【真田丸】第49回「前夜」 時代考証の丸島和洋氏による解説 今回ついに「秀忠覚醒」でしたね

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丸島和洋 @kazumaru_cf

少し史実と異なる描写をした箇所がありましたので、敢えて先回りをしました。

2016-12-11 22:17:25
丸島和洋 @kazumaru_cf

信尹が示した信濃一国という条件ですが、実際には冬の陣で二回目に提示され、信繁がぶち切れたものです。これをクリアするには豊臣領を没収しないといけないので。だからこそ、信繁はうんといわないわけですね。

2016-12-11 22:19:34
丸島和洋 @kazumaru_cf

信繁説得は、『真田太平記』では小野のお通の仲介で、信之がやっていました。もちろん両者ともフィクションなわけですが、両方をみてみるのも、面白いかもしれません。

2016-12-11 22:21:09
丸島和洋 @kazumaru_cf

なお今回、信尹が持っていた通行手形が、結構凝っています。第一回で勝頼が信幸に与えた人質免状(兼通行手形)と同様に縦長の「竪切紙」という様式。通行手形や年貢の請取状といった消耗品タイプの文書は、こうした紙に書かれました。

2016-12-11 22:24:39
丸島和洋 @kazumaru_cf

で、「家康の花押で」ときたので、「うーん、家康はこんな文書に花押を書きませんよ。本当は印判状です」といって試しに家康の印判「恕家康」の画像を送ったら、「作ります。寸法を教えてください」と返事がきて、え、寸法??と大慌てに。で印判状になったのですが・・・、映らなかったと(笑)

2016-12-11 22:27:48
丸島和洋 @kazumaru_cf

室賀久大夫については、寺島隆史「武田氏滅亡後の室賀氏の動静と真田昌幸―屋代秀正の動きも合わせて「室賀謀殺」に至るまで―」(『信濃』64巻11号、2012年)が一番詳しいかと思います。

2016-12-11 22:37:29
丸島和洋 @kazumaru_cf

とりあえず、こんなところですかね。次回、ついに「最終回(無題・・・視聴者の皆様でつけてください)」となります。その前に、イベントでお目にかかれる方は、それを楽しみにしています。

2016-12-11 22:49:00
丸島和洋 @kazumaru_cf

あ、今回ついに「秀忠覚醒」でしたね。幕府の真の礎を築いた人物として、感慨深く見ていました。

2016-12-11 22:56:05
丸島和洋 @kazumaru_cf

おまけ。真田信尹の「隠岐守」は、「室賀久大夫」(実名不明)と対句になりますから「真田隠岐守信尹)で、と御願いしました(沼田領裁定の時に同じ理屈で「本多佐渡守正信」にしてもらったので)。もう時代考証会議もラス1だったので、「お、ここでついに来ますか!」という感じであっさり通過。

2016-12-11 23:03:42
丸島和洋 @kazumaru_cf

室賀謀殺時、仏門に入ることを条件に助命されているので、元服前の可能性が高いです。信幸は当時数えで19歳。一回りくらい歳下と思っていただければいいのかな、と。 twitter.com/ichika_takahar…

2016-12-12 00:23:18
高原いちか🌹BL作家 @ichika_takahara

あれ? 考えてみれば室賀父は真田父と同世代なんだから、室賀息子はよほど遅くに作った子供でないかぎり真田息子ズと同世代のはずだよね? それを「小童」って… #真田丸

2016-12-11 23:57:25
丸島和洋 @kazumaru_cf

大河ドラマの終盤は、それまでと多少作りが変わるそうで、話を綺麗に落着させることに力点が置かれるそうです。そのため、最終回前後の新規キャラというのはなかなか難しく、今回の片倉小十郎(重長のはずなのに景綱継続)などが該当します。このあたりは、考証も納得してお手伝いをしています。

2016-12-12 00:45:59
丸島和洋 @kazumaru_cf

室賀の息子などは、特別ゲスト的な扱いなのでいいのですが、片倉クラスの重臣になると、逆に世代交代させにくいようです。ちなみに皆さん、片倉小十郎にばかり目が行かれていますが、大坂の陣には小山田茂誠も参陣していません。嫡男の之知が来ています。主人公サイドでもこうなのだとご理解ください。

2016-12-12 01:05:29