「フォビドゥンフォレスト３話「蝶舞の町内」 #15 「救出撃」上空＋地上
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下の準備が出来たら、何時でもこっちから仕掛けられる。俺は蝶の様子に気を付けながらも地上の様子を覗いてみる。視界は鱗粉が無いクリアな状態だが、蝶Ｂは木の陰に隠れてよく見えねえ。だが多分まだ倒せてはねぇ様だ。２０人以上で包囲を続けてるのが分かる。なんてしぶとい野郎だ…！ 20
2017-02-17 00:39:40
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「この野郎！」 「ハァッ！」 光る拳と斬撃。渾身の力で蝶を地面に叩きつける。狂ったような羽撃きは止まるが、脚を激しくバタつかせながらなおも抵抗は止まない。周囲の部隊は再度ワイヤーを掴み直す。車道寄りの者達はワイヤーをトラックに結びつける。 「何なんだ！何なんだよコイツ！！」 21
2017-02-17 00:45:15
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だがあんだけやりゃあもう大丈夫だ。俺の相手に集中するべく、頭上に視線を戻そうとしたその時、視界の端で何かが爆発するような動きを見せた。 『片桐くん！避けて！』 状態の回復した無線越しに麻衣さんが叫ぶ。 「は？」 再び振り向いた地上から三度目の爆風が襲ってきた！ 21
2017-02-17 00:44:39
Astal_jukebox
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ただのＢ級妖怪にしてはあまりにも頑丈過ぎる。攻撃のダメージは入っているが、耐久力、或いは生命力が高過ぎる。羽を斬っても本体を殴っても、無事な部位を最大に活かして戦い続けようとする。最早、遠目には蝶の妖怪には見えぬほどボロボロになってもなおも抵抗し続ける。 22
2017-02-17 00:49:22
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「うお…わぁぁぁっ！！？」 小枝や石、更には足元の刃が俺へとすっ飛んでくる！両腕と剣、銃を盾にして防ぐが全身をカバーしきれねぇ！風は俺と蝶Ａのいる辺りに集中してるのか、その分、今までの２回よりも強い。俺は刃を俺とＡへの直撃コースから反らしつつ、可能な限りの回収を試みる。 22
2017-02-17 00:55:56
Astal_jukebox
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折角、拘束したというのにそれを離せとはどういうことか？拘束を解けば、この怪物は今からでも片桐を直接襲いかねないというのに？疑問には思ったが、彼女が現状を把握出来ていないとも、的はずれな作戦を立てるとも思えなかった。幸川達は続く一言を黙って傾聴し、そして納得した。 23
2017-02-17 01:00:02
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風がまた収まる。ラッタ達がやってくれたのかＢが力尽きたのかは分からねぇ。俺は随分飛ばされちまった。多分、地上の光景からして高度６０ｍ以上だ。奴は更に上。…もっとまずいことには刃の在庫が２枚半になった。１枚は口、２枚目は両足首の間に、３枚目は剣に戻せたが折れてやがる。 23
2017-02-17 01:05:49
Astal_jukebox
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既に献策を受けていたらしい本部からの指示が周囲にも届く。一同が準備を終えると同時、佐祐里達の乗るバイク型ブルームが林へと宙を飛んで突入してきた。月明かりと戦闘支援用の照明が二人の髪を照らす。 「今です！」 「ワイヤー、引けっ！！」 蝶を抑えるワイヤーが一斉に引かれる。 24
2017-02-17 01:09:33
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くそっ！これじゃガキ共が落ちてきても助けられねぇ！いや、それ以前に逃げられちまう。つぅか、足場を維持するには無風でも３枚は必要だ。下手すると俺が死ぬ。どうする！？一か八か奴の触覚でも攻撃してみるか！？すげぇ運が良きゃ、奴が狂って地上へ向かうかも知れねぇ。ダメだ危険過ぎる。 24
2017-02-17 01:14:41
Astal_jukebox
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これは蝶を抑える為では無く、ワイヤーを斬りやすくする為だ。空中で急停車させたブルームから恵里が飛び出す。これに合わせ幸川も走る。 「せりゃあああ！」 「ハァッッ！！」 左右のワイヤーが全て切断される。首と尾に掛けた２本が残っているが、これに構わず佐祐里は次の行動に移る。 25
2017-02-17 01:19:41
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ダメージ覚悟で並列思考を全開にしても、良い策が出てこねぇ！所詮は並列、知力の絶対値が上がるわけじゃねぇ！俺が脳内で悪態をついたその時だった。 『動くな！』 無線越しに聞こえた声は…・ 「藤宮先輩！？」 思わず向いた地上から、鋭くて素早い何かが突っ込んできた。今度は何だ！？ 25
2017-02-17 01:23:20
Astal_jukebox
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＜Cyclone！/シールド！＞ 佐祐里のレコードアームズから電子音が響く。銃口から撃ち出された魔力は、ゆっくりと羽根を伸ばそうとする蝶の空中に着弾し、そこを起点に周囲へ拡散して直径１５ｍほどの風の半球が形成される。姑獲蝶は恵里と幸川、礼太ごとその中へと閉じ込められた。 26
2017-02-17 01:40:03
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『掴まれ！』 それは２ｍ近い銀色の投げ槍だった。石突から地上へ鎖が延びている。 「マジかよ」 あまりの無茶に一瞬、素に戻るが、他に手はねぇ。全身で槍を抱え込むように掴まると、槍は無抵抗に真下へと落ちる。どうなるのか、と思ったのはほんの数瞬…体に強烈な横回転がかかった。 26
2017-02-17 01:46:50
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「お願いします！」 佐祐里の合図で、待機していた隊員達が風のドームの上から魔力の盾を張る。 「シールド！」 「バリアー！」 「キャンサー！」 ドームに比べれば小さい円型やレンズ型の盾が十数枚展開し、ドームを補強していく。佐祐里は補強を弱点部に回すように指示を飛ばす。 27
2017-02-17 01:53:24
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「う、おおおお！？」 先輩が鎖付きの投槍を俺ごとブン回している、と理解するのに数秒かかった。何考えてんだこの人。どうなってんだそのパワー。だが遠心力のお陰で高度は維持出来ている様だ。 『今、地上３０ｍ辺りだ。暫く耐えてくれ』 「おぅ…」 今のは返事じゃねぇ吐きそうなだけだ。 27
2017-02-17 01:58:34
Astal_jukebox
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本来ならこのドームはもっと小さくなるか薄くなる筈だが、佐祐里は強引に過剰な魔力を流し込むことで強度とサイズを両立していた。恐らく、数分しか保つまい。佐祐里の魔力はともかく武器が負荷に耐えられない。だが、それだけ保てば十分だろう。その間にどちらも終わる筈だ。 28
2017-02-17 02:01:22
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『すぐに朝来と久浦が行く。目標Ｂも佐祐里が閉じ込めた。倒せないなら封印しようということだそうだ。もう風の心配はない。』 会長達も来てくれたのか…これで勝てるぞ！ 「分かった…でもなるべく早く頼むぜ…！」 蝶は狙撃で足止めされながら徐々に下がってくる。 28
2017-02-17 02:05:51
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「フォビドゥンフォレスト３話「蝶舞の町内」 #15 「救出撃」終わり #16 「救出劇②」に続く twitter.com/fbd_forest/sta…
2017-02-17 02:07:19
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「フォビドゥンフォレスト３話「蝶舞の町内」 #15 「救出撃」終わり #16 「救出劇②」に続く twitter.com/fbd_forest/sta…
2017-02-17 02:07:29