CDが売れない時代の先にあるもの
.@tomokitakahashi まだあんまりまとまってはいないけど、何故「今のままじゃダメだ」は思考停止だと思ったか、書いていきます
2011-03-04 21:01:33まずはさっき書いた、70年代にアメリカでヒップホップが誕生したのと同じ次元の「音楽技法の刷新的なイノベーション」が、ここ数年の日本のネットカルチャーを発信源に起こっている、ということから。
2011-03-04 21:02:28レコードの再生装置を「楽器」という新たな文脈で読み替えたことによってサンプリング・カルチャーが登場したように、YouTubeを動画の再生装置ではなく「新しいコミュニケーションツール」という文脈で読み替えたのが、ニコ動やUSTREAM。
2011-03-04 21:04:17初期のニコ動は、それこそYouTubeからの借り物の動画にコメントをつける体裁だったわけだしね。もちろん、そこから様々に発展して今に至るわけだけど。
2011-03-04 21:10:49ニコニコ動画の発展と同期するように勃興してきたのがボーカロイドのカルチャーで、ここにも、いわば「歌うということ」に関する「文脈の読み替え」が発生している。
2011-03-04 21:20:33最初はどれだけ初音ミクの歌声をリアルにできるか? 本物の人間に近づけさせることができるか?という競争だったのが、カラオケランキングの上位をボカロ曲が席巻し、「歌ってみた」が乱立する今は、もはや何が本物か?という問いが消失している。
2011-03-04 21:24:36あの界隈にいる人達は「歌わせることのできるソフトシンセ(アニメキャラつき)」というものを、「新しいコミュニケーションツール」という文脈で読み替えたと思うんだ。それはまさにYouTubeとニコ動の関係性と同じ。
2011-03-04 21:28:25「だからボカロは素晴らしい!」「バンドは遅れてる!」とか、そういう話じゃなくて。そういうところで起こっている変化を知らずに、もしくはそこに目をつぶって日本のバンドシーンを語ってるだけじゃタコツボだという話。
2011-03-04 21:33:42それを踏まえて、書く側の「新しさ」についての話。去年一年で「神聖かまってちゃん」という一つのバンドが、音楽ライター側が「わかってる」かどうかを示すリトマス試験紙のような役割を果たしたんじゃないかな。
2011-03-04 21:37:31の子くんは、2年前の時点から「新しいカルチャーを作ってやる」と言っていた。それはさっき書いた「ニコ動=コミュニケーションツール」という文脈と時代性を前提にしたロックのあり方を発明している、ということ。
2011-03-04 21:43:02そのことをきっちりと訊き出した音楽メディアって、一体どれくらいあったかな。いじめられた過去みたいな“傷跡の物語”は、それに比べりゃ瑣末な話だと思うんだよね。
2011-03-04 21:46:01こないだAXでやってた『ももクロとかまってちゃん』だって、アイドルとロックバンドという目線で見たら異色の対バンかもしれない。けれど、そういう「文脈の新しさ」という視点で見たら必然の組み合わせだと思うんだ。
2011-03-04 21:50:46ただし、ももクロちゃんについてはホントに最近知ったばっかだし、実際にライブを観てるわけでもないんで、「わかったように語る」ようなつもりは全くないです。単純に、すごいなあ、大した強度だなあ、と感嘆します。
2011-03-04 21:56:32@shiba710 確かにメディアの中で、特異に見える音楽ほどライフ・ストーリー越しに語られがちだったし、その視点ではかまってちゃんの「コミュニケーション・メディアと一体になった表現主体」としての新しさは解析できないと思う。ももクロとの共演もその文脈では必然だった。
2011-03-04 22:04:15@shiba710 ポップミュージックに夢を見ることなんてことも無く、パチンコでお金儲けをすることを何も躊躇ずに選ぶ現実主義者が圧倒的多数であるという、この国の現状に対する認識はありますか?
2011-03-04 21:59:09@BELCHEZAAR もちろん「ポップミュージックに夢を見ることなんてことも無く、パチンコでお金儲けをすることを何も躊躇ずに選ぶ現実主義者」も日本にはいるでしょう。しかしそれが「圧倒的多数」だとは僕は思いません。
2011-03-04 23:09:40さて、ようやく折り返し。これまで何度も書いたように、ここ5年でtwitterやUSTREAMやニコ動など“共時性”をキーにする新たなコミュニケーションツールが登場して、それによって一人一人が処理する情報量は爆発的に増えた。http://amzn.to/h0L5O7
2011-03-04 22:29:30CDが売れなくなったのは今やそれを買っても「誰ともつながれない」から(http://t.co/BSs7LsI)。でも、新たなコミュニケーションツールにおいても、やっぱり音楽は人々の「つながり」を媒介している。たとえ貨幣と引き換えできる商品でなくとも、そこに「価値」がある。
2011-03-04 22:46:14大勢の人が「CD売れない」って悲観的なことを言っている中、僕が音楽の先行きにポジティブな思いを抱いている理由は一つ。僕も含めて「音楽に贈り物をもらった」という体感を持っている人が、沢山いるから。
2011-03-04 22:57:22「音楽に贈り物をもらった」っていうと綺麗事みたいだけど、つい先日もそれを感じる小さな出来事があった。http://t.co/nhfQpeT
2011-03-04 23:24:40もし岡田斗司夫『評価経済社会』(http://amzn.to/fqBkQe)や佐々木俊尚『キュレーションの時代』(http://amzn.to/enG7tS)で語られているような社会のあり方が生まれるなら、そこで乱立する価値観をつなぐ一つのキーになるのが音楽だと思うんだ。
2011-03-04 23:28:33「音楽がカルチャーとしての影響力を持つ」状態というのは、そういうことだと思うなあ。RT @tomokitakahashi: 「音楽シーンが豊かになってる」状態をどうやって「音楽がカルチャーとしての影響力を持つ」状態に持っていくかが問題。
2011-03-04 23:31:04@shiba710 その発想がさっきの「音楽ヲタのおじさん」という話につながってくるんじゃ…「音楽に贈り物をもらった」とか若い人からすれば???な話。今やポップミュージックは「人生に影響を与えるカルチャー筆頭」じゃないわけで、そこの前提を間違えてる論は共感を得られない
2011-03-04 23:50:35@shiba710 音楽が乱立する価値観をつなぐキーの1つに「なる力がある」ことと、実際にみんながその力を信じたことによって「なる」こととの間には、大きな差がある。音楽こそがカルチャーの主役であればそう「なる」可能性は大きいけど、悲しいかな現状それは断言できない。
2011-03-05 06:34:03