「フォビドゥンフォレスト3話「蝶舞の町内」 #17 「作戦案」(エピローグ)

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「Shade Selector【フォビドゥンフォレスト挿入歌】」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1083205

2017-02-20 21:33:59
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「【歌ありver.】「フォビドゥンフォレスト3話「蝶舞の町内」 #16「救出撃②」」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1083209

2017-02-20 21:37:03
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「フォビドゥンフォレスト3話「蝶舞の町内」 #17 「作戦案」(エピローグ)

2017-02-21 23:28:46
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(前回までのあらすじ:妖怪・姑獲蝶は遂に倒れた。捉まっていた人も全員無事で隊員も重傷者はいねぇ。慌しかったが、終わってみれば30分のあっという間の出来事だった。むしろ後始末のほうが厄介かもな…)

2017-02-21 23:29:02
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地上からの光線が止み、僅かに残った蝶の残骸が地上へと落ちていく。直後に森の奥の幼虫も倒され、更に直後、地上の蝶も灰となって死んだ。子供たちの無事とこれらが報告されると各所で歓声が上がり、事態は終結した。蝶の死体の回収班や戦闘痕跡の隠蔽班などを除き、隊員達は撤収準備に入る。 1

2017-02-21 23:35:59
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「片桐」 「ん?」 緩やかに降下するクッションの上で、祥汰が片桐に話しかける。 「五千円でどうだ?」 「…口止め料!?」 救助の際に、乃愛の胸に顔が埋まってしまった件だ。 「冗談だぞ」 「分かってるよ」 「本当は五百円だ」 「金は取るのかよ」 2

2017-02-21 23:40:58
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「ここにいる全員にな」 「…じゃあ実質三千円じゃねぇか!」 「俺のはいいぜ」 気絶している弟の顔を拭ってやっていた柳原が半笑いで言う。 「助かる」 「じゃあその分は俺に」 「やりたい放題かよ」 片桐が揺すられている間に、クッション材は揺れること無く道路に降り立つ。 3

2017-02-21 23:44:58
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想良は反動の揺れが最小になるタイミングを見計らって引力球を消滅させた。医療班が子供たちと乃愛を受けとるのと祥汰も怪物を分解し、青い泡状の光が彼の胸へと吸い込まれる。彼のD×Dは具現に必要な魔力は大きいが、半分はこうして再吸収できる。それでも短時間で2回出すのは難しいのだが。 4

2017-02-21 23:52:16
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少し離れた所では、医療班以外が路上に集まり禊を受けていた。森に入らずとも妖怪と戦った後は行うのが望ましい。医療班と子供達も手当の後で受けることになる。儀式を行うのは、誰かが運んだ巫女服に着替えた瑠梨だ。片桐達は恵里達と共に後で受けるように言われ、彼女達のいる林へと向かう。 5

2017-02-21 23:56:11
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禊が終わると作業車が次々に撤退していく。人員も一部を残して解散し始める。事件発生は五時半。事が事だけに本業の店仕舞いや、夕飯の支度を中断して駆けつけた者も多い。この後で森の調査がある者もいる。調査のほうは延期か縮小の可能性もあるが、いずれにせよこの後の方が忙しいのは皆同じだ。 6

2017-02-22 00:02:05
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俺はブルーシートの上でだらりと体を伸ばしている3人の元へ駆け寄った。俺の後ろには久浦と朝来、少し離れて、俺たちを援護して一度目の禊に入れなかったメンバーが付いてきていた。柳原の兄ちゃんは弟に付き添って行ったんで別れた。 「恵里!ラッタ!兄ちゃん!」 3人が俺達に気付いた。 7

2017-02-22 00:09:21
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「ああ、ハル。お疲れ…怪我はない…?」 「…テンション低いなお前。強敵だったんだろう」 恵里は納刀した剣に体重を預け、脚をWに開いてぐったりしている。なんてこった。明日は良くて矢が降るぞ。 「そりゃあ強敵と戦ってバテたらそうなるだろ?」 久浦の指摘は妥当だ。普通ならな。 8

