Age of Wonders III -Chronicle of Valmsun Runekeeper- その9

PCゲームソフト、『Age of Wonders III』のプレイ記録その9です。 ウユルタ統一を改めて期したヴァルムスンは、 群雄"夜の刃"サルトールとの戦いの末に、ウユルタ地方北部を新たに手中に収める。 第1章 ロガーン・ドゥルの勃興 http://togetter.com/li/1003681 続きを読む
0
前へ 1 2 ・・ 6 次へ
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

切りつけられたグラトンは突然大口を開けたかと思うと、 「ぬおっ?!」 ドワーフをぱっくりとそのまま丸呑みしてしまったのだ。 後方で他のナーガを相手にしていたヘンナはその光景を見て、息が止まるほどの衝撃を覚えたという。 #AoW3CoV pic.twitter.com/49DYEnNuV6

2016-11-24 02:58:05
拡大
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

ヘンナの指揮と残った部隊によって辛くもグラトンは倒され、 「こいつは一杯喰わされた、いや、喰われたといったところか! ウハハ! 」 腹の中から助け出されたサガディルは消化液まみれで愉快そうに呵々大笑したものの、 #AoW3CoV pic.twitter.com/6uK1IQKN2Y

2016-11-24 03:04:55
拡大
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

ヘンナはその時初めて、この豪胆な先達の武人が自分の中で大きな位置を占めるようになっていたことを自覚したそうだ。 その後、療養のためマルムス・ドゥンへ戻った夜に、彼女は自らの思いを相手に伝えたという。 #AoW3CoV pic.twitter.com/B5e5fq9nfA

2016-11-24 03:07:34
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

確かに昨今2人で動くことが多かったのだが、それにしても歳の差を考えると、 「まさかきみたちがこうなるとは、なぁ。」 とはいえサガディルは実際まだ年寄りという歳でもないし、一方ヘンナも"年寄り"の異名を取るほどだ。 案外これはこれで似合いの2人なのかも知れない。 #AoW3CoV

2016-11-25 01:36:46
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「そういうことなら、私に祝福しない理由はないよ。めでたいことだ!」 ヴァルムスンはもう一度微笑むと、タイロバーを呼んだ。 この幼馴染みの男はといえば、ヴァルムスンから2人のことを告げられても、顔色ひとつ変えずに「わかった。式はいつだ?」と答えるだけである。 #AoW3CoV pic.twitter.com/5uoOzS4yvU

2016-11-25 01:40:02
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

ドワーフたちが四人集まっているところへ、新妻を連れてやって来たペルはといえば、 「将軍とヘンナ女史ならきっといい夫婦になれますよ!」と、これまた浮かれたことを言った。 ヴァルムスンはひとり、肩をすくめるしかなかった。 #AoW3CoV

2016-11-25 01:44:31
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「まあ、きみたち二人の子供なら、きっとすばらしい戦士かすばらしい魔法使いのどちらかになる。それは間違いないだろうね!」 何であれ、ヴァルムスンにとってもこれは喜ばしいことであった。 翌月、ロガーン・ドゥルにて改めて婚礼の儀が行われ、新たな夫婦が生まれたのだった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/lYJsFVB8TQ

2016-11-25 01:47:54
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

さて、表面上の平和を保っているとはいえ、ウユルタ統一に向けて、ファイラックは避けては通れぬ相手だ。 依然国境は互いに開放しているため、折に触れてファイラック側の飛行機械(ドローン)や大鷲が上空を行き来していたが、ロガーン・ドゥル軍は着々と軍備を整えていた。 #AoW3CoV

2016-11-25 02:27:25
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

どこまで現実的かは疑わしいものの、国境を開放している以上、例えば仮にファイラックの首都、ラナック(ヘイルストーブの西、ラハド・ドゥンの南西)近くまで何食わぬ顔で軍勢を進め、いきなり宣戦布告と同時に首都包囲…といったことも、あるいは不可能ではないかも知れない。 #AoW3CoV pic.twitter.com/s7qAywekHm

2016-11-25 02:31:50
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

だが、おそらくこれは最後の戦いになる。 となれば、 「ファイラックを真っ向から討ち破って、われわれロガーン・ドゥルのドワーフが、真にウユルタの長たるにふさわしいことを世に示す必要がある…」 このことである。 「真っ向勝負だ。」 ヴァルムスンは地図を見て、頷いた。 #AoW3CoV

2016-11-25 02:33:54
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

となれば、ファイラックの各都市、それぞれに攻め込んで行く必要がある。 北から東回りの順に、 ラシェミからエエム・ティリトへ。 ザドラク・アルムからログラムへ。 トラドゥ・アルムからヘイルストーブへ。 そしてマルムス・ドゥンからナガナッサ、そしてダロスイへ。 #AoW3CoV pic.twitter.com/v7TZuPajMD

2016-11-26 02:20:20
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

まずエエム・ティリト攻めはカルゼン。 マルムス・ドゥンからはサガディルとヘンナ。 ザドラク・アルムからはタイロバー。 ペルはトラドゥ・アルムよりヘイルストーブへ。 そしてヴァルムスンは、ラハド・ドゥンよりラナックを臨む構えだ。 #AoW3CoV pic.twitter.com/Z0j95Go2oW

