ボクエイド

はち公。 @funkastic_8er

25 〈身体デカなっても 中身変わってへんなw〉 〈そうそう、すぐ拗ねる いじめられっ子ののび太w〉 『うっせぇ！！！』 からかわれながら亮ちゃんは チラッと私を見た （わ･･･） 私は、どんなリアクションを していいか分からず 咄嗟に視線をそらした #ボクエイド

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26 その様子を見たみっちゃんが 〈葉月も･･･ 見た目あんま変わらへんけど 雰囲気変わったなぁ･･･〉 って 「え、嘘？」 〈うんうん。女らしくなって ジャイアン葉月の面影ないwww〉 〈ジャイアン！！！〉 そのフレーズに 一同はまた沸いた #ボクエイド

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27 〈せやせや！亮が苛められてたら 葉月が乗り込んできて！ 相手が男子の先輩だろうと やっつけてたもんなwww〉 〈そんで付いたあだ名がジャイアンw〉 「そうそうwww」 あの頃私は空手を習ってて その辺の男子で 私に勝てる奴はいなかった #ボクエイド

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28 生意気で ケンカに巻き込まれやすい 亮ちゃんを 私が殴り込んで助ける その関係を 【凸凹コンビ】と呼ぶ人や 【ジャイアンとのび太】なんて あだ名を付ける人もいた でもまぁ、嫌な気はしなかったし あの頃の私は 亮ちゃんを守る事に 使命感を覚えていた #ボクエイド

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29 そんな事を思い出して 改めて亮ちゃんを見る （うーん･･･） 顔立ちは面影あるんだけど （大きくなったな･･･） あの頃 パンチしても威力の無かった手は ゴツゴツとした 男らしい手になっているし 女の子みたいだった肩は 大きく頼もしくなっている #ボクエイド

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30 『･･･なんやねん、ジロジロ見て』 その声が低いのは 不機嫌だからな訳じゃなく 「声変わり･･･ ちゃんとしたんやねぇ」 思わず、呟いてしまった 『アホか！！するわ！！』 「あ、ほら！低い！！」 『ちょ･･･喋りにくなるやんか///』 #ボクエイド

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31 （あ･･･） 褒めると照れてはにかむ それは変わってないんだ 『お前かって･･･大人しくなって 空手･･･辞めたん？』 そう聞かれて ちょっと胸が痛む 「あー･･･うん 転校したら空手通えんくなって･･･」 『え･･･通えんって･･･あれ？』 #ボクエイド

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32 「まぁまぁw」 『あ、うん･･･でも、残念やったな センスあるって期待されてたのに』 うん･･･ 辞める時は 引き止められたけどね ･･･そう言いかけて黙り込んだ （ダメダメ。今日は楽しむ） 〈なぁなぁ！この後さ うちらだけで飲みなおそーや！〉 #ボクエイド

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33 その誘いに乗って 「ええなぁ！ この辺の店来たことないから 他ん所も行ってみたいわ！」 空手の話題を それ以上聞かれないように 終わらせた みんなは 次に行く店の話題で夢中になる でも 亮ちゃんだけは 合点がいかないみたいで 眉間にシワを寄せた #ボクエイド

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34 そうこうしてる間に 学年みんなでの1次会が終わり 〈さ、次行こ！〉 仲良しグループでの2次会へ その店に行くまでの間 みんなの近況で盛り上がった 彼女いるとか 彼氏いるとか 最近別れたとか （この流れ･･･ヤダな） でも･･･もちろんやって来る #ボクエイド

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35 〈葉月は？おるん彼氏？〉 彼氏･･･ねぇ 「･･･彼氏はおりません！」 〈そーなんや！〉 これで･･･終われ 〈えーっと、あと誰ゆーてへん？〉 よし 「亮ちゃん！ 亮ちゃんまだゆーてへん！」 亮ちゃんに話題を振って 無事、回避･･･ #ボクエイド

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36 『俺！？俺も･･･おらん！』 ･･･へぇ 亮ちゃん･･･彼女おらんのか･･･ 〈え！錦戸も葉月もおらんの！？〉 「そんな驚くこと？w」 〈いや、それなら 付き合ったらええやん！〉 「『はぁぁぁ！？』」 ふたり同時に声を荒らげた #ボクエイド

