【コセン・ニンジャと失われた与太話】第二話　その1・その2

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

【コセン・ニンジャと失われた与太話】 第二話　その1　 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

さんさんと日が照らす、ソルティアの町。巨大な窪地状の地形にあるこの町は、かつてそこに存在した古代遺跡を名物とした、観光地である。コセン・ニンジャは、町の入り口に愛車のバイク『グリーンピース』を停めて、町に入った。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

彼は山高帽のつばで顔を影に隠しながら、町を見渡す。西部開拓時代めいた、簡素な木造作りの建物。どこか怯えた表情の住民。出歩く人々は少なく、その少ない人々でさえコセン・ニンジャを一目見れば、近くの建物に逃げるように入っていく。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「ここは、観光が売りのはずだが…」また一人、住民が彼を見て逃げ出した。「嫌われたかな」その時、悲鳴が町に響いた。見れば、少し離れた道の真ん中で、赤い皮膚に巨大な蝙蝠羽の悪魔が、住民達に棍棒を振り回しているではないか。 #kslst

こっぺぱん @tk4624panzar

悪魔のせいで殺伐とした街に…？ #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

棍棒が振り回される度に、近くの樽や、民家の壁が破壊される。悪魔の一人が叫ぶ。「ゲッハッハッハ！女をだせ！」なんたる横暴か。悪魔は民家の前に立つ男に、脅すように棍棒を振り上げた。「女はここか！」「アーッ！やめてくれ！」「アニキ、ここだ！」「やっちまいましょうぜ！」 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

男は悪魔に首をつかまれ、締め上げられる。このままでは命が危ない。「やめて！」その時、民家の窓から女性が身を乗り出した。彼女は美人で、胸は豊満であった。「私が出るから！夫は許して！」「お前！」「ゲヘヘヘ。泣かせるなあ。だが、より一層そそるぜ。早く降りてこいよ、女！」 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

果たして、悪魔たちに美人はさらわれてしまうのか。その時だった。「待てよ」コセン・ニンジャがタバコをくわえながら、言った。「こんなクソ共のために、降りてくる必要は無いぜ」「あ！？なんだテメエ！」悪魔達は男を放し、コセン・ニンジャに振り向いた。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「西部開拓時代の町並みに、棍棒を持った悪魔が三匹。出来の悪いヘヴィメタルのCDジャケットみたいだな」「なんだと！」「待てよ、アニキ！あの黒いトレンチコートに、黄緑の目、二つに分けた白い髪は…」「まさか、コセン・ニンジャ！」「正解だ。ハワイ旅行が欲しいか？」 #kslst

こっぺぱん @tk4624panzar

軽快で面白いジョークがかっこよさを増す 洋画的でかなり良さ #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「嘘だろ！俺たち殺される！」下っ端悪魔二匹がたじろぐ。だが、リーダーらしき角付き悪魔が、下っ端の棍棒を奪って言った。「ケッ、だらしねえ！殺せば関係ないぜ！こんなやつ！」ブオンブオンと、二振りの棍棒を振り回す。その風圧は、少し離れたコセン・ニンジャに届くほどだ。 #kslst

セコハコ @sekohako1

コブラみてえだ。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「お前はミンチ決定だ！」「なら、お前は穴開きチーズだ。赤いチーズは不味そうだがな」「死ねえ！」悪魔は巨体に見合わぬ俊敏さで、一瞬のうちにコセン・ニンジャの前に踏み込むと、棍棒を振り上げた。しかし、それよりも早く二発の銃声が響き、悪魔の棍棒が破壊された。 #kslst

こっぺぱん @tk4624panzar

素早い…だけど相手が悪い #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

目にもとまらぬ早撃ちであった。コセン・ニンジャの手には、8インチロングバレル44マグナム『クロイトリ』があり、それが悪魔の棍棒を破壊したのだ。コセン・ニンジャは武器を失った悪魔に、足払いをかけて転ばせると、こめかみに銃を突きつけた。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「お前の負けだ」「頼む、撃たないでくれ！命だけは！」「よーし、それじゃ、お前たちのボスについて話してもらおうか」コセン・ニンジャはガチャリ、と撃鉄を起こす。「待て、待ってくれ。分かった、全部話すからららら…」その時、悪魔の頭が小刻みに震え始めた。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「あ？なんだって？」そして次の瞬間。悪魔の頭は爆発し、血をあたりに撒き散らした。そして死んで灰になった。「チッ…口封じってわけか」見れば、下っ端悪魔二匹も同じように頭が吹き飛んでいた。悪魔の親玉の残忍性が表れた、邪悪な魔術であり、情報を漏らす者を粛清する為のものだ。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

コセン・ニンジャはタバコを地面で踏み消し、『クロイトリ』をホルスターに納めた。悪魔の情報が必要だったが、口封じされてはどうしようもない。「そこのあんた」声の方に振り向くと、サスペンダー付きズボンと縞ワイシャツで、恰幅の良い腹を押さえつけた男が立っていた。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「なかなかやるじゃねえか」「あんたは？」「俺はそこの酒場のマスターをやってる、ジャクソンってんだ。メシを奢ってやるぜ」「いいね。だが、ハンバーグ以外にしてくれ」コセン・ニンジャは、コートについた血をハンカチで拭いながら言った。「脳みそを生で見ちゃってね…」 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「安心しな。あんたはこの町の腰抜け共とは違う。ハンバーグよりもっと良いのを食わせてやるぜ」そう言って、マスターは酒場の中に入って行った。コセン・ニンジャは、悪魔の灰が舞う道端を憂鬱げに眺め、新しくタバコに火をつけてから酒場に入って行った。 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

【コセン・ニンジャと失われた与太話】 第二話　その1　終わり　 #kslst

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【コセン・ニンジャと失われた与太話】 第二話　その2 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「奴らが来たのは三ヶ月前だった」ジャクソンは、カウンター席で肉汁したたるビーフステーキを頬張るコセン・ニンジャに言った。「まるで暴徒だった。奴らは町で暴虐の限りを尽くしたんだ。逆らう奴は殺された。その後、よそに出かけるための乗り物は全て破壊された」 #kslst

コセン・ニンジャ @kosn_ninja

「足を奪われた訳か」「そうだ。ここから大きな街までは、一切の交通機関が通っていない。まさに陸の孤島だ」「それから、悪魔共はどうしたんだ？」コセン・ニンジャにカウンター越しに水のコップを渡しながら、ジャクソンは言った。「それから急に、奴らは町から消えた」 #kslst

こっぺぱん @tk4624panzar

さて黒幕は誰だ… 結構大掛かりなことしてるが果たして #kslst