4/25~4/27 反英雄レオンハルトとの邂逅戦

#GC異聞絶望 イベントにて、邂逅の紋章3つを使用した、皇帝邪紋レオンハルトとの邂逅戦
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ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 苦しみの最中、私は己の「価値」を見失っていた。 この身は竜神と黒の混沌の憑代でしかなくなった。 このまま生きていたとして、私は刻一刻と、生きながら魔境に近づくばかりではないのか? 自ら死ぬ、か。悪くないかもしれない。 →

2017-04-26 19:33:56
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 気を抜けば今にも自我を失ってしまいそうだ。 力を抜けば今にも混沌に侵されきってしまいそうだ。 私の名は、私の星は、この身体に駆け巡る血は。 私の生きる意味は、私の為すべきことは、私の定めの行方は。 ――知りたいか? 私自身の声が、内側から響いてきた。→

2017-04-26 19:34:24
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 知りたい。知らねばならない。 此処で尽きるにせよ、此処から生きるにせよ。抵抗を許さない圧倒的な力で抑えられながらも半竜は足掻き、逃れようと暴れる。 声が答える。どこか哀れむような、しかし温かい声音で。 ――おまえに刻まれた名は。 →

2017-04-26 19:35:41
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 破壊。即ち、破滅、荒廃、喪失、災禍。 →

2017-04-26 19:36:12
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart これまで抜け落ちていた記憶が、同時に埋め尽くされる。 焼ける故郷の光景。金の獅子の剣から逃れたときの光景。 この廃村と同様に燃え広がる炎と、地面を洗い流す洪水。 私の、業だ。 声の主が何者であるか、私は悟った。 →

2017-04-26 19:36:31
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 腕を引き抜かれれば考えられない勢いで腹の風穴が塞がっていく。痛みが消えるわけではない。混沌の衝突が収まるわけではない。それでも、この身は、混沌は、まだ生きることを本能的に選んでいる。 「なァ、黒獅子……」 漏れる程度の、掠れた声。 →

2017-04-26 19:37:05
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 全ての感覚を痛みに支配された身体が、全ての意識を絶望に支配された身体が、立っていることを拒否して地面に崩れ落ちた。 「私の呪詛も、呑んだかよ」 動かぬ身体、その端から姿を変えていく。点々とのみ交ざっていた黒の鱗を、太極図そのものを描くかのように広げながら。 →

2017-04-26 19:37:35
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 半竜の姿は竜に転じた。 白と黒とで覆われ、金の眼を憎悪と執着と絶望と、己にも分からぬ激しい衝動に燃やす竜に。 「……此処が地獄の入り口で、私を同胞と呼ぶならば」 咆えた。 以前と変わらず鳴り響くような、艶のある声で。 足元の黒炎を纏うようにその首をもたげた。 →

2017-04-26 19:38:45
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 「同行を、願おうか……!」 溢れる混沌の力に任せて黒炎を吐き出す。風が渦を巻いて村全体を覆い、在るもの全てをその内側で吹き飛ばす。土壁は瓦礫に、木の屋根は木片に、生えていた草木は灰に。 二人を中心にした旋風がその全てを其処へ投げつける。→

2017-04-26 19:39:10
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 陰陽を体現した姿の竜が垂直に舞い上がる。 自ら巻き起こした風の中心で、吸い込まれるように空に上がり、一度は痛みに耐えかねて落ちた。 竜が足掻く。もう一度空へ駆けようと。 全ての力を振り絞って、しかし風に煽られながら不安定に駆け上がる最中――禍々しき牙で、青年の左腕を食い千切って。

2017-04-26 19:40:40
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin モザイク模様の竜が変生し、吼えた。再びの咆哮はあの土砂降りの雨を想起させたが、狂気に沈んだ声色が吐き出したのは己と同じ黒炎だった。 ごう、と暴風が渦を巻く。焔を巻き込んだ竜巻は黒き混沌の災渦となり、砂塵と瓦礫と木片がレオンハルトへと殺到した。 →