2016-11-26 02:26:48
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

すでに仲間たちはそれぞれの拠点へとロガーン・ドゥルを発っている。 ファイラックとの会談に臨む前に、ヴァルムスンにはひとつ、やっておかなくてはならないことがあった。 ロガーン・ドゥル魔術院、瞑想の間にて、彼は深呼吸をすると、儀式書を開いた。 #AoW3CoV

2016-11-26 02:35:03
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

そこに、魔術院のこれまでの研究の集大成があった。 究極の魔術、第七サークルの呪文のひとつ。 ウユルタのエセリアル界に眠る太古のマナの流れにアクセスし、そこから莫大なマナを引き出す。 "エイジ・オブ・マジック(魔術の時代)"の名にふさわしい魔法である。 #AoW3CoV pic.twitter.com/FzcGLDPgM6

2016-11-26 02:38:23
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

これほどの大魔法となれば即座に詠唱は不可能だ。実際彼は五ヶ月前から儀式の準備を進めていた。 いまや体から湧き出るマナは充実し、あとは起点となる呪文を詠唱するだけである。 自分に出来るだろうか…とは、彼は考えない。 それが魔術師だ。やれることを、ただやるだけ。 #AoW3CoV

2016-11-26 02:42:22
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

この地に在りし古の大いなる力の脈よ、今こそ我、ヴァルムスンの名において、呼びかけに応えよ。 我はなんじ、我こそマナと共にある者、現世と幽世の狭間を繋ぎし者。 我になんじを視る目を、なんじを触れる手を、而して我をなんじとひとつと為せ!#AoW3CoV

2016-11-26 03:00:10
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

詠唱が完成に近づくにつれ、アストラル界の姿がヴァルムスンの視界に重なって映り始める。それは物質界と常に隣り合わせに存在しながらも、誰も直接知覚することのない世界だ。 いまや彼の目は同時にそこを見、そしてその手は水を掬うように漂う無限のマナを掴むことができる。 #AoW3CoV pic.twitter.com/mCLMve103Y

2016-11-26 03:00:46
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

膨大なマナの力が自らに流れ込むのをヴァルムスンは感じていた。これならば、魔法を使う際にも、通常の半分の詠唱力で行使することができるだろう。 準備は整った。 #AoW3CoV pic.twitter.com/u5JviQ1spu

2016-11-26 03:01:44
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

宣戦布告の前に、最後に一度、ヴァルムスンはファイラックと話し合いの機会を持ちたかった。 向こうがロガーン・ドゥルの統治を認めてくれれば、戦わずに話が済むなら、それに越したことはないのだ(その可能性がほとんどないであろうことは、ヴァルムスンもわかってはいたが)。 #AoW3CoV

2016-11-26 04:34:07
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

遠隔透視の魔法によって、ファイラックの大柄な体が映し出された。 「これはロガーン・ドゥルのヴァルムスン殿。お盛んなようで、何よりだ。」 ファイラックは冷ややかに(そう聞こえたのはヴァルムスンの気のせいだろうか?)挨拶を口にする。 「それで、どのような用件かな。」 #AoW3CoV pic.twitter.com/XcufRk4r0y

2016-11-26 04:40:08
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「我々は同盟を結ぶことはできないかな、ファイラックどの。」 努めて穏やかに、ヴァルムスンは答えた。 「さて、それはどうしたものか…」 ドラコニアンは腕を組む。 「卿はいまや飛ぶ鳥をも落とす勢い。ウユルタの半分を手中に収めるほどではないか。」 #AoW3CoV pic.twitter.com/MjHcBzFN0A

2016-11-26 14:23:37
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「まあ、おかげさまで。」 かつて和平を結んだ日にファイラックは言った。 ヴァルムスンもまたウユルタの統治者の系譜。今改めて領土を広げることは、ヴァルムスン自身の生得権に依るものであると。 思い返せばもう十年以上も前のことだ。 #AoW3CoV

2016-11-26 14:24:27
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「それにファイラックどのには北を好きにしていいとも言われたから、実際そのようにしたと言ったところかな。」 諧謔的にヴァルムスンは付け足すが、これはファイラックの癇に障ったようだ。 「だがその矛先が次は我らドラコニアンに向かないと、どうして保証できよう?#AoW3CoV

2016-11-26 14:24:50
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「それを保証する術は言葉のほかにはないけれど、」 そして我らドワーフは自らの言葉を違えることはしないけれど、と、ヴァルムスンは続ける。 「けれど、そうした疑念をそちらが持った以上、はたして言葉があなたがたにどれほどの意味を持つのかはわからないね。」 #AoW3CoV

2016-11-26 14:25:32
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

ファイラックは黄色い目を威圧的に細めた。 「我らと事を構えるつもりか?」 「そちらが話を聞いてくれないなら、そうするしかない。」 ヴァルムスンは決断的に言った。 「よかろう…」 黄色い目が、徐々に赤く色を変えていく。 #AoW3CoV

2016-11-26 14:26:08
前へ 1 2 ・・ 6 次へ