フォビドゥンフォレスト6話・「フォビドゥンフレイム」 #12「片桐対リリア①」

カクヨム版:https://kakuyomu.jp/works/1177354054884869599 実況・感想タグ: #禁森感想 全話+まとめのまとめ http://togetter.com/li/1059871 続きを読む
0
まとめ フォビドゥンフォレスト6話「フォビドゥンフレイム」 #11 「涼平対リリア」 カクヨム版:https://kakuyomu.jp/works/1177354054884869599 実況・感想タグ: #禁森感想 全話+まとめのまとめ http://togetter.com/li/1059871 1話「英雄たちの遺産」まとめ http://togetter.com/li/1020459 2話「バケグモ大進撃」まとめ http://togetter.com/li/1024051 3話「蝶舞の町内」 まとめ http://togetter.com/li/1059870 4話「大規模作戦・発動!」 まとめ https://togetter.com/li/1090962 5話「選ばれし者、選ぶべき者」 まとめ https://togetter.com/li/1108885 6話「フォビドゥ.. 792 pv 1
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「フォビドゥンフォレスト6話「フォビドゥンフレイム」 #11 「涼平対リリア」」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1236624

2018-06-12 23:59:07
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

3-2 「超砲撃」 フォビドゥンフォレスト/ヴォイド - カクヨム kakuyomu.jp/works/11773540…

2018-06-20 12:20:56
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

新しく公開しました 3-3「資料室」 - フォビドゥンフォレスト - カクヨム kakuyomu.jp/works/11773540…

2018-06-24 01:34:20
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

(前回のあらすじ:ウォーロックハンターの少女リリアと、佐祐里たちの面々の模擬戦が始まった。同じAランクの佐祐里を破り恵里に破れたリリアは、続いてSランクの涼平を相手にする。多種多様な糸を繰り出すリリアを涼平が徒手空拳で迎え撃つ戦いの中、ついに大技が激突する……!)

2018-06-25 22:40:45
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

フォビドゥンフォレスト6話・「フォビドゥンフレイム」 #12「片桐対リリア①」

2018-06-25 22:40:56
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

リリアは背後の壁に叩きつけられた。部屋がズシンと揺れ、壁にヒビが入る。 「……痛っうーー!」 緊張感のない声と表情でリリアが呻くが、今の一撃も安全装置の限界を超えていた。骨折や内臓破裂をしていてもおかしくないが、少女はゆっくりと自分の形をした穴から這い出て立ち上がった。 1

2018-06-25 22:44:47
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

一方の涼平は右手で掌底を叩き込んだ姿勢のまま動かない。踏み込んだ右足は床にめり込んでおり、その腹には槍が刺さっていた。 「先輩!?」 片桐は駆け寄るべく立ち上がろうとしたが、その肩を佐祐里がそっと抑えた。 「大丈夫ですよ」 佐祐里は正面を見ている。 2

2018-06-25 22:48:29
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

涼平は構えを解き、槍を両手でそっと引き抜く。穂先には血が付いていた。ただし量はごく僅か。観客席からでは最大限目を凝らしてようやく見える程度だった。 「涼平、傷を見せて貰えます?」 「心配はいらん」 「私は心配なんかしてませんよ。後輩たちが心配してるから見せろって言ってるんです」 3

2018-06-25 22:51:53
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「……だそうですので、さ、早く」 「女子が二人もいるんだぞ」 「リリアさんと恵里ちゃんと……私をナチュラルに女子から外しましたね?」 「……?お前はノーカンだろう?」 涼平は不思議そうに首を傾げた。嫌味やからかいではない、素のリアクションだった。それが逆に佐祐里の逆鱗を掠めた。 4

2018-06-25 22:59:51
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「あとで叶音ちゃんに『涼平が訓練のドサクサに相手のおっぱい触ってた』と無いこと無いこと吹き込んでやりますよ」 「……あることだけ吹き込め」 「じゃあ『女の子の腹を容赦なく張り飛ばして、壁にめり込ませた』って言っておきます」 「……確かに事実だが、俺も腹をぶち抜かれかけたんだぞ」 5