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37 だけど 周りのメンバーはその提案を すんなり受け入れていて 〈せやせや。お前ら仲良かったし あの頃も付き合ってるもんや思とった！〉 「いやいや･･･」 〈あれやろ？亮がチビやから そーゆう対象に見えんかってんろ？ でももう、葉月よりデカイで！！〉 #ボクエイド

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38 「いやいや･･･///」 『あほか！身長だけの問題ちゃう///』 〈えー♡でも2人とも 同時に真っ赤になってんでぇ♡〉 〈まんざらでもないんちゃう♡〉 「『ええ加減にせぇ！！！』」 声がピッタリ揃って ハッと顔を見合わす 私と亮ちゃん #ボクエイド

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39 そんな私達を見て 満足そうな面々 〈さすがナイスコンビw〉 〈とりあえずまぁ、店ついたで！ 続きは後でwww〉 わいわい先に入ってくみんなの後を 私と亮ちゃんが着いていく 『ったく･･･///』 亮ちゃんはブツブツ呟いててw #ボクエイド

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40 「まぁ、言わしとけばええやんw」 私は笑い飛ばした ────そうして 何度目の乾杯の後 2次会がスタート 気心知れたメンバーだから さっきよりテンポよくお酒が進む 話題はさっきよりコアな 仲間内しか知らない話題になって 驚いたり、笑ったりw #ボクエイド

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41 そんな中･･･ 『なぁ･･･』 気づくと亮ちゃんが 隣に来てて 『さっきのアレ、ほんまなん？』 「さっきの･･･ドレ？」 『その･･･彼氏おらへんて』 「あー･･･ほんま。ほんまよ。」 そう答えると 『そか･･･w』 少し嬉しそうに笑った #ボクエイド

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42 「･･･なんで？」 ちょっと･･･ドキドキしだす私 『いや･･･別に』 誤魔化す亮ちゃん なんとなく 気まずい空気が流れる （え、なになに？何この空気(泣)） ･･･と、その時 ────♪♪♪ 突然 テーブルに置いていた スマホが鳴った #ボクエイド

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43 その表示を見て （あ･･･） 咄嗟にそれを隠す 『･･･葉月？』 「あ、うん･･･会社の先輩･･･ ちょっと、出てくる」 私は 逃げるように部屋の外に出て 周りに人が居ないのを確認してから それに 応答する･･･ #ボクエイド

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44 「･･･もしもし」 《あ、葉月ちゃん？今どこ？》 「どこって･･･飲み屋？」 《そう･･･まだ飲む？》 「･･･なんで？」 《･･･そろそろお開きかなーと思って 駅まで迎えに来ちゃったw》 「駅って･･･同窓会やってる所の？」 《うんw》 #ボクエイド

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45 ･･･何してんの 私、頼んでないのに 《ごめん、勝手に･･･迷惑だった？》 何よそれ･･･ そういう風に甘えて言えば 私が【迷惑】って言わないの 分かってて言ってるよね･･･ 「分かった･･･今から行くから そこで待ってて」 もう･･･最悪 #ボクエイド

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46 通話を終えて部屋に戻ると 「ごめん！ちょっともう帰る！」 私はみんなに挨拶して 「また機会あったら誘って！じゃ！」 そそくさと荷物を取り その場から飛び出した ･･･カンカンカン 飲み屋の入っていたビルの 階段を駆け下りる （もぉ！！！） #ボクエイド

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47 帰りたくないのに もっといたいのに そう思うのに 足は早歩き （なんでこんな･･･） と、そこへ 『葉月！待って！』 亮ちゃんが･･･追いかけてきた 「あ･･･」 1番、バレたくない人 『駅まで行くなら･･･送る つーか、送らせて？』 #ボクエイド

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48 そう言われると 断る理由が無いから 「ん･･･」 私は速度を緩めて 亮ちゃんと並んで歩いた 『2つ･･･聞きたい事あんねんけど』 「･･･何？」 『空手辞めた本当の理由何？』 ･･･ギクッ 『引っ越す前･･･一緒に調べたやん 新しい空手教室』 #ボクエイド

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49 そうだった･･･ 亮ちゃんと一緒に調べて ここなら通えるって喜んだ 『お前、普通に空手 ･･･好きやったやん？ せやのに、なんで辞めたん』 私は･･･答えたくなかった 大した 答えがなかったから その態度に 『まぁ･･･言いたないならええけど』 #ボクエイド