探偵の言っていることはよくわからないが 頼んだ仕事のせいで死人が出たと聞かされたマキは首を絞められているような苦しさを覚えた 「そんなに犠牲が出たとしても依頼料を増やさないつもりですか」
2017-06-03 17:17:04「ああ、増やさないね コレはコチラとしてもなんとしてでも探したくなったものだ、私たちは君の言う友人の情報からやっと目的の組織を見つけられるかもしれないんだからね」
2017-06-03 17:17:07「先に聞いておきたいんですがその組織って」 「信じられないと思うけど戦争兵器を作って売買してる組織 もちろん国が認めてない方法のね」
2017-06-03 17:17:20「…ということは、国はその存在を認めてないから隠すこともあり得るんですよね」 「ないとは言い切れないねむしろ国が援助してる可能性もなきにしもあらずだったりするわけだ」 まだ真偽はわからないけどねと探偵の声が楽しそうに聞こえた
2017-06-03 17:18:39「ゆかりさんはその組織に何らかの理由で連れ去られた可能性が高い、そして無事である可能性は極めて低い」 「兵器開発、ですもんね」 マキの声は揺らいだ ゆかりが兵器開発のためにつれていかれたなら きっと…と考えが色々巡ってしまう
2017-06-03 17:18:47「何があろうともゆかりさんの情報が掴みたいのは君もこちらも変わらない 今言ったことで揺らいでいるなら最後まで伝えないようにするがどうする」 「いいえ、全部、全部受け止める覚悟はできてます」
2017-06-03 17:18:55デバイス越しでもその声で本気だと理解した 「ゆかりという子もきっと泣いて喜ぶよ君の友達に対する思いは強くて何の濁りもない、美しいものだ」
2017-06-03 17:19:03「そう言っていただけるのは少し励みになります」 マキの声は少しだけ調子がおかしかった きっと少しだけ自分は異常だと思った節はあるのだろう ゆかりへの気持ちが抑えられないことも そしてこれは恋ではなく…
2017-06-03 17:19:21…… 「おはようゆかり」 「あと五分…」 「五分で済まないことは知ってる、ほらさっさと起きなさい試験があるのだから」 ゆかりは水槽に浮いていたが体をUFOキャッチャーみたいな物で掴まれ水揚げされた
2017-06-03 17:19:38まだぼーっとしているゆかりを起き上がらせると頬を摘んで起きたかと白衣の人間は聞いてきた 他にも人間がいてゆかりに注目している 中には少し息の荒い人がいたきしたが・・・ 「大丈夫・・・まだ眠いけど 試験する 着替えるの?」
2017-06-03 17:19:50「裸のままでやってもらうよ」 「ちょっと恥ずかしいね・・・」 ゆかりはマスクを付けられて大きな水槽から降ろされ 部屋を移動していく
2017-06-03 17:19:59代わり映えのしない廊下と壁が延々と続いている中を歩かされあくびが出た ゆかりがまたウトウトし始める頃に目的の部屋についたのか扉の前で人間が話し込んでいる 「もうついた?広いところ?」 「あゝこの施設内で一番広い部屋だ」
2017-06-03 17:20:10ゆかりは部屋にはいるのを少しだけ楽しそうにしていた ドアが開くと少し空気の流れを感じる 向こうの壁が見えないくらいに広い場所だった 「すごい!」 ゆかりは掴んでいた手を抜けて走り出した 「あ!まったく…ゆかりを捕まえてくるから出入り口、監視宜しく」
2017-06-03 17:21:05ゆかりペタペタと走り回ってはしゃいでいる 試験のことなど忘れているようだ 「ゆかりー戻っておいで 早く始めないと 怒られてしまうよ」
2017-06-03 17:21:13ゆかりは少しだけ迷ったが白衣の人間にもとに戻ってきてごめんなさいといった 「じゃあマスクはずすからじっとしててね」 ゆかりのマスクが丁寧に取り外されまたなにも顔についていない状態になると 大きな深呼吸をして頭を振る
2017-06-03 17:21:26「試験早くやろう」 「私は部屋から出るから頑張ってくれよ」 白衣の人間が扉からでてロックが掛かるとアナウンスが流れて少し高い窓が見える
2017-06-03 17:21:44それをみていたらいつの間にか走るコースが出来上がり、ゆかりは誘導された 「直線と一周するコース 先に直線…」 スタートラインにゆかりがたった
2017-06-03 17:22:01ゆかりはストレッチし いつ走ればいいの?と窓の奥の人間に言う いつでもいいと言われたあとゆかりはたったその姿勢からいきなり走り始めた きっと彼女は普通に人間での感覚で全力を出したのだろう 40キロのスピードで走った 端まできたので止まろうとしたが急に止まろうとして
2017-06-07 02:11:58「あゝ床が滑るよ」 止まれずにコロコロと転がっていく… 安全な場所から覗く人間たちはその様子を見てため息を付いていた
2017-06-07 02:12:14「カッコ悪いねこれはとてもカッコ悪い」 立ち上がり少し痛む体をおさえながら集中し そのあと走り出せば床を抉りながら走り始める 「みろ部分的変異を完璧にこなして走ってるぞ」 両足は黒く変色し右腕の症状が両足に現れたかのように たまに見える赤い色が脈打った
2017-06-07 02:12:55スピードは先ほどの二倍、80キロで 一周ぐるっと回ったあと床をを抉りながらブレーキをかけていた 「短時間で自分のやりたいことを再現できるようになるとは流石 自分の意思でコントロール出来るからこそだな」
2017-06-07 02:14:17「今まで他の生物、人間で試したがこううまくいくことはなかったからね…サァ次のテスト行ってみようか?」 ゆかりはえぐった床を直そうと瓦礫をつかんで積み上げていた
2017-06-07 02:14:28ゆかりは積んだ瓦礫をおいて 言われた通りに次の測定場所にとことこ歩いていく メモリが書いてある壁の横にたち 「とぶよー?いい?」 と飛び上がった 想定されていたのは10メートルだったが 彼女はそれ以上飛び上がり天井に頭を打ち付け墜落した
2017-06-07 02:14:44