2017-02-22 00:20:29
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「恵里じゃなきゃな…コイツは強敵相手のほうが元気になるんだ」 「え…」 あ…ヒイた。まだ半年の付き合いだし、そうもなるか。恵里に恐れ戦くのはこれからだぞ、とは言わねぇでおいてやる。振り向きついでに朝来を見ると、片手で久浦の腰を掴みながら何かの菓子を黙々ともぐもぐと食ってる。 9

2017-02-22 00:28:53
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「ハル、ゴメンな。抑えきれなくて。そっちにも迷惑かけちまった」 「面目ない」 ラッタと幸川の兄ちゃんが謝ってくる。 「何とかなったし気にしねぇでくれよ。それより…本当に姑獲蝶だったのか?」 そう、それが気になっていた。姑獲蝶1匹にこの3人が苦戦する筈がねぇ。 10

2017-02-22 00:33:09
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飛んでるのはともかく、姑獲蝶と同じB級妖怪なら、恵里達は1人で2・3匹は同時に倒せる実力がある。だってのに今回はまるでその逆だ。 「間違いなかったな。少なくとも…霊波はそうだった」 「なんつぅのかな…見た目は蝶で中身が別物って感じかな?」 「…そんなに強かったのか?」 11

2017-02-22 00:45:39
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「え?弱かったわよ?」 「「はあっ!?」」 俺とラッタ達の声がハモる。 「何言ってんだよ。弱かったらとっとと倒せただろう?」 「そうじゃなくって…やたらと硬くて速いし、風は強かったけど…」 恵里は悩みながら、共闘した2人を見る。 「…アイツに殺される!…って思った?」 12

2017-02-22 00:50:52
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「それは…」 「うん、思わなかったな」 ラッタ達も恵里の言わんとする所が分かったようで、同意した。詳しく聞いてみると、一つ一つの動作は異様に速いし、いくら攻撃しても死なず、羽撃けばスゲェ風が起きたが…変な話、それだけだったらしい。焦りはしたが、死ぬ気はしなかったそうだ。 13

2017-02-22 00:56:36
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「言われてみりゃ、まるで台風を相手にしてるみたいだったな」 台風は、無防備に巻き込まれりゃ死ぬし人間が消すことも出来ねぇが、備えてりゃまず死にはしない、そういうことらしい。 「それで、灰になったってのは、倒したらすぐにか?」 「いや」 そう、普通は何十秒か掛かる筈だ。 14

2017-02-22 01:02:05
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「戦っている最中に、いきなり灰になったんだよ」 「逆算すると、磐司達が雛を倒した直後だな」 「つまり…子供の死を知って力尽きた、と?」 久浦が静かに言った。 「あると思うか?ハル」 「…ねぇとは言えねぇけどな…」 朝来が久浦を後ろからぎゅっと抱きしめていた。 15

2017-02-22 01:11:00
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…瑠梨達がやってきた。回収班も作業を止めて禊が始まる。結局、蝶が強くなったり透明になった原因は分析待ちだ。兄ちゃんは何か思い当たる節がある様だが、確証がねぇからと教えて貰えなかった。ともかく、その辺は後だ。禊を終えた俺達は、自分の診察も兼ねて見舞いに行くことになった。 16

2017-02-22 01:18:08
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18時20分。僚勇会地下基地・医療施設。乃愛やガキ共は念の為に精密検査を受けてはいるが、特に後遺症もなく治りそうらしい。明日には退院できるそうだ。むしろトラウマにならねぇかのほうが心配だが、今俺が考えても仕方ねぇ。救急車のスタッフごと禊をする為に瑠梨はそっちへ行った。 17

2017-02-22 23:16:59
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俺は途中で葉月さんに捕まり掛けた。禁止されてた並列思考を使っちまった件でだが、事情が事情なんで許しては貰えた。未来予知を使わなかったのも良かったが、予知が発動しなかったのは、あの鱗粉の舞う暴風の中じゃ、取れる選択肢が少なくて予知のしようもなかったお陰かも知れねぇ。 18

2017-02-22 23:17:09