【トラスト・ザ・オリガミ・オブ・ホープ】#2
ヤモト=サンのお話の続き。やっとあの子が出てきます。果たして無事、不正の証拠となるカセットは手に入るのか!?
赤い方の蟹
@kaori6113
きわどい姿のオイランキャスターはたった10秒で次のニュースに移った。それでもマサヨシは満足だった。こたつの上には2つのオリガミ。カセットは本体が関係者、そしてデータ音声がフィルギアを通してとあるジャーナリストのもとに届けられた。今、手元にあるのはこのオリガミだけだ。
2017-02-13 00:09:50
赤い方の蟹
@kaori6113
マサヨシは小さい地下シェルターの一室にいた。しばらくはここで身を隠しながら、作品を作り続ける。支援者からはいずれ個展をしないかと誘われている。父の作品は児童館に永久保存となった。その様を見ることはできないが、彼は満足だった。
2017-02-13 00:11:56
赤い方の蟹
@kaori6113
自分ひとりではきっと殺されていた。飛び回る桜色のツルを思い出しながら、マサヨシはぼんやりと手元を見る。普通の折りヅルが1つ、縁起物の「祝いヅル」が1つ。マサヨシを先導した祝いヅルは、ヒダのついた尾がクジャクのように広がる。目印にしやすい形だ。
2017-02-13 00:12:13
赤い方の蟹
@kaori6113
それを眺めているうちに、マサヨシは違和感を感じ始めた。この祝いヅル、見覚えがある。しかし何かがおかしい。考えをめぐらしているうちに眠気に襲われた。彼は座椅子にもたれ、やがて眠りに落ちた。
2017-02-13 00:13:02