【備忘録】国連人権理事会の特別報告者の個人の資格と権限を支える各種制度の解説+グテーレス安倍会談内容の実相 #共謀罪
- tkatsumi06j
- 5223
- 146
- 2
- 2
以上の権限及び義務を果たすために特別な便宜を図る制度が「特別手続き」という訳である。こうした制度的担保により,特別報告者(SR)は個人の資格でありながらも強力な権限と十分な予算を持って国家や機関と対等に渡り合えるのである。
2017-05-29 12:51:324.検証「グテーレス国連事務総長と安倍首相の会談」(その2)
国連事務総長スポークスマンの公式発表内容
【抄訳】国連記者クラブ所属の「ICP」が安倍・グテーレス会談に関する事務総長スポークスマンのストーメントを公開(2017.05.28) tmblr.co/ZkaXPk2M7lAZ1
2017-05-29 14:19:221.日韓合意について 「シシリーでの会談において,事務総長と安倍首相はいわゆる「慰安婦」の問題について協議した。事務総長は,本件は日本と韓国の間の合意により解決すべき問題であることに同意を示した」➡
2017-05-29 14:40:39➡「事務総長は特定の合意内容についてはとくに言及はせず,この問題の具体的な解決策は両国間で定めるべきであるという原則について述べるに留まった。」
2017-05-29 14:41:572.特別報告者の個人資格について 「特別報告者に関する報道について事務総長は,安倍首相に対し,特別報告者は人権理事会に直接報告を行う独立した専門家であると述べた。」 以上 pic.twitter.com/DtxZnCvNLl
2017-05-29 14:43:575.「国連の総意」が本来意味すること
国連機関で「総意」が形成される過程とは
【解説】「国連の総意」が意味すること 「個人の資格」については制度的解説も含めてこれ👇で論じきったと思うので,次に「国連の総意」なる,いまとなっては真偽も不明な国連事務総長の発言の真意を(事実だと仮定して)紐解くとしよう。 twitter.com/tkatsumi06j/st…
2017-05-29 18:13:40【解説】国連特別報告者の権限を担保する「特別手続き」制度とこれを支える「行動倫理規定」について twitter.com/tkatsumi06j/st…
2017-05-29 13:13:21「国連」における「総意」とは,必ずしも「国連の中で民主的手続きを経て得られた結果」という意味ではない。国連事務総長は,国連システム全体のスポークスマンとして,「国連の総意」を単独でも代弁できる。個人的見解として語ることも、事務総長として語ることもできる。
2017-05-29 18:15:42もしこれ(「総意」)が,読売国際版が報じたように「consensus(コンセンサス)」=大多数による同意という意味であるならば,たしかに,総会補助機関付のいち特別報告者が、いち加盟国に送付した質問状が,「コンセンサス」を得たものとは言い難い。
2017-05-29 18:17:03が,そんなものは特別報告者(SR)には得る必要もないということは,これまで説明した通りだ。SRの評価や懸念は,「国連の総意」である必要はない。それは後に醸成され,議論され、確定するからだ。
2017-05-29 18:17:43既に説明したように,特別報告者(SR)は国別・テーマ別の報告を人権理事会及び総会に対して行う責務を負う。プライバシー権に関するSRはテーマ別担当なのでテーマ別の報告のみを行うが,国別担当はこうしたテーマ別報告を統合した国別報告を作成する。
2017-05-29 18:19:00この「国別報告」がUPR(普遍的定期人権審査)の元となる。UPRでは審査国により審査が行われ,国別の全体報告のほかに,テーマ別の詳細な報告も行われる。ここに,特別報告者が入ってくる。
2017-05-29 18:20:27UPRの審査結果に基づき人権理事会は国別・テーマ別の勧告を採択し,これが一つの「コンセンサス」となる。上位機関の総会では国を取り上げて人権実績を評価することはしないが,テーマ別報告の中で各国の評価も公表される。
2017-05-29 18:21:24つまり,UPRを経て世界の人権傾向が把握され,この結果に応じて世界の人権状況の改善に必要な施策や提言を総会で提案し採択するのである。これが,もう一つのレベルの「コンセンサス」だ。
2017-05-29 18:21:58このように,特別報告者には報告する機関が2つあるため,それぞれの機関,レベルでのコンセンサス獲得が,「国連の総意」を獲得したと見なされる要件となる。 ここまで来るのには長い道のりがある。
2017-05-29 18:22:23したがって,「国連の総意」に達していないのは手続き上、プロセス上、当然で,また国連の議論が終結していないのに,事務総長が「総意」を代弁できるわけもない。だから,「国連の総意ではない」という発言が成り立つのである。
2017-05-29 18:23:15なので,仮に,千歩譲ってグテーレス事務総長が実際に「国連のコンセンサスではない」と発言したのであれば,それは上述したような文脈においてであると想定できる。原則や制度的な説明なのだ。
2017-05-29 18:23:55ただ,あまりにも当たり前のことなので,そのような発言を加盟国の首相に行ったとは思えない(思いたくない)。実際,もし発言したなら,愚弄ですらある。国連のイロハともいえるほどの初歩中の初歩の知識だからだ。
2017-05-29 18:24:16だから初めてこの報道を見たとき, 私は思わずこうツイートしたのだ。 安倍には何もかもイチから説明する必要があったんだろうなあ,と。(了) twitter.com/tkatsumi06j/st…
2017-05-29 18:28:426.「公開質問状」情報収集形式による対話
国際社会ではごく当たり前の対話形式になぜ激昂するのか
【解説】「公開質問状」という情報収集形式の適切さについて 国連人権理事会の特別報告者による「公開質問状」という形式が不適当だと主張するものが現政権内外にいるようだが,多くの特別報告者がこれまで,既に説明した「特別手続き」に基づき国際機関・政府機関・政府首脳に公開状を送っている。 twitter.com/tkatsumi06j/st…
2017-05-30 23:06:01さらにこれは,2016年4月に「恣意的拘束に関する国連作業部会」と複数の分野の特別報告者(3名)が薬物問題に関する国連総会特別会合に向けて総会議長とUNODC専務理事に向けたもの。 ohchr.org/EN/NewsEvents/…
2017-05-30 23:13:24