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たまや @C97火曜日西地区 て 17a @tamaya8901
高角砲の色付きの爆煙、これを出した映像作品って殆ど前例が無いんじゃなかろうか。弾薬を調べている立場からいえば、絵を描くの関係させる例の表現は屈指の名シーンだと思う。#この世界の片隅に pic.twitter.com/MYo8TzkK3a
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高角砲の弾丸の爆発煙、赤、青、黄色などになっていたが、 これのメカニズムについてちょっと解説しようか。 #この世界の片隅に
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日本海軍の砲弾で、対艦用の一式徹甲弾が着弾観測の便のために風帽内に染料を入れていたことは良く知られているが、対空用の高角砲弾にも色素が入れてあって、爆発するとまさにこの映画の描写のようにさまざまな色の爆煙が空中に咲いた。
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これの開発は相模海軍工廠が当たった。爆煙を着色するには、そのキャンバスたる元の煙を白くする必要がある。その元になる物質を弾丸に仕込んで、一緒に爆発させることにしたが、次のような条件がもとめられた。
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1、弾丸の中にあって安定かつ安全なこと。 2、高温高圧の爆発に耐えること。 3、爆発の威力を落とさないこと。 4、製造容易なこと。 そこで、無水硫酸や塩化亜鉛を検討したが この条件は簡単に満たすことは出来なかった。
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そんな折、リンが高温高圧の空中で酸化され、極めて吸湿性の高い無水リン酸になることがわかった。すなわち、リン酸を爆発物と一緒に爆発させると、発生した無水リン酸が空気中の水分を吸湿し、リン酸水溶液の水滴からなる白い雲ができるというわけである。これで、着色するキャンバスの用意はできた。
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次は、着色する絵の具である。 一式徹甲弾などとは違って、一般的な染料を使うと爆発の際に燃えてしまって黒い煤になってとても使えない。要するに、爆発で燃えずそのエネルギーが物質の昇華に使用され、リン酸水溶液に着色できる必要があったのだが、この選定ではなかなか適当な物を見出せなかった。
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しかしそのうち、この条件に合う物質が見つかった。赤色のものだと、コンゴーレッド(顕微鏡用プレパラートを作る時に細胞質や赤血球を染色するのに用いるもの)がこれにあたる。この物質を赤燐と一緒に混合して爆発物と一緒に爆発させると、極めて良好な着色煙を得られることが分かったのである。
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この原理で、同様な特性を持った種々の色素を赤燐と混ぜて爆発させれば、好きな色の爆煙が作れるようになった。 具体的な砲弾への装填方法は、赤燐と色素を混合したものをプレス成形し、ベークライトと真鍮の二重の容器に封入して弾丸底部に挿入した。
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試験は亀ヶ首、鹿島にて12cm高角砲弾で行い、煙の発生状況や着色状況、弾片の大きさなどを確認し、十分に威力と効果があると認められて採用され、相模海軍工廠第一火工部で量産に移った。この着色弾は、映画で見たように大戦末期に実戦投入され、戦後米軍から製法等の質問があったという。(終)
たまや @C97火曜日西地区 て 17a @tamaya8901
米軍が調査した日本海軍の高角砲の着色弾について補足。これは、戦後米軍に鹵獲された12.7cm砲弾用の着色剤容器の写真である。外観は黒色で、写真では見えないが、製造日を示す白色のラベルも貼付してある。 #この世界の片隅に pic.twitter.com/yYfhB7rt7I
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寸法は、長さ3と3/4インチ(約95mm)、直径3と1/8インチ(約7.9cm)。重量1.25ポンド(約570g)と記録されている。
たまや @C97火曜日西地区 て 17a @tamaya8901
ついでにここでもう一枚の写真を見て欲しい。2つの容器が写っていて、特に「B」のほうは着色剤容器によく似ている。実はこれ、砲弾に入れる毒ガス容器なのである。陸軍では、砲弾自体にガス液を入れたが、海軍では特薬缶という容器にガスを入れてハンダ付けで密封し、それを砲弾に入れた。 pic.twitter.com/jwA1XbInrc
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たまや @C97火曜日西地区 て 17a @tamaya8901
Aは15cm砲弾用のもので、長さ4 1/2インチ(約11.4cm)、底径3.3インチ(約8.4cm)、重量1.28ポンド(約580g)、Bは12.7cm砲弾用のもので、長さ3と3/4インチ(約95mm)、直径3インチ(約7.6cm)、重量1.38ポンド(約630g)、とある。
たまや @C97火曜日西地区 て 17a @tamaya8901
内容物のガスはいずれもCN、すなわちクロロアセトフェノンである。 こうした化学兵器は、着色弾と同じ相模海軍工廠で研究が行われていた。12.7cm砲弾用の着色剤の容器は、化学剤容器とよく似た形と寸法をしており、開発の参考にした可能性もあるが、直接それを裏付けるような証言は知らない。

コメント

ショタスキーヴィチ・ストレンジラブ @tachikoma_72 2016年11月20日
最初すずさんの脳内力ンバスに水彩絵の具をぶちまけているイメージなのかと勘違いしたけどこんな開発秘話が
betelgeuse @betelgeuse 2016年11月21日
