意図の解釈と後期クイーン的問題

意図の解釈と後期クイーン的問題
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@quantumspin

「謎解きLive2.4と後期クイーン的問題」をトゥギャりました。#nhk_nazo togetter.com/li/1064986

2016-12-30 17:41:39
@quantumspin

どうやら文脈から、この人は後期クイーン的問題を、〝探偵の推理の真偽を読者が判断できない問題〟と認識しているような気がする。twitter.com/imaginary_orga…

2017-01-02 10:40:00
@quantumspin

作者の意図の解釈問題は後期クイーン的問題か問題

2017-01-02 13:56:09
@quantumspin

『我々は(…)作家は自作の意味を主張でき自分自身でその意味を正当な物として確定できると考えがちである。それ故批評家は、作家自身が作品の意味を保証してくれる物と考え、死んだ作家に、その生涯に、その意図の痕跡に、常軌を逸した問いかけをする。何としても死者に語らせようというのだ』バルト

2017-01-03 10:14:20
@quantumspin

『書き記された言説の場合には、作者の意図とテクストの意図はもはや一致しない。(…)それは作者のないテクストがありうるからではない。語り手と言説との絆が断ち切られるからではなく、それが緩んで、複雑になり、(…)テクストの経歴が作者の生きた、限られた領域を抜け出すからである』リクール

2017-01-03 10:27:41
@quantumspin

しかし、ミステリにおいて、作者の意図を完全に排した反意図主義的読解を行うことで、そこに後期クイーン的な何かを立ち現す事は、思いの外難しい。テクストの真偽保証に作者の意図を援用できない事が、難しさの根源にあるように思う。

2017-01-04 15:47:38
@quantumspin

『初期クイーン論』にしても、〝ディスコントラクティヴな知的思潮〟〝ポストモダン的言説〟〝形式化〟等、反意図主義的な道具はあるけど、法月のクイーン読解そのものは、本質的に作者の意図の分析をやっているだけなので、クイーン・テクストをポスト構造主義的に読解したかったわけではない。

2017-01-04 16:08:59
@quantumspin

法月がポスト構造主義的にクイーン・テクストを読解している訳ではなく、むしろクイーン自身がポスト構造主義的スタンスからミステリを生み出しているよね、という話をあそこでしたかったのだと思う。

2017-01-04 16:15:55
@quantumspin

推理小説の流れと「操り」 - Togetterまとめ togetter.com/li/440054 @togetter_jpから

2017-01-20 07:25:22
@quantumspin

かつて、操りと後期クイーン的問題のどちらが本質的か、といった議論が行われていた事を知り驚く。そんな時代もあったのか。しかしその内容が、巽氏の引用する、「後期クイーン的問題は論理の基礎にかかわるからそちらの方が本質的だ」という主張に集約されるのだとしたら、若干不毛な印象を受ける。

2017-01-20 07:36:57
@quantumspin

そのような主張が繰り返されれば、確かに『推理小説の論理とゲーデルとのかかわりは、あくまで比喩的なものにとどまるから錯覚にすぎない』と応じたくなるが、だから、『どちらが本質的か、といった問いには意味がない』と捨て去る巽氏の反応もまた、議論の本質を台なしにするものではないだろうか。

2017-01-20 07:54:15
@quantumspin

操りと後期クイーン的問題の関係については、かつてtogetter.com/li/978690でも考察した。そこでは操りを『真犯人の意図を含む手掛りを機械論的に解釈してしまう状況』、後期クイーン的問題を『真犯人の意図を含まない手掛りを目的論的に解釈してしまう状況』とし対比させた。

2017-01-20 09:17:29
@quantumspin

先のまとめでも簡単に触れているが、正確に言うと、操りは『真犯人の意図を含む手掛りを機械論的に解釈してしまう状況』だけに限定されるものではない。しかし『操りと後期クイーン的問題のどちらが本質的か』について考えるには、まずはこの真犯人による探偵役の操りに限定し考察するのがよいと思う。

2017-01-20 09:56:07
@quantumspin

さて、この対比を使うと『操りと後期クイーン的問題のどちらが本質的か』という問いには簡単に答えが出せる。操りとは人工物を創出する行為であり、後期クイーン的問題は、自然物を人工物と疑う認識である。もし世界に人工物が存在しなければ、自然物を人工物と疑う認識自体存在しないように思われる。

2017-01-20 10:05:11
@quantumspin

かくして、操りなくして後期クイーン的問題なし、と言える事になる。『初期クイーン論』の言葉を使うと、『証拠の真偽性の判断が階梯化の契機になっている』のである。法月のこの指摘は、『ギリシア棺』が真の契機かはともかく、探偵が後期クイーン的問題を認識するプロセスを上手く表現していると思う

2017-01-20 10:49:27
@quantumspin

次に、考察を進めて、真犯人による犯人役の操りについて考える。偽手掛りを使った操りでは、当然ながら、犯人役と探偵役との認識に差異はない。では、手紙や梗概のように、真犯人の意図を犯人役に伝える類の操りはどうか。或は真犯人が、犯人役に犯行を指示し、犯人役がそれに同意した場合はどうだろう

2017-01-20 13:24:01
@quantumspin

これらが広義の操りと呼ばれている事は、クイーン諸作を引くまでもない。このタイプの操りは、後期クイーン的問題とは一見関係がないように思える。真犯人は自身の意図を犯人役に伝え、犯人役は真犯人の意図を汲み犯行を行うのだから、物的証拠の真偽性の判断を迫られる事態にはならないように思える。

2017-01-20 15:30:14
浅木原忍@31日サ-26a @asagihara_s

Aという情報に対して「Aはデマ」だという指摘が入るが、「『Aはデマ』という指摘自体がデマ」だという指摘が入り(以下無限ループ)という、正確な情報を把握しようとしても検証に用いる情報の検証が必要になり再び無限ループに陥る現代の情報の検証不能性は即ち後期クイーン的問題(適当)

2017-01-25 07:04:17
浅木原忍@31日サ-26a @asagihara_s

名探偵には絶対的な真相を確定することが不可能であるという後期クイーン的問題はそのまま、あらゆる情報の「正しさ」を正確に検証することは個人には不可能であるという極めて現実的な主観認識の限界性の問題であるってDr.レイテンシーが言ってた

2017-01-25 07:13:00
@quantumspin

真犯人の意図を犯人役に伝える類の操りは、原理上は意図の解釈の問題だから、解釈の多義性は免れ得ない。伝聞情報に込められた真犯人の真意は犯人役には測り知れないのだ。しかし、だからと言って、ここから後期クイーン的問題が導かれるわけではない。mobile.twitter.com/asagihara_s/st…

2017-01-28 06:01:52
@quantumspin

なぜなら後期クイーン的問題とは、先に述べたとおり、自然物を人工物と疑う認識であるから、人工物である伝聞情報にまで適用されるものではない。伝聞情報を物的に根拠づける自然物が発見されるまでは、後期クイーン的認識は立ちあらわれないのである。mobile.twitter.com/asagihara_s/st…

2017-01-28 06:24:10
@quantumspin

『だから、(真犯人の意図を犯人役に伝える類の)操りと後期クイーン的問題のどちらが本質的か、といった問いには意味がない』のだとは思う。これに絡め後期クイーン的問題が発現するには、手紙や梗概の製作過程や、犯行指示の音声認識に関する懐疑が必要であり、それは結局、偽手掛り問題に還元される

2017-01-28 06:46:24
@quantumspin

「似非としての後期クイーン的問題」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1146614

2017-09-02 14:51:22