2018-06-25 23:04:56
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「フフン、何を伝えるかは私の自由ですとも」 「卑怯な」 叶音は訓練の見学には滅多に来ない。あまり僚勇会の活動に参加しない分、家事をしているからというのもあるが、涼平が戦っているのを例え訓練であれまともに見ていられないのだ。彼の強さを分かっていても、である。 6

2018-06-25 23:10:40
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

ある時など、涼平が片桐を防戦一方に追い詰めていた最中の片桐の精一杯の反撃に対して、 『片桐くんストーップ!!』 などと叫んだこともある。 余りの無体さに思わず反論した片桐は、 『黙って殴られろってことかよギャーッ!』 と涼平の一撃で壁に叩きつけられた。 7

2018-06-25 23:15:03
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「あの先輩、それで腹は……」 「まあ、掠り傷だ」 恵里とリリアに了解を取って、涼平は戦闘服の腹を捲り上げた。へその少し上から血が出ているが、傷は小さく既に塞がっている。太めの針で刺した、いや……押した程度にしか見える。少なくとも直径十センチの槍の傷跡にはとても見えなかった。 8

2018-06-25 23:22:31
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「読まれてたのかしら?」 近寄ってきたリリアが腰を降ろして傷の側を指でなぞる。 「いや、まさか槍が出てくるとは思わなかった。一応、体の前面の防御力を上げてはいたが、槍を見たので、刺される場所にアタリをつけて集中強化した」 「うわ、逆にショック」 9

2018-06-25 23:26:27
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

リリアは化粧パフのようなもので頬の傷を擦りながら天を仰いだ。攻撃や防御などの肉体強化を特定部位に集中させること自体は中級レベルの技術だが、強化対象を即座に切り替えるのは上級者でも難しい。実力の近い者同士の戦いで実践するには先読みや勘が物を言う。 10

2018-06-25 23:28:34
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

二人は客席に腰を下ろして、飲み物を受け取って話を続けた。 「最初の一瞬は胸を狙うつもりだったな?」 「ええ。でも訓練くらいで万一があったらいけないって思い直したのがいけなかったわ」 「訓練ならそれでいいだろう。過失致死になってはいけない」 涼平は他人事のように告げた。 11

2018-06-25 23:32:57
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「それより済まん。顔に当てる気はなかった」 「分かってるわ。両手狙いだったのよね。私が迂闊だったわ。運も悪かったわね。弾かれた糸が首に向かっちゃったから……」 涼平の投石は右手に続いて左手を打つ筈だったが、リリアが糸鋸から首を身を守ろうと動いたことで顔に当たってしまったのだ。 12

2018-06-25 23:36:35
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「万一痕が残ったら、責任は取る」 「大丈夫。よくあるから治し方は心得てるわ。もうだいぶ綺麗でしよ?」 先程からの化粧じみた動作は血を拭き取るだけか応急手当のようにも見えたが、実際は治療だったらしい。全体が腫れ上がっていた右頬は掠り傷程度に治まっていた。 「ああ、綺麗だな」 13

2018-06-25 23:42:50
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「……『他所の女の子に責任を取るとか綺麗だとか囁きかけていた』も追加しておきますね」 佐祐里はわざとらしくスマホでメモを取る動作をした。 「何故だ」 涼平が首を傾げるのを見て、佐祐里はこれまたわざとらしく悲しげな表情をして首を横に振った。 14

2018-06-25 23:49:22
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

フォビドゥンフォレスト6話・「フォビドゥンフレイム」 #12「片桐対リリア①」 (後半)

2018-07-02 23:11:22
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「でも藤宮先輩、流石っすね。ハンデ付きでもプロのハンターに勝っちまうなんて。まあランク的には先輩のほうがですけど……」 「いや、彼女は実質Sランク並だ。それに、これが殺し合いなら俺の負けだったろうな」 片桐の称賛を涼平が首を振って否定する。 「えっ?」 15

2018-07-02 23:18:51
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「彼女は全力を出さないように抑えていた。恐らく、技のいくつかを自主的に封じていたように思う。加減が効かず、安全装置でも止めきれない技をな」 片桐がリリアを見ると彼女はあっさりと頷いた。 「あら、気付くなんて流石ね。でも手加減してたのは貴方もでしょ」 「それはそうだ」 16

2018-07-02 23:31:01