電子書籍は漫画家を殺すのか

注)タイトルに誤りがありました。  電子書籍は漫画家をころすの → 電子書籍は漫画家を殺すのか 電子書籍市場が急激に拡大した場合に、作家収入特に若手漫画家の収入が減り、新しい漫画が世に出にくくなるのではないか? と言う考察です。 続きを読む
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加藤AZUKI @azukiglg

電子書籍に対して「価格が安い」しかメリットを見出してなくて、出版社は紙書籍と同程度以上の収益を上げるなんて許さない、ちう意識が支配的なのは如何なモノかと思うんだよなあ……。

2017-01-20 00:41:02
加藤AZUKI @azukiglg

電子書籍推しの人は、 「著者が丸儲けできる電子書籍は肯定」 「出版社がぼろ儲けする電子書籍は反対」 「出版社(引いては著者にも)にはできるだけ儲けさせたくない」 「究極的にはタダこそが正義」 「同じ事を自分がヤレと言われたらブラック労働と批判する」 てなりそうだな(^^;)

2017-01-20 00:43:19
加藤AZUKI @azukiglg

まあでも、返す返すも電子書籍の価格を下げるための最大の秘策は、「電子書籍の市場規模を二桁増やす」だよ。 戦いは数だよ兄貴。

2017-01-20 00:50:09
加藤AZUKI @azukiglg

この「市場規模を二桁拡大する」には、という話を始めると、「値引きをすればいい」「安くすれば人が集まってくる」っていう人がうんざいるするほど現れるんだけど、そこは間違っちゃいけねえ。 「安くしたから人が来る」のと 「人がきたから安くできる」のは、似てるけど違うんだ。

2017-01-20 00:51:19
加藤AZUKI @azukiglg

で、電子書籍の市場規模を2桁増やす(単純に百倍するってこと)ってのを考えたときに、「どこから二桁分の人を、金を引っぱってくるのか?」っていうことを考えなきゃならないんだけど、「元々本を読まなかった人が、電子になったから急に濫読家になるか?」って言ったら、まずならないんだよ……。

2017-01-20 00:52:47
加藤AZUKI @azukiglg

何らかの文字を読む人は減ってないと思うけど、読まれてるものは「本」「物語」じゃなくて「ゲームのセリフ」だったり「SNS」だったり、「活字を伴うが本(書籍)ではないもの」であって、それらと可処分時間の争奪戦になっている、っていうのは心に刻まないといかん気がする。

2017-01-20 00:54:04
加藤AZUKI @azukiglg

で、「電子書籍」が削り取ってくる競争相手は何なのかというと、これが残念ながら「紙の本」なんだよね。紙の本の読者が少しずつ電子書籍に「移動」してくる、という流れ。 だからいずれ、紙の本の市場規模は「初版3000部が当たり前」くらいになって、新刊の殆どは電子になると思う。

2017-01-20 00:55:24
加藤AZUKI @azukiglg

そうなったとき、それじゃ電子書籍のほうは元の紙書籍の読者を全部吸収完了して、紙書籍と同程度の規模になるかというと、多分ならずに最終的には「紙書籍の大部分の読者を吸収しつつ、紙書籍より小さい市場」になると思う。零れた分は、「読書以外の娯楽」に移転する。

2017-01-20 00:56:54
加藤AZUKI @azukiglg

で、このとき電子書籍は「紙書籍よりも単価当たりの収益率がいい商材」であることが期待されていて、「紙書籍より少ない購読者で、紙書籍と同程度の収益が得られる」ものになってることが望まれるんじゃないかな、と。

2017-01-20 00:57:57
加藤AZUKI @azukiglg

紙書籍が1万部で10%の印税率で著者が100万円収益を上げてきたとする。 仮に同じ内容の電子書籍を70%の価格の700円で出して、印税率は70%だとしよう。 1冊当たりの著者の収益は、紙書籍の5倍になる。 そしてその頃には「読書人口」の規模は紙書籍時代の1/5になってる。

2017-01-20 01:00:08
加藤AZUKI @azukiglg

これは比較的、「楽観的な未来予測」で、1万部出てた紙書籍の読者が、2000人も電子書籍に移っても付いてくる、という希望的観測に乗っかっている。 価格も1000円の本が700円くらいまでしか値引かない、という前提。それで70%(kindle専売時)という好条件だとして、これ。

2017-01-20 01:01:35
加藤AZUKI @azukiglg

もし、「紙束がないんだから250円にしろよ」「kindle専売じゃないから35%ね」とかだった場合、 1000円の本の印税率10%で100円×1万部で100万円の収入に追いつくには、250円で35%=87.5円なので11428冊のDLが必要に。紙の本より多く売らないとならない。

2017-01-20 01:03:49
加藤AZUKI @azukiglg

そんなわけで電子書籍というのは「今後市場規模(読者規模)が小さくなっていく斜陽産業」である出版業界にとって、「より少ない購読者数でも、収益を維持できる(かもしれない)希望」でもあるわけで、そこ考えると無闇に値段を下げて紙の書籍と同程度の収益性に設定する、てわけにもいかないだろな。

2017-01-20 01:07:27

以上、電子書籍の市場拡大に伴う出版市場への影響について対立する2論をまとめてみました。

どちらの論も十分にあり得る話だと私は思います。

現状の出版者はこの2論の他にも様々な事情、展望により電子書籍出版と向き合っておりますので、機会があればお伝えしたいと思います。