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まとめを更新しました。「#11 「戦闘訓練②」<フォビドゥンフォレスト4話「大規模作戦・発動!」>」 togetter.com/li/1102837
2017-04-24 00:57:55(前回までのあらすじ:俺とラッタは戦闘訓練五本勝負の四本目の後で休んでいたが、そこに恵里と朝来がやってきて来週の作戦の人員配置の話になった。途中アホな早合点をした朝来に襲われたりもした。そこへ後からやってきた佐祐里先輩曰く、配置はだいたい俺の予想通りらしい)
2017-04-24 23:00:01(更にそこへ藤宮先輩も訓練室から出てきて、若手戦闘員フルメンバー+桐葉さんと幸川の兄ちゃんで一気に9人も集まっちまった。そろそろ5本目をやって帰ろうと思ってたんだが、先輩たちに聞きたいこともあるし、どうすっかな…)
2017-04-24 23:02:53最後に部屋から出てきた藤宮先輩達は3人揃ってベンチに腰を下ろし、スポーツドリンクを呷っている。 「涼平ったら…桐葉さん立ち相手に1対2なんて…訓練でも死にますよ?」 「佐祐里ちゃん…それ、五分に持ち込まれた俺達の立場が無いから」 幸川の兄ちゃんが苦笑する。 1
2017-04-24 23:10:55「私もヨッシーも、サシで2・3割はコイツに勝てんのにな」 桐葉さんは、兄ちゃんを挟んで俺側にいる先輩を親指で指す。 「じゃあちょうど2倍じゃないか」 「いや、計算おかしいだろ!」 「そうだよね。俺達の連携がまだイマイチってことかな」 2
2017-04-24 23:18:00先輩の力を10、桐葉さん達をそれぞれ3として、2人力を合わせたら5や6で留まるかって言うと普通はそうはならねぇ。例えば桐葉さんの両手で先輩の両手を塞いでる間に、兄ちゃんが両手で先輩を攻撃し放題になる訳だ。3+3が10になってもおかしくねぇ。それが出来てねぇ訳だ。 3
2017-04-24 23:22:23「ウチはタッグ戦とかあんまやらねぇからな…つったら言い訳になるか…よしもう一戦やるぞ」 「お願いします」 先輩が頭を下げた。 「ええ…!?俺、朝から仕事なんだけど」 兄ちゃんの絶望的な表情が見えた。 「薄情野郎め…私とサシでも良いか?」 「はい」 「ダーメーでーすっ!」 4
2017-04-24 23:31:19桐葉さん達のベンチの横にいた佐祐里先輩…会長が、ベンチの前に移動して人差し指を立てる。 「なんだよ。今日はまだ一時間半はあんぞ?」 「オーバーワークは身体に毒です!ましてやAランク以上が1対2なんて…」 「た、確かに少し疲れちゃいるけどよ…まだ行けるって」 5
2017-04-24 23:39:10「桐葉さんが良くても、施設も痛むんですからね」 制限が掛かるは言え、能力者同士の肉弾戦は戦車をぶつけ合うくらいの衝撃が巻き起こる。特に高ランカー同士はな。そもそも制限をかけるのにだって装置がエネルギーを使うし、熱を持っちまう。10戦やったら最低20分は休ませたいところだ。 6
2017-04-25 00:01:47桐葉さんが体を後ろに下げる。その顔が元あった位置に会長が顔を突き出していく。 「とにかく、今日はもう休んで下さい。今日だけで10本勝負がこれで3回目、それと別に5本を2回やったのは知ってるんですよ」 そんなやってたのかよ…そりゃ会長も止めるわ! 「分かった…分かったよ!」 7
2017-04-25 00:04:19桐葉さんは這々の体だ。二人は会長はがうっかり転んだらキスしちまう距離まで近づいていた。 「涼平もですよ…10本を3回に、5本を6回って…」 会長は首だけで藤宮先輩のほうを向いた。幸い、俺の位置からは表情が見えなかった。見えてたら泣いたかも知れねぇくらい怖ぇ雰囲気を纏っていた。 8
2017-04-25 00:14:47そんなオーラに当てられながら、藤宮先輩は… 「まだやれる」 と言ってのけた。銃を突きつけてくる相手に反抗的な態度を取るみてぇもんだぞオイ…。会長は先輩の前に移動し、両肩に手を置いた。 「ダ・メ・で・す」 「だが…」 まだ言うのかよこの人!? 9
2017-04-25 00:21:52会長はわざとらしく大きな溜め息を吐いた。 「部屋や武器の整備班の身にもなって下さい…これ以上貴方のパワーで暴れられたら泣いちゃいますよ?」 「…分かった」 藤宮先輩は仕方無さそうに頷いた。実際、訓練室は自己修復するし、先輩の武器も簡単に痛まねぇのは本人がよく知ってる筈だ。 10
2017-04-25 00:28:10会長が言ったのは8割型、藤宮先輩を休ませるための口実って奴だ。先輩もそれは分かってて受け入れたんだろう。…単にしつこく怒られるのを嫌っただけって説は俺の胸の中にしまっておく。 「先輩…俺と想良は帰ります。明日も午後は来ますんで」 会話が終わったと見てか久浦が立ち上がった。 11
2017-04-25 00:32:15「あら、ゆっくり休んでくださいね」 「はい」「うん」 久浦と朝来は俺達にも挨拶すると一足先に帰っていく。二人が乗ったエレベーターの扉が閉じるのを見届けていると、ラッタに肩を叩かれた。 「ハル、俺達ももう一戦やって帰るか?」 「あー、ちょっと待ってくれるか?」 12
2017-04-25 00:40:07俺は先輩達の方に目をやった。 (ハル、俺と恵里はいないほうが良いか?) (出来れば…な) 顔を寄せてきたラッタに返事をする。そこまで大した話をする訳じゃねぇけど…正直、ラッタはともかくな…。 「何の話してんの?」 あんまりこの話を聞かせたくねぇ奴が近付いてきた。 13
2017-04-25 01:01:05恵里はさっきまで朝来と話していたから今は手持ち無沙汰みてぇだ。 「恵里、ちょっと10分くらい上に行こうぜ」 「上に?」 「メロンソーダ買ってきくれってさ」 「そこに売ってるわよ?」 恵里は自販機を指差す。確かにあった。ラッタの奴、よく見ねぇで適当に無さそうなのを言ったな? 14
2017-04-25 01:04:04「えっと…間違えた。あー…ウーロンソーダだった!」 「それもあるけど」 恵里が隣の自販機を指差す。あった。よく見ろよラッタ!いや何でそんなのがある?訓練室だぞココ…。運動した後に炭酸飲みたがる奴そんないるのかよ?…業者との癒着を疑っていると、ラッタが次の口実を考えだした。 15
2017-04-25 01:09:14「決めた!黒蜜抹茶ソーダだ!…ハルが飲みたいんだってさ」 ソーダから離れろ。つぅか『決めた』じゃねぇよ。コレで騙される奴は…。 「分かった!買ってきてあげるわねハル!」 …恵里しかいねぇよ。恵里はエレベーターへ駆け出す。 「よし、じゃあ行ってくるぜ」 ラッタは親指を立てる。 16
2017-04-25 01:12:52「ほら、来るわよラッター」 10mほど先のエレベーター前で恵里がラッタを呼ぶ。 「ラッタお前…」 恵里に話を聞かれたくねぇっつう俺の気持ちを察してくれたのは良いけど、色々雑すぎるぞ。 「言うなよ…」 ラッタは自分の出任せに後悔しながらトボトボ歩いていった。 17
2017-04-25 01:16:41