『荒野の「復習」』

マカロニウエスタン発生のプロセスと、その進化の行き着く果てに現われた、マカロニウエスタン唯一の3D映画『荒野の復讐』について。
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

野郎ども! まだ観たことのないマカロニウエスタンを観たくはねえか? pic.twitter.com/vkriTIolNz

2016-12-06 01:06:06
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『荒野の復讐』は初DVD化作品だが、正直こいつの売り上げにかかっているんだぜ(実はあまりかんばしくない)。 pic.twitter.com/wgmH7MpUaC

2016-12-06 01:07:24
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

初DVD化作品が売れたら、他の初DVD化作品も地平線からやって来るってもんだ。 pic.twitter.com/vlbK1W0Zep

2016-12-06 01:08:39
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

ここだけの話だが(笑)、実言うと未DVD化作品を山ほど用意している。 個人的には世界的にも初正規DVD化の『皆殺し無頼』までは到達して欲しいと思っているが、その他にも用心棒やらガンマンを多数取り揃えている最中だ。 pic.twitter.com/yOpcsrah9X

2016-12-06 01:14:25
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

正直、これ出たらすごいことなんじゃんという作品もかなりある。 先日、マカロニウエスタン・イベント主催者の連中と撃ち合わせた時も、少しリークしたら大興奮だったもんな。 pic.twitter.com/lIe7csCLa4

2016-12-06 01:16:40
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

ということで、明日から“マカロニウエスタン”進撃0号作戦をスタートさせて盛り上げますので、Companerosたちのやるべきことはただひとつ。 「その金でパンを買うな」 「買うんだったら、『マカロニウエスタン 傑作DVDコレクション』を買え!」だ。 pic.twitter.com/rdLDSOzxX7

2016-12-06 01:21:03
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

さて。 “マカロニウエスタンをおおいに盛り上げ、「マカロニ・ウエスタン傑作映画DVDコレクション 」を50号まで発売させようぜキャンペーン” (略称まかまかキャンペーン)を始めようかと思います。 ガンマンらしく、独りでな。 pic.twitter.com/eFbPKtGGQJ

2016-12-06 22:39:53
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

第一回は、マカロニウエスタン唯一の3D映画として作られた、『荒野の復讐』。IMAGICA BS番組案内用に書き下ろしたコラムの再録です。 コルトに弾はこめたか? Companeros。 pic.twitter.com/iXrP2QDqZk

2016-12-06 22:43:50
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『荒野の「復習」』  蔵臼 金助(イタリア製西部劇研究家) pic.twitter.com/FaQyWb5YZu

2016-12-06 22:45:49
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

1964年にイタリアで制作された黒澤明の時代劇、『用心棒』(1961)の西部劇変換コンテンツは、その優れたアレンジにより、瞬く間に世界中へと拡散したのだった。

2016-12-06 22:56:07
蔵臼 金助 @klaus_kinske

そのヨーロッパ製西部劇『荒野の用心棒』は翌年の昭和40年(1965年)に日本でも公開されて、淀川長治と深沢哲也の両名により“マカロニウエスタン”と命名される。 pic.twitter.com/5lxfx9UruE

2016-12-06 22:56:46
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

つまり、2014年は「『荒野の用心棒』製作50周年」、2015年は日本における「“マカロニウエスタン”生誕50周年”」というわけだ。ちなみに、欧米で“マカロニウエスタン”は、“spaghetti western”と呼称されている。

2016-12-06 22:57:15
蔵臼 金助 @klaus_kinske

ヨーロッパ西部劇(公開された欧州製西部劇は、必ずしも全てがイタリア製とは限らない。スペイン製もフランス製もドイツ製もイギリス製も存在した。さらには各国合作の西部劇も数多く作られた)の爆発的ブームの火付け役、『荒野の用心棒』のプロットはこんな感じだ。