GIGAZINEでの片渕須直監督インタビューで "軍艦がどの対空砲火が自分の撃ったものかを識別するため" "英文レポートの中に「カラーバーストプロタクタイル」についてのレポートがあって、「空中で爆発して色を染めるための染料が5種類ある」と書いてあるんですよ。白黒も合わせると、全体で6色の対空砲火" とありますね http://gigazine.net/news/20161111-sunao-katabuchi-interview/
ハドロン @hadoron1203 2016年11月21日
これはすごい。着色弾の存在は知ってたが、映像作品での描写は確かに記憶ないですね。
おいちゃん @semispatha 2016年11月21日
カラー映像資料無いからねぇ…軍オタくらいしか知らないかも。
登山家ブー @masapon0821 2016年11月21日
あのシーンはたしかに鮮烈だった
まおゆうの虫 @eC2hbJHNs4ubOyG 2016年11月21日
花火と違い炎色反応を使ったのではないのか。確かに自分の撃った弾がどれか判れば修正がしやすい。
ただただし⋈ @tdtds 2016年11月21日
このシーンはまさにアニメ化によって生命を得たわけで、原作厨でも絶賛せざるを得ないポイントのひとつ。
ROCKY @rockyeto 2016年11月21日
感動した! 着色弾を開発した人達の努力にも。それを初めて映像化した人達にも。
Tckw Ik @xtachik 2016年11月21日
普通に考えれば、「プロタクタイル」じゃなくて「プロジェクタイル」でしょうね。 Gigazineさんがミスったのか、監督の言い間違いの確認を怠ったのか知らないけど、 当該記事を引用するときに「おかしい、そんな単語あるのか?」とか思ってほしかった・・・
Simon_Sin @Simon_Sin 2016年11月21日
日本側から撮った空襲はたいていモノクロなので知らなかったなあ。米軍機にしても突如カラフルな煙に包まれて驚いたのでは。なお日本軍が色付きの煙で対空砲の命中率を上げていた頃米軍はレーダー近接信管を実用化していた模様
ゆきの @yukino112 2016年11月21日
非現実的なイメージの演出でカラフルにしたのかと思ってた。着色弾なんてあったのね。
sharon_shanonn3 @sharon_shanonn3 2016年11月21日
すずちゃんの脳内イメージを象徴的に描いたものだとばかり思っていた…。
hase_zzz....zz... @hase_zzz 2016年11月21日
町山さんのレビューで監督のこだわりについては触れていたけど、こうやって具体例を挙げられると凄まじいな。やはり見に行かねば。
cinefuk 🌀 @cinefuk 2016年11月22日
「染料5種類の爆発」で連想するのは『科学戦隊ダイナマン』の爆発名乗りだろうか https://t.co/T6mANaqaaX 「ああ、手元に絵の具があれば…」と悔しがる絵描きからの視線、印象的だった
ナタ・デ・ピーニャ @nata_de_pina 2016年11月22日
普通の砲弾なら艦これにさえ有ったけど、対空砲火は初めて見た。
cinefuk 🌀 @cinefuk 2016年11月22日
なるほど、昨年製作された特報(該当シーンは42秒から) https://youtu.be/BF8bxTEMIpY?t=42s では、高射砲の爆発煙は墨一色で表現されている。その後の(監督による)考証で「呉の空に広がる絵の具の華」というビジュアルが考案されたのだな
🏳️‍🌈K2🧷🎸🎶(っ'∀')╮ =͟͟͞͞ 🥚 @k2gtr 2016年11月23日
確かにあのカラフルさは印象的だった。
たまや @C97火曜日西地区 て 17a @tamaya8901 2016年11月24日
その2ができました。機銃掃射の弾薬についてです。 http://togetter.com/li/1052271
水天リボルバーAKG-F-17 @takuomizuno 2016年11月24日
てっきりイメージ演出だと思っていた…あれは現実だったのか!!
すめらみこといやさか🍮🏹🏡💏🇬🇧🍇🍲🍙🐺🦉🌞🌛🇯🇵⛩️🎌 @sorarisu0088 2016年11月25日
あれは本当にああいう色だったんだなあ・・・あのころの映像や写真はどうしてもモノクロのものばかりなので、その当時を知らない人間は昔は白黒の世界だったんだと、半ば本気で信じ込んでいる場合もある(マジで)。僕もYOUTUBEでアメリカ軍の戦闘機が日本の街や港や漁船を機銃掃射するガンカメラのカラー映像を見たときの衝撃は計り知れなかった。
亜山 雪 @ayamasets 2016年11月25日
私も艦これの着色弾を思い出した。「あっ!あっ!そうだよな、対空でも事情は同じだよな!」これは是非劇場で見てもらいたい。
有村悠%1/22砲雷撃戦・に-10 @y_arim 2016年11月26日
"コミケでこういうのばっかりやってるサークルあったなーと思って開いてみたらまさにそこだった。やはりお前か"というブコメで草
まんりき @manriki 2016年11月26日
原作の北條父はこの手の「技術解説やり出すと止まらないマン」で面白かったんだけど、映画独自の二千馬力云々はちょっと違う感がした。
SUDO@大和さん可愛い @sudo_simoigusa 2016年11月27日
日本海軍火薬史に、二式爆薬というTNA60%アルミニウム粉40%の混融爆薬が採用されたが、これが爆発で白色煙を生ずるので、12.7センチの着色弾に下瀬火薬と混ぜて爆発煙を良く見えるように使用したとあります。白を作る手段も何種類かあったのかな
irom @irom9 2016年11月27日
すずさんが「絵の具があれば・・・」とか言ってたからそのイメージなのかと思ってたわ
佐々原史緒@お仕事募集中 @s_sasahara 2016年12月1日
昔々、友人の父上が「爆弾が落ちてくるとき色とりどりで、綺麗だなって思った。が、次の瞬間、家がぶっとんで腰抜かした」っておっしゃってた。ずっと「あれは夜の話で、爆弾の閃光が子供の目には綺麗に見えたのかな」と思っていたが、もしかしてこの高角砲のことだったのかしら……
エリア83@讃州deおばけ屋/レイドバッカーズ応援民 @area83ontweet 2016年12月10日
そういえば当時の艦砲だと色付けて着弾観測⇒次弾照準を修正するのなんか普通にやってますもんね…
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