同様に反体制側についたといわれています。この3つの勢力は現代リビア、そして今後のリビア情勢を見る上で極めて重要ですので、概説させて頂きたいと思います。

2011-02-23 01:07:17
@amnkLibya

まず、トゥアレグ族(Tuareg)ですが、彼らは他の勢力とはやや性質を異にします。彼らはアラブ系ではなくベルベル系の遊牧民族であり、主にアルジェリア、マリ、ニジェールを中心に生活する200万~300万人ほどの少数民族です。http://bit.ly/h3D2wR

2011-02-23 01:19:06
@amnkLibya

トゥアレグ族は時に略奪や反政府活動を行い、時には観光や仕事で砂漠地域におとずれる外国人を誘拐し、外国政府相手に身代金を要求するなどしているようです。また、近年目立った動きを見せている「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」にも大きく関与しているようです。

2011-02-23 01:20:34
@amnkLibya

参考:AFPBB「反政府闘争を活発化させるサハラのトゥアレグ人」 http://bit.ly/eBAR8q

2011-02-23 01:22:47
@amnkLibya

参考:AFPBB「仏首相「アルカイダとは戦争状態」」 http://bit.ly/9J70qC

2011-02-23 01:23:05
@amnkLibya

ちなみに現在(2月23日、AM1:25)、Al-Jazeera Eng.でカダフィの演説がストリーム放送されています。http://english.aljazeera.net/watch_now/

2011-02-23 01:29:18
@amnkLibya

現在の演説放送でカダフィが着ている服、これはリビアの伝統的な衣装ですが、このタイミングとシチュエーションで、この衣装を身に付けることには、当然ながら意味があると思われます。また、彼の演説も、意図的かどうかは不明ですが、リビア方言の強いアラビヤ語です。

2011-02-23 01:35:59
@amnkLibya

トゥアレグ族に関する概説を続けます。彼らはどの国においても経済的、社会的に疎外されており、それが前述の略奪や反政府活動につながっているわけですが、僕の確認する限り、リビアにおいては住居や車、定期的な生活保障などを与えられ、少なくとも経済的に困窮している状況にはありません。

2011-02-23 01:41:39
@amnkLibya

そのため、他国で社会問題化しているトゥアレグ族による過激な反政府活動、権利要求のための蜂起というものは、リビアにおいてはほとんど顕在化することはありませんでした。(当然、現在見られるように、潜在的問題としては常にリビア政府にとって「火種」であり続けていたわけですが)

2011-02-23 01:47:22
@amnkLibya

次に、ワルファッラ族ですが、彼らは民族ではなく、「部族」です。つまりアラビヤ語を話すアラブ系の人々で、単純に言えば親族集団です。彼らはリビア東部を主たる拠点としており、リビアの主要な部族として伝統的に高い社会的・政治的地位を保持してきました。

2011-02-23 01:56:45
@amnkLibya

カダフィの高校の同級生であり、革命の同志であるムヘイシ(Umar al-Moheishi)も、ワルファッラ族の出身であり、革命政権の中枢にいましたが、政治的理念の違いからカッザーフィーと袂を分かち、1975年には反革命クーデターを企てたとして粛清されています。

2011-02-23 02:02:18
@amnkLibya

マガーリハ(Magariha)族も、南部を中心としてリビア全域に広がる、リビアの主要な部族です。革命当初から長年にわたり、カッザーフィーの右腕として政府の要職を務めたジャルード(Abd al-Salam Jalud)の出身部族です。

2011-02-23 02:08:52
@amnkLibya

1969年の革命直後、カダフィを中心とする新政権にとって何よりも重要だったのは、新たな部族連合を創設することで、サヌーシー旧王朝を支持して革命に抵抗していたリビア東部キレナイカ地域の巨大な部族から革命を保護することでした。

2011-02-23 02:10:58
@amnkLibya

そして、革命の同志達の部族的出自が、これらリビア最大規模の部族との連合を可能なものとしたのです。この部族連合政策は、弱小部族の出身であるカダフィにとって非常に重要なものであり続けました。つまり両部族の離反は、カダフィとリビア政権にとって極めて大きな打撃であることが分かります。

2011-02-23 02:13:42
@amnkLibya

ここで、カダフィの出身部族、カッザーファ族(Qadhafa, 「カダドファ族」など発音・呼称にいくつかのバリエーションは見られるが、同一の部族を指す)について触れておきたいと思います。

2011-02-23 02:22:10
@amnkLibya

カッザーファ族は首都トリポリから500kmほど東にある地中海沿岸の町、シルテを拠点とする小規模の部族です。家畜の遊牧を生業とする彼らは社会的、経済的地位も低く、またトリポリとベンガジの間に位置しているために、大部族による略奪の脅威に常にさらされていました。(半世紀前の出来事です)

2011-02-23 02:29:59
@amnkLibya

しかしカダフィが政権を掌握し、同時に彼が様々な抵抗勢力から狙われる立場に立ったことで、彼が信頼を置くことのできた数少ない人々が、同じ部族の出身者でした。 ここから、弱小部族に過ぎなかったカッザーファ族出身者の政府や軍部の重要ポストへの登用が始まります。

2011-02-23 02:34:45
@amnkLibya

結果として、カッザーファ族の出身者が政府・軍部の主要なポストを多く占めることとなります。例えばリビア空軍の高官ポストは、カッザーファ族の出身者にほぼ独占されています。そしてこの配置は、幾度かの反体制運動やクーデターを鎮圧する上で非常に役立つこととなりました。

2011-02-23 02:36:02
@amnkLibya

今回のベンガジやトリポリでの反政府デモへの対応でも、かなり早い段階でヘリや戦闘機が出動していますが、それはリビア空軍とカダフィとの前述の関わりが関係していると思われます。とはいえ、マルタへ空軍機が亡命するなど、現時点ではその統制は大幅に乱れているようですが。

2011-02-23 02:38:23
@amnkLibya

また、リビア東部や旧王家の人々がリビア政府から完全に排除されていたわけではなく、予算配分など様々な形で懐柔政策が取られてきた面もあります。カダフィの側近であり、またカダフィの現夫人の妹婿であるアブドゥッラー・サヌーシーは、名字の通り旧王族のサヌーシー族の出身です。

2011-02-23 03:08:56
@amnkLibya

参考:msn産経ニュース「カダフィ氏、テレビ演説「殉教者として国導く」」 http://bit.ly/fCksaN

2011-02-23 03:37:07
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