4/25~4/27 反英雄レオンハルトとの邂逅戦

#GC異聞絶望 イベントにて、邂逅の紋章3つを使用した、皇帝邪紋レオンハルトとの邂逅戦
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万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

#反英雄との遭遇 龍の中で、その『異物』が形を成し始める頃。 男は惰眠を貪っていた。 → @gc_luyin

2017-04-25 07:31:48
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

.@gc_luyin とある場所に廃村があった。 随分と昔に廃棄されたようだ村のようだった。『庭』に侵食こそされていないが、もう長いこと人の手が入った形跡がなく、畑は雑草で荒れ放題。建物も幾つか壁や屋根に穴が開き、人の住める環境ではもうなくなっていた。 放浪する男がその廃村を訪れたのは二日前。 →

2017-04-25 07:37:16
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

.@gc_luyin どれだけ荒れていようが彼には関係がなかった。一夜の宿だけ確保できればそれでいい。 そう思い、一番損壊の少ない家を選んで眠りについたのが昨晩。 レオンハルトには三大欲求というものがあまり無い。特に、ここ数年は減退が顕著だ。首に刻まれた『庭の種』が生命活動を否定するためだ。 →

2017-04-25 07:39:47
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

.@gc_luyin それでも流石に睡眠や食事をゼロで生きられるというわけではない。 だから、こうして眠る。酷く浅い眠りは僅かな安息の時間だ。痛みも苦しみも忘れられる。 そうして、男が眠ったのも束の間。 廃村へ、無粋な侵入者が現れる。

2017-04-25 07:44:33
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart あの日から、どうも落ち着かない。 胸の邪紋は何かに呼ばれ続けているかのように血を鳴らす。もう誰が見てもそうと分かるほどに黒の鱗は増えて身体に巣食い、そればかりが己に時が止まらぬことを感じさせる。 半竜は混沌の気配を追う。村から離れてしまったが、止まることはできなかった。→

2017-04-25 10:44:27
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 翼は己の意思より強く身体を導いた。異物が示す「おなじもの」のある方角へと、真っ直ぐに。 金の目は僅かな色の変化も逃さず、飛行の道に誤りがないことを伝える。近い。これほど近くに、それがある。引き返すことなど考えられない――緊張、重圧、高揚。久しく感じえなかったそれが止まらない。→

2017-04-25 10:50:27
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 己の中には己のものでないものが今、二つ在る。片や己の時間を止め、片や己の時間を進める。この身は憑代だ、古きを承けるものと、汚し正気を侵すものの、憑代そのもの。 漂う混沌の気配、その根を掴んだ。そこに見えるのは村――生きるものの気配のない、廃村。いる、確かに其処にいる! →

2017-04-25 10:57:12
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 考えるより先に混沌が動いた。邪紋が黒と仄かな赤とを放つ。降下し並ぶ家屋の数々に近づき、ふっと一息。探すのは面倒だ、対峙する望みと衝動に抗うことができない。 燃やせば、いい。 炎が上がる。翼を叩けば風が廻る。瞬く間に廃村は炎の海と化し、半竜はただその光景を金の魔願で見つめた。

2017-04-25 11:02:47
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin ごう、と火種が村へと撒かれた。竜の息吹は木造の家屋を焼き、茅葺の屋根を燃やして村を真っ赤に染め上げた。 その混沌の気配を知っている。 燃え盛る家屋の中でレオンハルトが身を起こした。焔が肌を舐めたが、彼にとっては暖かな風のようだ。混沌による火は彼を傷つけることはない。 →

2017-04-25 11:18:49
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin ビリビリと胸元の混沌が暴れだす。ひりつく心臓の印章が彼の男の来訪を告げていた。 「来たな……ルゥイン」 周囲が燃えている。廃村を包むような混沌の気配からして、雑に村全体を焼いているのだろう。 ――らしくねぇな。 そう思った。 彼らしくない焦りを感じる。 →

2017-04-25 11:21:20
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin そもそもこの炎は何だ。 前回の遭遇を思い出す。空より降り注いだは清流だった。 彼が司るのは火ではない。風と水だったはずだ。何か違う。違和感が拭えない。 「しゃあねぇ。相手するか」 龍との再戦の時だ。 →

2017-04-25 11:24:49
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin ルゥインの前で、燃える家屋の壁が突然吹き飛ぶ。音を立てて倒壊する家から出てきたのは――長い黒髪に、金の瞳の青年。 かつて会った時とは姿が違う。 けれど、ルゥインは直感する。 ・・・・・・・・・・・・・ ルゥインの中の混沌が告げる。 彼が――彼こそが。 己の追う相手であると。

2017-04-25 11:27:27
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 金の目が僅かに赤みを帯びる。混沌が共鳴する。衝撃で吹き飛ばされた土壁の破片、それをさも何事もなかったかのように、軽く尾で弾き落とす。 ああ、来た。 これだ。これこそを探していた。思い浮かぶのは金の髪に金の目、白く眩い甲冑と輝く剣、それは嘗てのかの青年の姿。→

