「うまいプレゼンテーション」の落とし穴

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開米瑞浩 @kmic67

昨日はあるプレゼンテーションを見ていたけれど、正直言ってあまりに下手すぎてめまいがするレベルのものだった。しかし、それを見ていて逆に思った。「うまいプレゼンテーション」には、それはそれで落とし穴がある。

2011-02-26 02:14:17
開米瑞浩 @kmic67

プレゼンテーションというのは、人の意識をコントロールする技術である、という面がある。それが「上手である」というのは、「大したことのないコンテンツなのに、内容があるように見せかけることができる」場合もあるということだ。

2011-02-26 02:18:17
開米瑞浩 @kmic67

あるいは、「田中さんはAの問題に関心があった。それについての手がかりが分かるかもしれない、と思って、プレゼンターの話を聞いていたら、大変話し上手なプレゼンターで、すっかり別なところに関心を引きつけられてしまった。終わったときには、Aに関心があったこと自体を忘れていた」 としたら?

2011-02-26 02:23:56
開米瑞浩 @kmic67

この場合、プレゼンターはその目的を達成したことになるだろう。けれど田中さんにとってはどうなのか。「知りたいことがわからなかった」とモヤモヤが残るようならまだいい。 場合によっては「関心自体を忘れさせられてしまう」ということが起こる。

2011-02-26 02:28:21
開米瑞浩 @kmic67

商品を売り込もうとするプレゼンの時にはそれでもまあ良しとしよう。問題は、教育の場面でこれが出てきた場合だ。

2011-02-26 02:29:18
開米瑞浩 @kmic67

あるテーマがA・B・Cという前提知識を必要としたとする。先生は前提知識があることを前提に説明するが、生徒のほうはその知識があやふやだ、とする。 このとき、生徒は「あれ、Aって何だっけ・・・?」と不安に思うが、

2011-02-26 02:31:46
開米瑞浩 @kmic67

プレゼンテーションがうまい人というのは、前提知識が乏しい相手に対してでも「なるほどわかった」と思わせることが可能な技術を持っている。 しかしその技術はこういう場面では有害ですらある。

2011-02-26 02:32:36
開米瑞浩 @kmic67

前提知識が乏しいなら乏しい、と自覚してそれを学ぶ必要がある相手に対して、前提知識がないのに「わかった」ような気分を与えてしまったら、それは教育としては失敗だ。

2011-02-26 02:33:23