「資本主義はいかにして良心を変えるか？」（ジョナサン・ハイトの記事の適当な要約のセルフまとめ）

21世紀の道徳 @RiceDavit

How Capitalism Changes Conscience humansandnature.org/culture-how-ca… 今日の仕事の合間に読んでいた記事。ジョナサン・ハイトによる「資本主義はいかにして良心を変えるか？」

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記事で紹介されている研究によると、ある社会の経済が資本主義により発展すると、「伝統的かつ宗教的な価値観から、世俗的で合理主義的な価値観への移行」と「生存や安全や金銭を優先する価値観から、自律や権利や自己実現などの金銭以外の物事にも価値を見出す価値観への移行」と、二つの現象が起こる

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まず、資本主義が発達することによって社会が産業化して消費社会になることによって、人々は金銭を追い求める物質的な価値観を身につけるようになり、伝統的な宗教的価値観の役割は失われていく。資本主義は人間を非道徳的にする、という一般的なイメージはこの現象に由来するところが大きい。

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だが、資本主義によって経済が発展することによって、病気や事故だけでなく政治的弾圧も減るから、その社会の人々は安全に生きれるようになる。自分の身の安全が保障されることによって、人々は他の人のことも気にかけるようになり、寛容さが増す。権威よりも自律を、一律性よりも多様性を重視し始める

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価値観の移行の第一段階（伝統的な価値観から、合理主義的な価値観への移行）は産業化や工業化が起こって第二次産業が発達した際に生じるが、それによって社会がさらに豊かになって第三次産業が発達することによって、第二段階（金銭的で実利的な価値観から、非金銭的で寛容な価値観への移行）が起こる

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左派の多くは、資本主義によって起こる価値観の移行の第一段階（伝統的な価値観から、合理主義的な価値観への移行）を嫌って批判している訳だが、その左派の価値観自体が、価値観の移行の第二段階（金銭的で実利的な価値観から、非金銭的で寛容な価値観への移行）によって生じているところが大きい。

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これは記事内で示されている、この２千年間で世界各国に起こった一人当たりGDPの変遷をまとめたグラフなのだが… pic.twitter.com/pReGV2hhiR

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…ハイトによると、アジアの人々にこのグラフを見せた際には人々は喜んで、肯定的な未来展望を抱く。一方で、欧米の人々にこのグラフを見せた際には、「このまま成長し続けられる筈がない」「地球が破壊されてしまう」など、必ずしも肯定的ではない反応が返ってくることが多い。

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だが、地球環境を重視したり、資本主義による経済発達や金銭的な利得よりも資本主義によって生じる被害や犠牲などに注目する左派的な価値観自体が、資本主義によって発展したものである…というのがこの記事の肝となる主張。

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欧米に比べてアジアの方が金銭的で物質主義的な価値観が強いのは、アジアでの資本主義の発展は近年に起こったものであり、社会が豊かで安全になる前の世代の人々が多く残ってるので、「安全や金銭を優先する価値観から、金銭以外の物事にも価値を見出す価値観への移行」がまだ充分に起こっていないから

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この記事で書かれている「アジア」に日本は入っていないっぽいかな

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「ヨーロッパ人たちがサッカーのスコアを追いかけるように、教育を受けたアジア人たちはＧＤＰの成長率を追いかける。どちらも、自分たちのチームが勝ってほしいと望んでいるのだ」

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あとはまあ世界中で経済が発展すれば人々の価値観が変容してみんな地球環境を気にかけるようになるだろうし、女性の権利とかも認められるようになってどこの国も少子化するだろうから地球人口が減るので自然破壊もそんなにひどくはならないでしょ、みたいな議論。