クラーナハ展 アーティスト・トーク 坂本夏子(画家)「 絵がつく嘘と物語 」[メモ書き]

日時:3月25日[土]14 :00 – 15:30 会場:国立国際美術館 地下1階講堂
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みそむーおでん @misoni_2013

坂本「これは私の好きな絵。視線はどこにあるのだろうか。どこから見ているか分からず立ち位置が不明で絵がぐらついて見える。平たいしでも一点透視図法でない多視点。自分自身の目線が移動すると同時に別の造形を追ってしまう。森を見ていく内に人の視線へ繋がり、それがズレながら何周も見てしまう。

2017-03-25 21:07:30
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「その都度いきいき描かれてますよね。人がリラックスして描かれている。モデルがいてはこうはならない。ここに住まわせてるような感じもする。同時代のデューラーと比較すると随分違う。

2017-03-25 21:08:33
みそむーおでん @misoni_2013

画像: 坂本夏子作品のドローイング

2017-03-25 21:09:54
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「空間をパズルのように埋めていく。色んなシーンがパーツパーツで一枚の絵で組み合わされる。手前・奥…これはどこかと心の中で思いつくままパーツを組み合わせたものの不思議さを保ちつつ空間の補正できる絵であった。

2017-03-25 21:10:03
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「自分とクラーナハについてはこの辺で。 福元さんと対談します。

2017-03-25 21:10:42
みそむーおでん @misoni_2013

福元「色々な論点が出てきた。作者と作品の関係を一方通行だと思いがちだ。作者の計画が頭にありそれを手を通じて写してしまうと思いがちだが、

2017-03-25 21:13:01
みそむーおでん @misoni_2013

福元「坂本の自身の制作ポイントは、手を介して面を描く過程において画面上に置いていくことで、自分の設計図が違うぞとなり観念が修正されてしまう、自分が描いた絵によって更新される、手によって描かれた線によって更新された自分が再び手を置いていく。

2017-03-25 21:13:45
みそむーおでん @misoni_2013

福元「作者と作品のキャッチボール過程が重要だということだ。そこから浮かび上がる空間が設計図通りでないため、線遠近法でなく不条理や歪みが浮かぶ。それをはらむ絵画だからこそ坂本とクラーナハは結びつく。ではそれがパズルのように描くとうことか?

2017-03-25 21:13:58
みそむーおでん @misoni_2013

画像: 坂本夏子作品(タイル)

2017-03-25 21:14:50
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「では制作過程をみてもらうといいだろう。クラナッハの工房制作方法は分からないのだが、自分は下書きなしでだいたいのシンプルな構造は決めていきなり描き始める、隣り合うものを自然に促されるまま描く。一度描いたところには戻らない。完成を繋げていく。絵とともに自分が更新されていく。

2017-03-25 21:15:15
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「それにこの絵は対であり向かい合う関係で描いていった。

2017-03-25 21:15:22
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「工房プロセスは、空間をあるモチーフの描写で埋めてしまうと大丈夫というリラックスした感じで描いてるのでは?黄金比などこれ以上更新できない完璧な図柄でなくその都度あたらしく世界を構築しているんではないだろうか。

2017-03-25 21:15:40
みそむーおでん @misoni_2013

福元「坂本はクラナッハから影響を受けたと言うが「オーバーフロー」がどう影響されてるか分からなかった。しかし描かれたものが似てるのでなくクラナッハの絵に込められた構造、歪んだ空間・早く大量に描く規格化(パーツと組合わせ)・型に嵌めて世界をとらえる不条理さが構造レベルで共通していた。

2017-03-25 21:22:56
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「一般的にクラナッハは上手いとは思うが、ダ・ヴィンチの上手さとは違う。らしく描いていることが達成だと思われ、未だにそう思われていて絵の価値が何を担保にしているかっていうとそこだったりするのだけど、

2017-03-25 21:24:57
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「しかし遠近法だって何かを歪ませて初めて生まれるわけで、それが全面に出ないのが線的遠近法

2017-03-25 21:25:47
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「ちょっとした歪みすら隠さないことも絵画の歴史で重要でそれも今も受け継がれている。知らない内に自分たちが絵を見たり描いたりするその時に隠されてるように思う。クラナッハは隠されたそれを沢山発見する。絵画を作る上の知恵はそこにあるように思う。

2017-03-25 21:25:55
みそむーおでん @misoni_2013

福元「それはクラナッハの時代では価値ある作業でないだろう。作るための栄養を得ることで浮かび上がってくることが重要。真似したくなるというが、完璧なやつだと面白くないってことですよね。欠けてるやつのほうが自分も追加できるしね。

2017-03-25 21:28:17
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「いやクラナッハは完璧、絵のバランスも。手を入れる要素がない。絵画の王道を貫くようで少し脇道を覗かせている。作家固有のエゴだけでなく絵が起こしてしまう何かに触れてる感じ。絵が引き起こす歪み、そこに身を委ねても良いと思う感じがするので、それを真似するというか行ってみたいと思う。

2017-03-25 21:29:50
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「人物についていえば、セーラームーンってわかります?子供の頃真似して描くんだけど、キャラはパーツで出来ていて、お団子・ティアラ…等々、それを足していくことでセーラームーンが描ける。そこに遠いが似てる所がある。

2017-03-25 21:30:40
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「微細な描写や葉っぱや赤い服や宝飾とか絵の構造というクラーナハの発見があり、それを真似たくなる気がする。脳内で反復させたくなる。

2017-03-25 21:30:51
みそむーおでん @misoni_2013

坂本「本展は日本で初めての大きなクラーナハ展示だろう。広告や見に来た多くの人がビジョンを覚え、そして10年後には親しみをこめて見ることができるだろう。キャッチーさや親しみが真似したくなるところでもある。

2017-03-25 21:33:31
みそむーおでん @misoni_2013

福元「現代美術で、今、絵を描き続ける人の抵抗として西洋美術史を見直す動きがある。日本だけでなく世界的にそう。交通発達と情報化社会で世界が狭くなったからだろう。

2017-03-25 21:35:10
みそむーおでん @misoni_2013

福元「美術に関わる人は欧米のみならず第三世界も含めて参加し始め、西洋美術史が有効でなくなりつつある。そこでそのような過去の資産をどう振り返るのか?

2017-03-25 21:35:22