「ああ、あったあった」は過去形なのか?

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uroak_miku @Uroak_Miku

1)「~た」の難しさを論じます。

2017-04-01 14:48:58
uroak_miku @Uroak_Miku

2)「あ、来た来た」とかいいますよね。英語だと「Here they come!」つまり現在形なのに。

2017-04-01 14:51:19
uroak_miku @Uroak_Miku

3)ペンを探していて「あった」というのも外国人には不思議なんだそうです。「ある」ではないのですか?そう聞かれる。

2017-04-01 14:52:06
uroak_miku @Uroak_Miku

4)「ペンがあるはず」と思って探し回り、「ああ、あった」とつぶやく。つまり「ある ⇔ あった」のペアで考えれば謎は解ける。

2017-04-01 14:53:30
uroak_miku @Uroak_Miku

5)「そういえば中学のとき、こういう奴いたよね」「ああ、いたいた」 この「いた」は思い出すニュアンスを出すための「~た」です。「こういう奴がいる」ことを忘れていたけれど、ある瞬間に思い出したので「こういう奴がいた」に切り替わる。

2017-04-01 14:56:07
uroak_miku @Uroak_Miku

6)「~ている」にも似た用法があります。「ドアが開いている」は「The door is opening.」ではなく「The door is open.」。「開ける」という瞬間的動作によって「閉じる」が「開く」にスイッチが切り替わった感じです。

2017-04-01 15:03:07
uroak_miku @Uroak_Miku

7)「~た」と「~ている」がもとは「~たり」だったという話は前にしましたよね。話しことばの世界で「~たり」が「~た」と「~ている」に分岐したのだと。江戸時代後期のことです。

2017-04-01 15:04:16
uroak_miku @Uroak_Miku

8)それで「~た」と「~ている」には、ある瞬間にスイッチが入るニュアンスが共有されています。

2017-04-01 15:05:15
uroak_miku @Uroak_Miku

9)明治期に小説の世界で「~た」と「~ている」の用法が確立していきました。

2017-04-01 15:06:20
uroak_miku @Uroak_Miku

10)漱石はそこまで自覚的ではなかったでしょうが、英語的時制のローカライズにあたって「~た」と「~ている」を使いこなし、やがて「国語」に育てることになったのです。いえ漱石が国語教育の枠を作ったということではなく、漱石の小説が国語教育に取り込まれていったのです。

2017-04-01 15:08:20
uroak_miku @Uroak_Miku

11)漱石うんぬんはともかく「~た」と「~ている」の仕組みについては小学校の国語で教えるべきだし、教えていいのではないかな。英語教育に時間を割くのではなく、こういう「日本語」を教えるのに時間を割くべきです。

2017-04-01 15:13:41