「末代」は「死んでから後の世」なのか?

「末代」という言葉の意味についての考察
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風土「開発/運営」 @fuudo_food_0309

「お前を末代まで呪ってやる」的なやつって、昔は「なんだかんだ子孫残せる程度のことは誰でもできた」ってことだろうし、むしろ今現在を生きている我々が、御先祖様達の受けた「末代までの呪い」の「末代」にあたるんじゃないかと気づいてしまって震えてる。

2016-12-08 19:46:04
うなぎ(steel_eel) @dancing_eel

今ググったら、なんか死後の世界的な意味で子孫関係ないらしいな…。

2016-12-13 19:38:00
うなぎ(steel_eel) @dancing_eel

ひいおじいちゃんくらいの世代で『お前を末代まで呪ってやる』と祟った狐が狐娘となり『お主で末代とか許さん!!まだ4代目じゃろ!!早過ぎる!!作れ!!はよう子を作れ!!』って言ってきて『うるせぇ!お前と作ってやるよ!!』ってなるエロゲとかありそうじゃね?と思ったら意味が違った…。

2016-12-13 19:39:12
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

たしかになんかググったらそんな口上を垂れてるサイトがあったり、goo国語辞書が大辞泉からと言って「死んでから後の世」と書いているようですが、これはどこから来たのだろう。広辞苑とかもそのような意味を載せている。しかし、用例等を見ても、別にそれは「語義」ではないのではないだろうか……

2016-12-14 00:09:49
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

恒例の日国では ⑴ 事物の一連の経過のうちで、勢いが衰えて終わろうとする頃。 ⑵ 遠い先の世。のちの時代。後世。将来。 ⑶ 「まっぽう(末法)」に同じ。 との見出しですが、「死んでから後の世」云々というのは⑵的な意味で「死後にも当然続く、長い時間」が結果的にそうなるだけなのでは。

2016-12-14 00:12:57
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

基本となる語義は「末(の時)代」ということだと思うんですが、別に将来のことを指す語義の時にその人物の死以後か以前かは問わないように見える。平治物語で幼少の頼朝が流罪になる時に「頼朝は(中略)末代の大将ぞ」とか言ってるけどこれは単に将来って意味ですよね。

2016-12-14 00:15:38
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

日国は⑵の用例の一つに日葡辞書からと言って「ヒトワ イチダイ ナワ matdaizo (マツダイゾ)」を挙げていますが、広辞苑も同じく「人は一代、名は末代」を挙げ、「②死んだ後の世。後世。」の用例としている。これは代を時代としたら一代は当人の時代程度の意味でそいつの死は関係ない。

2016-12-14 00:20:58
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

なお日国の日葡辞書の用例はどの事項にあるのか正直分かりませんが(ダメじゃん……)、それはそうと日葡辞書には「Matçdai/Matdai」の項目があって、suyeno yo(末の世)、最後の時代または永久不滅のこと、と説明している。

2016-12-14 00:24:15
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

「Matçdaini nauo todomeyoto nanotte, &c(末代に名を留めよと名乗って、云々) 子孫に、あるいは、永久に名前を残したいと名乗って」 戦国時代にも子孫というニュアンスが保持されていたことが日葡辞書に証言されている。まあ当然っちゃ当然なんですが。

2016-12-14 00:26:40
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

ていうかまあ、基本前近代のその辺の人間にとっては、末代(将来)に名を残してくれる存在がいるとしたら自分の子孫に決まっているし、自分が生きている間は自分の認識できる範囲の人間は自分の名をまあ覚えているだろうので、その辺が区別できないのは当たり前なんよな……

2016-12-14 00:34:13
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

あと青空文庫をテキトーに検索しても、例えば芥川が古写本の日記の二次創作で「くやしきお小言を蒙り候こと、末代迄も忘れ難く候」とか書いてたり、明らかに「将来」の意味で使ってる用例も見受けられたりする。

2016-12-14 00:42:51
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

なんにせよ、広辞苑やらの「末代」項に書いてある「死んだ後の世」といった表現は単に「自分の死んだ後のような将来でもずっと」くらいの意味であり、別に「死後の世界」とかいう意味ではまったくないし、そもそも殊更に「死んだ後」にフィーチャーする必要もまったくないという話であります。

2016-12-14 00:45:27
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

ていうか青空文庫とかでずらっと並ぶ用例を見ていると、「末代までの恥辱」は死んだ後の世どころかむしろ、「死ぬまでずっと恥になって嘲られ続ける」というようなニュアンスの方が強いのではという感じがしてくる……

2016-12-14 00:46:50
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

「末代まで呪う」も元々「一生呪う」って意味だったんじゃないの?

2016-12-14 00:47:28
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

この辺は一生、死ぬまで、みたいなニュアンスの用例っぽい。 >海野十三 透明猫 aozora.gr.jp/cards/000160/f… 〝こっちにあるのは、透明猫のいつわりなき写真でござい。今見おとせば、末代までも話ができん。さあ、いらっしゃいいらっしゃい。〟

2016-12-14 00:51:58
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

こっちは「何かの終わりの時期」のニュアンス。日国で言う⑴。 >永井荷風 虫干 aozora.gr.jp/cards/001341/f… … 〝丁度羅馬(ロオマ)末代の貴族が猛獣と人間の格闘を見て喜んだやうに〟

2016-12-14 00:53:18
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

「一生、死ぬまで」はこの辺がもっとストレートか。>狩野亨吉『安藤昌益』 aozora.gr.jp/cards/000866/f… 〝彼等は皆祿を貰ひ、末代生活の保證を得て居た〟〝苟くも武士たるものは末代生活の保證を得てゐるのであるから〟

2016-12-14 00:55:35
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

あと幸徳秋水が死刑前にこんな表現を複数残している。まあこの末代の念頭にあるのは子孫だろう。 >幸徳秋水『死生』 aozora.gr.jp/cards/000261/f… 〝死刑に処せらるる程の極悪・重罪の人たることは、家門の汚れ、末代の恥辱、親戚・朋友の頬汚しとして忌み嫌われるのであろう〟

2016-12-14 00:57:27
にるば@冬コミ1日目・東ポ15ab @nirvanaheim

なんにせよ末代(マッポーの世)まで呪うためには呪いを直接引き受けてくれる担当者が末の世に至るまで必要とされると思われるので、子孫を作るよう強要する永生者がいてもまあいいんじゃないでしょうか。 #いまどきは永代供養墓も死後数十年持つか怪しい時代ですからね #なんたるマッポーの世か

2016-12-14 01:01:06