2017-04-27 02:01:40
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 「嫌だね」 邪紋より大剣を創り出す。両手で剣を持ち、空気と肺を焼く焔を一閃した。空間が斬り裂かれる。瞬時に真空が作られ、あらゆる障害物が僅かな空気の隙間へ吸い寄せられて破砕された。 「地獄行きはテメェだけだ」 再び一閃。真空刃が、一度失墜して正面から駆けてくる竜へと放たれた。 →

2017-04-27 02:02:11
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 無音の刃が竜の長い胴へと傷をつけた。鱗を削り、その下で蠢く筋肉を裂いた。真紅の領域で黒と白を染め上げ――しかし、如何なる執念と衝動か。 動きを止めることなく突貫してきた竜が、レオンハルトの左腕へと牙をめり込ませた。 骨が砕ける。 肉が裂ける。 千切れる。 →

2017-04-27 02:02:35
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin ばつん、と突進の勢いで上腕から腕が捥げた。不思議と痛みは感じず、むしろ奇妙な高揚感が更なる非現実さをもって跳ね上がった。 「――そうだ!それでいい!だが惜しかったな、俺は生きているぞ!」 叫んでいた。 血が噴き出す。溢れた混沌が収束し、新たな『魔境』を創り出す。 →

2017-04-27 02:02:52
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 「足掻け!もがけ!お前のもがき苦しむ様を俺に見せてくれ!!」 響く高笑いと共に、空へと駆け上がる昇竜へ呪詛の言葉を投げつける。 垂れ落ちる血が止まり、猛烈な勢いで再生が始まった。 「逃げるか、ルゥイン!だが忘れるな――いずれ必ず、三度俺達は巡り合う!」 →

2017-04-27 02:03:15
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 血を吐くように叫んでいた。 己の存在を彼の中に刻み付けるように。 互いを縛る、呪いをかける。 「せいぜいその時まで魔境化しねぇように気をつけろ!一秒たりとも気を抜くな、何にも心を赦すな!それが俺とお前の、ただ混沌と破壊に彩られた業の道だ!!!」 →

2017-04-27 02:03:48
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 混沌の中から骨が生み出され、肉がつき、肌が覆う。左腕は一分とかからず完全に元に戻った。 もはや混沌がヒトの姿を模しているだけなのか、元はヒトであったものが混沌を取り込んだ果てなのか、分からなくなっている。 獅子纏う混沌の果ては、それでも尚見えぬ闇の先にある。 →

2017-04-27 02:04:45
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 己が血肉は総て混沌へと成り果てた。 残るは自我のみ。 己が魂のみ。 人の身には余る闇を抱えて、地を這う獅子と、空を駆ける竜が――ただ、奔る。

2017-04-27 02:05:32
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 浴びせられる呪詛を聞きながら、痛みに、狂気に耐えながら。これまでの飛行とは比べるべくもない不安定さで、苛まれながら竜は飛ぶ。 裂かれた腹からぽたり、ぽたりと垂れ落ちる黒く濁った血液はすぐに止まったが、二重に開かれた腹の内側の修復は追い付かない。 →

2017-04-27 11:01:08
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 「っう……は、あっ……」 傷の痛みに加え、なんだこの負荷は。 魔境化。この黒が私の全てを覆う時、それは――  →

2017-04-27 11:01:28
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart なるものか。堕ちるものか!腕では足りない。黒の獅子の胸を、喉を食い破るまでは、我が身は堕ちるわけにはいかない! 手始めだ、混沌に侵された、否、混沌が濃縮されて形をとっているだけの腕を、呑み込む。それが我が身を蝕む狂気を更に深めると知りながら、耐える意思を誓うように。 →

2017-04-27 11:01:52
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 我が身は、竜なり。 執念を絶叫する咆哮は、広くどこまでも黒く響いて。

2017-04-27 11:02:10
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