- misonikomioden
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坂本「「1、まねしたくなる。」 クラーナハの絵はその要素がある。私にはそう感じる。キャラっぽいし、空間が平たくて戯画っぽい。ダ・ヴィンチはそうは思わない。
2017-03-25 20:41:04坂本「「2、視線」 絵の内側からこちらに投げかけられる。人体なので視線はあるとしても、沢山人物がいる時の視点交錯もある。そして多視点。
2017-03-25 20:42:04坂本「「4、信頼」 絵画は不条理やズレ歪みを飲み込んでいるからこそ、クラーナハは大胆に嘘をでっちあげた。人体フォルムなど。でもリラックスしており絵に対する信頼にも見えた。
2017-03-25 20:43:48坂本「たとえば首飾りや洋服、そこを境目にして分割し装飾したのではないかと聞いた。空間もぶつ切りでパズルのように組み合わされてる可能性がある。
2017-03-25 20:45:46坂本「それを逆に利用して面白い絵を意図的に作っていた可能性も感じ、自分の制作にも共感する。ゆっくりと全体を立ち上げるのでなく、完成のパーツをそれぞれ組み合わせても絵ができることに。
2017-03-25 20:45:57坂本「「6、複製ではない。」 工房制であるが同じテーマの絵を描くものの、どれも生き生きして描いてる。注文に対するリピートというよりその都度あたらしく絵が生まれてるようだ。
2017-03-25 20:46:27坂本「2008年にクラーナハを知って描いたのが「オーバーフロー」。見ている人と流されてる人が入れ子状になった作品だ。巨大なエネルギーを絵に描くことを考えて構想した。
2017-03-25 20:51:25坂本「流されてる人が自分を見てるというテーマと大体の構図までは決めて、これで絵がかけると下書きなしでやり始めたが、作品が大きく大学でしか描けないのに、この時は大学生でちょうど大学の休みの時期になってしまった。
2017-03-25 20:52:00坂本「一ヶ月ほど構想したまま温めてる必要があったけど、でも考えてると鮮度が無くなるし…、そこで先生がクラーナハの画集を見せてくれた。それが初めての出会い。
2017-03-25 20:52:11坂本「変な絵だと思った。古典だが現代的。とても好きになった。画集に落書きしてもいいよって言われたので、遠慮なく落書きした。模写でなく気になったところを無作為に拾って隣に描いたりした。部分的に真似したり。
2017-03-25 20:52:25坂本「(ベールの)こんな透明な布、地球上にないですよね。すごく良い。貪欲にこれをもらうぞ!って感じで落書きを描いた。全ページ見つつ親しくクラーナハを追っていった。
2017-03-25 20:55:19坂本「そしてダイレクトにもらった栄養で描いた部分もある。例えば絵画で顔を描こうとすると難しい。顔は情報が多いモチーフなので。人種・性別・年齢・また描き方のクセ(線的か陰影か)…など。
2017-03-25 20:55:39坂本「クラーナハはスタイルがある、モデルを見て描いていないだろう。取り込まれた人体、理想を追い求めてるというよりも、またフェティズムも感じないが、人の心にある人体を描いており、それで良いと思ったのだろうから心の中の顔を絵の具に置き換えた。
2017-03-25 20:55:55坂本「次にクラーナハの絵の構造。近く・遠くがありそう見えるが、簡単な分割がされてることに気づく。前景・後ろに木と岩・そして急に遠景。遠い景色は空も景色も色調も統一され遠い記号として描かれる。シンプルに書き分けられた構造が新鮮であった。
2017-03-25 20:57:48坂本「また分割だけでなく単調にならないよう、緑の色調で繋いでいる。構図を区分けするのとまた別の分け方でパズルを組み合わせており巧みだ。
2017-03-25 20:58:42坂本「自分の絵は、手前に人と川があるが、もともと入れる予定の無かった中景を川として入れた。そして暗闇の穴。空間の中で沢山のモチーフで囲まれた中でぽっかり開けるのはクラーナハにもあり、他の同時代の画家では無いことではないだろうか。
2017-03-25 21:00:04坂本「色がないと結構ごちゃごちゃする。モチーフで埋め尽くしてしまえばこうなるが、色彩をもちいることでキャッチーな空間にする才能があったのだろう。
2017-03-25 21:01:46坂本「クラーナハは古典であり当然ベーシックは詰め込まれているが、ヴィヤールのようなことを中心にする絵は後世出てくるのだけど、意図的にされてるのは現代的だと思う。
2017-03-25 21:05:27