2016-12-06 22:57:37
蔵臼 金助 @klaus_kinske

対立する二つの勢力(アメリカ人のやくざ一家とメキシコ人のやくざ一家)が拮抗し合う辺境の町に、ふらりと現われた独りの流れ者。腕が立ち、頭も切れる彼は、互いの勢力の間で立ち回り、パワーバランスを崩してそれぞれを全滅させ、颯爽と去ってゆく」……

2016-12-06 22:58:07
蔵臼 金助 @klaus_kinske

このプロット自体は『荒野の用心棒』のテキストとなった『用心棒』、さらに遡ると、ダシ―ル・ハメットが1929年に発表したハードボイルド小説、『血の収穫』にたどり着く。

2016-12-06 22:58:32
蔵臼 金助 @klaus_kinske

そういう意味で、『用心棒』をリメイクしたウォルター・ヒルの『ラストマン・スタンディング』(1996)は、舞台設定からすると先祖返りに近い。 pic.twitter.com/JJ8PUz5ULJ

2016-12-06 23:00:25
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

『荒野の用心棒』の世界的なヒットは、イタリア及びスペインで多くの亜流作品、劣化コピーを産ませ続けた。その量産第一号が、セルジオ・コルブッチの『続 荒野の用心棒』(1966)だ。 pic.twitter.com/2lSqFDXHAs

2016-12-06 23:01:23
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

対立する勢力(人種差別主義者のファシスト一味と、メキシコ革命軍)が拮抗し合う国境近くの町、流れ者で孤高の主人公ジャンゴ、二大勢力を牽制し合って全滅に追い込み、去って行く… pic.twitter.com/LPb6JiLGXZ

2016-12-06 23:02:05
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

プロットばかりではなく、マシンガンによる皆殺し場面、決して正義の味方ではなく、金の亡者で銃の腕前のみを信用しているニヒリストの主人公、登場人物の殆どが天に召される黙示録的世界観……共通点は数多い。 pic.twitter.com/Rs1y5wnsy0

2016-12-06 23:03:02
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

しかし、コルブッチはプロットを借りただけで、そこにイタリア人独自の感性で異様な状況設定を盛り込んだ。『用心棒』を“ハリウッド製正統派西部劇風”にアレンジしたセルジオ・レオーネとは、圧倒的に異なる作品を産み出したのである。 pic.twitter.com/uqhbTx6ZIH

2016-12-06 23:04:18
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

ここに、“マカロニウエスタン”のアイデンティティが確立された。模倣ばかりでない、個性あるジャンルとしての“マカロニウエスタン”が誕生したのである。

2016-12-06 23:04:39
蔵臼 金助 @klaus_kinske

『荒野の用心棒』を設計図として作られた量産第一号である『続 荒野の用心棒』もまた、世界的に大ヒットした。その後は御存じのとおり、雨後の筍どころではない、筍のコルホーズ的大生産体制が確立され、イタリア人は二兎どころか、二十兎くらいを追って、五兎くらいを得ることに成功したのである。

2016-12-06 23:05:37
蔵臼 金助 @klaus_kinske

その、『血の収穫』から端を発した『用心棒』をコピーした『荒野の用心棒』をアレンジした『続 荒野の用心棒』に並ぶ、『荒野の用心棒』習作群のひとつが、ヴァンス・ルイスが1966年に監督した『暁の用心棒』である。 pic.twitter.com/5TClzGRHio

2016-12-06 23:06:41
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蔵臼 金助 @klaus_kinske

「対立する二つの勢力(アメリカ合衆国騎兵隊とメキシコ人山賊一味)が拮抗し合う辺境の町に、ふらりと現われた独りの流れ者。腕が立ち、頭も切れる彼は、互いの勢力の間で立ち回り、パワーバランスを崩してそれぞれを全滅させ、颯爽と去ってゆく」……プロットはまったく一緒だ。 pic.twitter.com/BhyJQkYo8z

2016-12-06 23:07:25
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