銃器小話三本~赤軍の重擲弾銃と自動擲弾銃、イタリア大口径重機関銃の黎明

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クラコフ自動擲弾銃以外の同世代の直射投射器はこちらを参考

まとめ 投射機小話~ロケットでも無反動砲でもない歩兵携行大威力直射火器 ロケットでも無反動砲でもなくて、小銃擲弾より大きくて、歩兵用より小さい、そういう微妙なヤツのお話 20687 pv 16 1 user 1
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

「持ち運び出来て、とりあえず狙った所に飛んでいってぶっ飛ばしてくれるやつ」はいつの軍隊でも求められているようで、米軍のSRAWだか何かでも「妙なトップアタックモードとかいいから、真っすぐ飛んで爆発するやつをくれ」とかいう話がありましたっけね

2017-01-01 15:11:01

イタリア大口径重機関銃の黎明

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@hardboiledski45 あとはSPG-9なんかの無反動砲、SG-82のような固定ロケット発射機、さらに少し時期は遅れますがAGS-17のような自動擲弾銃もでしょうね。こうした軽便な直射火器類が、従来の歩兵砲が担っていた役割を分割して担うようになっていったのかなと思います

2017-01-01 15:48:11
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

イタリア銃器といえば対戦車銃がなんだかよくわからない。ブレダ20mmとか輸入S18より前に、もうちょっと小さめのを検討してたりしなかったのかしら

2017-01-01 21:02:00
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ええと……イタリアが大口径重機を検討しだしたのは20年代後半。これは(地上および艦載の)対空、対戦車そして航空機銃という3用途を目指すというもの。ただ将来のあるべき大威力機銃像はまだ誰にも分かっていなかったので、1929年末のコンペにはかなり幅広いタイプの火器が持ち込まれた、と

2017-01-01 21:13:01
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

最も強力なのはコルト-ブローニング37mm、より小さいものはオチキス13.2mmやヴィッカース12.7mm HV(クラスDかしら)、そしてイタリア国産のFIAT-SAFATの12mmジャスト、そしてブレダ14mmと

2017-01-01 21:23:04
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

FIAT-SAFATの12mmは口径だけ見ると少し小さめの大口径重機かな? と思っちゃうけれど、さにあらず。全長は2mくらいあり、銃本体重量は41kg、そして地上用対空銃架に載せると190kgにも達してしまうお化け機銃なのでした

2017-01-01 21:26:01
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

艦載版(218kg)はプラットフォームの関係で重量は大して問題ではないけれど、歩兵に持たせる重機としては190kgはまずい。後に110kgまで減量するも依然過大で、そして容量30発の弾倉と400発/分という低発射速度も問題視されてしまう

2017-01-01 21:30:44
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

FIAT-SAFAT 12mmは銃身長が1.2mもあり、弾道能力だけ見れば相当に強力ではあったのです。40g弾頭を940m/sですから、ブローニングの50口や赤軍DShKより更に弾道が平たい筈。しかしこの長銃身が災いして、銃身命数の短さという問題も抱え込んでしまい、不採用に

2017-01-01 21:33:58
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

対戦車銃の一種として見れば、FIAT-SAFATは弾道能力だけ見れば理想的でしょう。戦間期の戦車はスッパスッパ抜ける筈です。ただ従来の三脚重機関銃より重いとなると、いっそもう少し大きくして歩兵砲でも持たせたほうが使い出があるのではという話になる。ニッチから外れてきちゃうんですね

2017-01-01 21:40:42
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ブレダの14mmってのは以前も少し触れたS/14のこと。こいつはかなり小型軽量化に気を遣ってて、銃全長は1m少々、銃身長は僅か60cm。14x102mmという専用弾薬を用いて、59.6gの弾頭を1000m/sで撃ち出すスゴイ奴 pic.twitter.com/sQdE3DJRfn

2017-01-01 21:48:30
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ただし砲内弾道に魔法はない。ちょっと考えてもみましょう。S/14とほぼ同口径のPTRDでは、長さ1350mmの銃身を使って「ゆっくり」加速して初速1000m/sを得ました。一方S/14は600mm銃身で同じ初速を得る訳でだから……無茶苦茶急燃の高腔圧なのです。当然銃身命数は潰滅的

2017-01-01 21:52:13
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

それに加えてS/14の発射速度は僅か200発/分でしかありませんでした。これは戦車殺しとか地上用の対物重機として使うには適当でしょうが、残る二つの用途──対空や航空機銃──には全く向かない事になります。結局S/14は一部爆撃機に搭載されて試験されたものの、やっぱり不採用に

2017-01-01 21:54:25
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そしてヴィッカース クラスDについては試験結果の詳細が不明であるものの、やはり同様に弾薬が強力過ぎたのと、重過ぎて航空機銃用途には適さないと判断されたようで。最後に残ったのがフランスのオチキス13.2mmで、これはそれなりに軽量コンパクトかつ威力もそこそこ、そして銃身命数も良好と

2017-01-01 21:59:21
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

その後さらにスコッティとMBT社がコンペに参加するも、結局これも振るわず、最終的にFIATがオチキスからライセンスを得て13.2mm機銃を作る事になった、と。これが結局Breda mod.31になった……って事でいいのかな。どうもFIAT-SAFATだの企業周りの関係がわからんち

2017-01-01 22:06:41
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ここからまた20mm ブレダM35までに紆余曲折あるんでしょうが、私にゃまったくサッパリです

2017-01-01 22:10:59