2017-04-25 11:36:38
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 去り際にかけられた声、その言葉と音を思い出すとぞくりと背に震えが走る。 その姿が現れることを期待したが、現れたのは黒髪。 「……レオンとは呼べぬようだな」 煌々と燃える村の、大地に足をつけて一人呟く。間違いない、この気配、響くもの、器は違うようで同じものだ。→

2017-04-25 11:40:22
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart ぴりぴりと体内で疼くものがある。半竜は身に仄かな赤と黒の光を纏うまま、一歩、二歩、「レオン」を模す青年に近づいた。 「レオン殿」 己も力をつけたといえど、やはり圧倒的な差に気づかぬ筈もない。それでも―― 「探していた。まさか斯様な姿になっておるとは」 退く気は、起きなかった。

2017-04-25 11:45:47
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 「……レオンハルトだ」 再び、男が名乗る。 「ちっとばかし事情があってなァ。姿を『戻した』んだよ。この姿で会うのは初めてか、ルゥイン」 白龍が近づく度、胸元が疼く。痛みにも似た疼きだ。 その疼きに惹かれるまま、服のバックルを外した。指で布をぐいと引くと、青年の胸板が露になる。 →

2017-04-25 12:58:10
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 白い左胸にあるのは十字傷。ルゥインの左胸に色濃く残る傷と同じ、剣で裂いた痕。 そして、傷の下に薄く見えるのは金の色。 「お前の探し物は此処だ」 自らが埋め込んだ印章の位置を、肌の上から指で叩いて知らせる。 違うことなく心臓の直上。かつて白龍が埋め込んでいた場所にそれはある。 →

2017-04-25 13:02:17
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 服を直しながら、レオンハルトは白龍をちらと見た。 ――混沌の質が変化している。 どうやら違和感の元はそれらしい。何故だ?自分と合わない間に何か取り込んだか。 水龍が火を吐くようになるほどの大幅な変化だ。変質の原因は並の混沌ではない。 ゆらゆらと揺れる尻尾に目がいった。 →

2017-04-25 13:13:21
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 炎の光が舐めるようにちらつき、白と黒の斑な鱗が映えて光った。 「そういうお前も……随分と変わったな。まぁいい、何がどう変わったかは打ち合えばすぐ分かるし、それでもお前は俺に勝てねぇってのも自明のことだ」 何か言いかけた相手を制して言葉を続けた。 「構えろ」 →

2017-04-25 13:17:53
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin かちり。 レオンハルトが胸元のバックルを締め終わる、微かな金属音。 火が爆ぜる音にも負けてしまいそうなその小さく硬質な音が――開戦の合図となった。

2017-04-25 13:21:51
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 返答を待つ気のない、静かな一声。彼の指が求めていたものを指し示す――なに?体内に、あれを取り込んだというのか? 十字の傷には見覚えがある。ちょうどその辺りだ、私の中の異物が今にも爆ぜたがっている。 構えろという声に従うように、きんきんと小刻みな金属音が微か響く。→

2017-04-25 13:37:05
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart それはまるで全身に光を帯びるかのように。 白黒の斑か全身を覆う。まるで全身に太極を描くかのように。 腕から肩へ、背へ、首へ、胸元へ、頬へ。耳が人のものでない、尖ったものへ――大きな角が伸びるが如く――そして余さず鱗が覆う。 白と黒が、雪のように燃えた。→

2017-04-25 13:42:29
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 右手の爪のひとつが、禍々しい黒の輝きを放った。 我が身は竜なり。 欠片の濁りも持ち合わせなかったはずの清澄は渦巻く混沌と混ざってそれと激しく衝突している、その衝突の力を己の勢いに変えて。 「いざ」 彼の強さは知っている。妥協はない。 その爪は真っ直ぐ狙いを定めて。 →

2017-04-25 13:47:48
ルゥイン(跡地) @gc_luyin

@Leon_granart 漆黒の爪が宙を滑る。 かちり、バックルのたてた僅かな音を竜の感覚は逃さなかった。それを合図に身長よりも長い尾が地面を叩きつければ、その衝撃は前進を加速させる――十字の交差する地点。人としての急所でもある獅子の胸へ。 己と同じ高さのそこを、我が黒刃で貫かん!

2017-04-25 13:55:53
万象の虹/レオンハルト@異聞反英雄邪紋 @Leon_granart

@gc_luyin 男は剣を抜かなかった。 代わりに腕の邪紋が黒く輝き、剣を生み出した。 本気で相対するに相応しい相手と判断した者にのみ贈る黒の剣。その硬さと斬れ味は人智を超える。 ルゥインが狙う場所は分かりきっていた。予想に違わず突進してきた黒爪は印章を狙っている。 爪を、剣で受けた。 →

2017-04-25 14:07:12
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