報道ステーション『出没急増“新世代グマ”の実態に迫る』をきっかけに、クマと人間の関係について考えてみた

2017年5月10日に放送された報道ステーションのミニ特集『出没急増“新世代グマ”の実態に迫る』と見た感想から始まる、クマと人間の軋轢について考えた一連のツイートをまとめました。
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umigoki @umigoki

@r_kikyoya 桔梗屋さんの話はヒグマの話で北海道では断定出来るかもしれませんが、本州では断定はできないと考えます。そして先の「全国的に増えているのでは」については兵庫県だけでなく、他地域の研究者との連携の中で情報のやり取りがあった中での発言ではないかと考えています。(違うかもしれませんが)

2017-05-11 14:08:55
umigoki @umigoki

@r_kikyoya 何が言いたいかと言うと、ヒグマ(北海道)とツキノワグマ(本州以南)を「クマ」でひとくくりにして考えるとまずいのでは。と言うことです。つまり、「番組編集にもっと気を使って欲しいなぁ」ってことにたどり着きます。お粗末様でした,、、、

2017-05-11 14:14:27
yoshi @fieldnote0014

@r_kikyoya 初めまして。10日放送の番組にクマ映像を提供した者として桔梗屋様の見解に共感いたします。最近のクマ報道は、番組担当者の偏った先入観に基いて制作されており、クマという動物の本来の姿を伝えているとは思えません。そもそも、番組を作る皆さんは野生のクマを見たこともない人がほとんどです。

2017-05-11 21:39:54

「駆除だけで被害を防げないのはなぜか?」例え話で考えてみた

桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

駆除だけではクマの被害が防げないのは何故か? という理由を説明するための例え話を考えてみた。 一度にひとりしか入れない部屋のテーブルに大金が置いてある。部屋のドアには鍵がない。部屋に入った人間が金を手に取ると時々処刑される仕組みがあるが、その仕組みの存在は誰も知らない。

2017-05-12 11:00:49
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

誰かがたまたまこの部屋に入って、大金を持ち帰ってくると、それに気づいた人間が自分も金を手に入れようと集まってくるようになる。たまに処刑される者がいても、死体はこっそり処理されてしまうため、周囲の人間はその脅威には気づくことが出来ない。

2017-05-12 11:02:43
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

この場合、部屋の外にどれだけ人がいるかということは、被害額にはあまり関係がない。もし人が少なければ金の存在に気づく頻度も減るが、金の存在に気づけば、いずれ誰かが侵入してくるだろう。鍵のかからない部屋の中に大金を置いている限り、いつまでも金は取られ続ける。

2017-05-12 11:04:43
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

もしも、たまにしか作動しない処刑システムを改良して、作動頻度を上げれば、金が盗まれることは減るかもしれないが、金の存在に気づいて侵入してくる人間がいる限り処刑は続くので、いつか周囲の人間が死に絶えることも起こりうる。それ以前に、処刑システムが負荷に耐えかねて壊れるかもしれない。

2017-05-12 11:08:21
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

もしこのような部屋があったとして、持ち主が金を盗まれたくないと言っていたら、あなただったらどうアドバイスするだろうか?  大半の人間は「まずは部屋に鍵をかけろ」と言うだろう。その上で「金を盗もうとしたら死にます!」という警告をドアに貼ることを提案してもいいだろう。

2017-05-12 11:10:34
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

駆除だけでクマの被害を減らそうとするのは、この鍵の無い部屋の処刑システムのようなものだと私は考えている。そんな部屋に大金を放置するのが不用心なのであって、鍵をかけて侵入できなくしたり、部屋の中にある危険をわからせたりする対策を取らなければ、被害はいつまでもなくならないだろう。

2017-05-12 11:11:29
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

鍵の無い部屋の処刑システムは、被害を減らす効果が期待できないばかりではなく、部屋に入って金を取ろうとする人間を殺すための罠として機能しているともいえる。誘引して殺すという意味では、ゴキブリホイホイのようなものである。これがいま全国のクマが置かれている現状だと私は考えている。

