山姥切国広と本作長義の画像を並べて

山姥切国広公開に寄せて、つるぎの屋さんが山姥切国広と本作長義とその鑑賞の上での違いについて、画像を添えて語りました。
74
前へ 1 ・・ 6 7
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

@tsuruginoya 左文字であれば、帽子はもっと尖って突き上げます。そして、返りはこのように深くありません。 刃文も腰の開いた刃、角がかった刃など交じり、刃縁に小さな飛焼かかり、皆焼風となる。これは長義の作風の1つです。

2017-03-11 22:02:36
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

短刀 備州長船長義 応安七年十月 帽子が、のたれ込んで、小丸が独特の丸みを帯びて、返りをやや長く焼き下げる。 刃文は、互の目に、腰の開いた、角張る刃を交え、刃縁に小さな飛焼かかり皆焼き風となる。 pic.twitter.com/BwcxlqTfJZ

2017-03-11 22:07:38
拡大

つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

私は本歌の本作長義(山姥切長義)、写しの山姥切国広の双方とも好きな刀ですが、本作長義の方が優れていると感じた箇所がいくつかありました。 (南北朝時代の刀と、室町時代後期の刀のそれぞれの見所については割愛して、あくまでこの2振に限って)

2017-03-11 22:53:50
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

本歌の本作長義(山姥切長義)の方が1つ1つの刃紋の形が良いと思いました。 長義という刀工は備前鍛冶のなかでも異色の刀工です。 特に、本作長義はゆったりとしたのたれではなく乱れた出来です。

2017-03-11 23:05:52
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

@tsuruginoya 互の目に、小互の目、尖り刃、丁子風の刃、角がかった刃、腰の開いた刃などを複雑に交え、大きたのたれを形成して、飛焼を交えて、皆焼風となっています。

2017-03-11 23:06:18
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

@tsuruginoya ただ、あくまで古名刀の備前長義は最上作に列します。 どこまで様々な刃が交じって複雑に乱れても、1つ1つの刃紋は長義の良い形をしていて全体がよくまとまっています。

2017-03-11 23:06:42
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

古名刀、特に最上作の極め物の条件はいくつかあります。 その中でこの刃紋の形の美しさというのは重要なんですね。 例えば、長義ではない、長義一門の刀があったとして、その刀がどんなによく乱れて華やかであり出来が優れていても、刃紋の形が悪かったら長義の極めにはなりません。

2017-03-11 23:13:32
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

本作長義(山姥切長義)には1つ1つの刃文の形が良いのと少し共通しますが、やはり古名刀ですので刃文全体に流れや何ともいえない良いリズムも感じられます。 この流れが感じられるのは平安~鎌倉時代、そして南北朝時代中期頃までみられます。 南北朝時代後期頃からはみられなくなってくるようです

2017-03-12 23:49:32
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

今回初めて「山姥切国広」を拝見して、正直なところ私の予想を超えたあまりに素晴らしい刀であったので久々に感動を覚えました。 何度となくしばらく「山姥切国広」眺めていて、ふと一瞬、不謹慎な思いが脳裏によぎりました。 「写しの山姥切国広が本歌を超えているのではないか」と。

2017-03-11 22:33:53
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

@tsuruginoya もっとも、それについては私が多分に感動的であったので、そのようなことを一瞬思ってしまったのであろうと思いますが。

2017-03-11 22:42:07
つるぎの屋@日本刀買取専門店 @tsuruginoya

@tsuruginoya やはり本歌である本作長義(山姥切長義)は南北朝時代の古名刀です。 いくら堀川国広の写しでも、古名刀である本歌の持つや細やかで軟らかい沸や煙込むような匂口の深さなどの妙味は再現しきれません。

2017-03-11 22:42:26
前へ 1 ・・ 6 7