2017-05-12 11:12:02
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

森から出てきて人里をうろつくクマを捕殺することは、捕獲する側の人間にとっても生命の危機につながるリスクの高い行為であり、殺される側のクマにとっては生命の危機そのものである。先ほどの例で言えば、部屋に鍵をかけることで互いのリスクが軽減されるのであれば、ますそれを行なうべきだと思う。

2017-05-12 11:15:53
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

補足説明。クマの場合は群れて行動しないため、目の前で仲間が捕獲されることで人間の脅威を学習する機会が少ない。さらに箱わなによる捕獲では、わなが作動して脅威を感じた時点で捕獲が完了してしまうので、学習する機会がさらに少なくなるという話をヒグマの研究者から聞いたことがある。

2017-05-12 11:36:38
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

そうを考えると、巻狩りでさんざん人から追い回された上で逃げ延びることが出来たクマは、人間の怖さを思い知って人里に近づかなくなるのではないだろうか。人間を恐れないクマが増えた原因はこの辺りにもあると思う。あとは、放し飼いの犬と野良犬の存在も、クマにとっては脅威だったと思う。

2017-05-12 11:40:52
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

やはり、クマの習性が自然に変化してきたというよりも、我々の生活様式の変化に対応してクマの行動が変わってきたのではないだろうか。そう考えた方が私には納得しやすい。

2017-05-12 11:47:22

クマ問題に対する私の基本的な考え方

桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

クマに対する私の基本的な考えを表明しておく。私はクマが人間の前に現れず、ひっそりと山で生きて、山で死ぬのであれば、クマがいくら増えても構わないと思っている。クマを殺したくないと思う気持ちはあるが、それは仕留め損なった時に人に危害が及ぶのが怖いからだという理由がかなり大きい。

2017-05-12 11:58:27
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

狩猟者としては、「必要があればクマを殺せる技術は持っているが、差し迫った必要がない限りクマは殺さない」というが理想だと思っている。自分でクマを見つけることも、撃つことも出来ない私は、まだ全然そのようなレベルにはないのだが、いずれはそうなりたいという気持ちだけは持っている。

2017-05-12 12:01:26
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

狩猟者が「自分は動物を殺せるけど、必要が無い限り殺さない」という考え方を持つことは、いつでも使える武力を持ちつつも、それを実際に行使しないことを誇る自衛隊のあり方に通じるのではないかと個人的には思っている。だから私は自衛隊の方々を尊敬しているし、家族にもそういう話は良くしている。

2017-05-12 12:11:43
桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

自衛隊が守っているものの大きさを考えると、「お前みたいなへっぽこハンターと一緒にすんな!」という石が飛んで来るかもしれないが、とにかく勝手に共感して応援しているという話である。この点に関しては、自分が政治的に右寄りだとは全然思わないな。

2017-05-12 12:19:31

結びにかえて ~いま知床で起こっている恐るべき事態~

桔梗屋@Deer Culler @r_kikyoya

車を降りてのヒグマの撮影、餌付け、追い払いを行う知床財団職員へのブーイングなど、ヒグマの人馴れを招くような、人間側の問題行動を取り上げた北海道のニュース。知床の現状に驚いた。 【MIKIOジャーナル】変わるクマ 変わるべきはヒト youtu.be/CLwdB5S5wsg

2017-05-13 00:14:54
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リンク YouTube 【MIKIOジャーナル】変わるクマ 変わるべきはヒト 4月、新しい「知床半島ヒグマ管理計画」が始まった。 クマによる人身事故を起こさないことが目的だ。 クマの行動は大きく変化している。 人慣れしたクマをどうすればいいのか? 変わるべきは、ヒトだ。 (2017.5.4 イチオシ!で放送) 227