ラノベ作家とイラストレーターのボーイミーツガール

10年越しのジュブナイル
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帽子男 @alkali_acid

なんかさーラノベ作家とイラストレーターのボーイミーツガール小説というのはどうかな

2017-06-04 18:57:12
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 新しく始まったネット小説に惚れた絵描きの少年がイラストを描いて送ったら、すぐに掲載してくれて。話はすごく面白いし、自分の絵の評判もいいので嬉しくなって、受験勉強とかもそっちのけで描きまくっちゃう

2017-06-04 18:58:51
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid そんで「コミケで会って話しませんか」みたいな感じになって、東京出てきて。相手の正体がひとつしたの女の子だと知ってしまい衝撃みたいなところから始まる青春もので

2017-06-04 18:59:47
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid ヒロインにはさっそく出版の話が来るんだけど「書籍化するなら、絶対に**さん(主人公のHN)じゃなきゃだめです!」みたいに言うから「ぼ、僕には無理だよ本の挿絵なんて」みたいにとまどう

2017-06-04 19:00:53
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「だって…もう**さんの絵が、私の物語の一部なんです。**さんの絵をみてるうちに、どんどんお話が変わっていって…だから」「うん…」みたいな感じでこう、でも親はちゃんと勉強してんのかみたいに言ってくるし、だんだん隠しきれなくなってばれちゃうと大反対が

2017-06-04 19:02:40
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 親の反対と、出版社の難色とかあって、最後は編集者がわざわざ東京から少年のところにやってくる。 「正直にいいます。君の絵は嫌いじゃない。でも**さん(ヒロイン)の作品には釣り合ってない。力不足です。それがこの作品の商業デビューで足を引っ張ることになる」」

2017-06-04 19:05:56
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「彼女は意地になってる。君しか説得できない」 「僕は…僕だって」 「たぶん君の絵はあと10年したらそれなりのものになると思う。でも文才と画才の成熟にはずれがある。彼女には今しか書けないものがある」 「…っ」

2017-06-04 19:07:46
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「うすうす気づいてはいるんでしょう?君の絵が釣り合ってないことに」 「じゃあ…誰が担当するんですか」 「**先生」 と編集者は、少年にとって憧れのイラストレーターの名前を口にする 「うそ…」 「普通新人の挿絵には起用しない方だけど…」

2017-06-04 19:09:28
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「アニメにゲームのキャラデザ、それに漫画も描いてるから。めちゃめちゃ忙しい先生だけど、でも頼めば多分やってくれる。今度のは伝説の作品になる」 「僕…」 「見たくないか?彼女の作品が花開くところを」

2017-06-04 19:11:25
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「…とりあえず彼女が暴走してネットで変な打ち明け話とかしないようにしてほしい。それだけは頼む」 「…えっと、はい」

2017-06-04 19:12:57
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 主人公は、最後に出版用のキャラデザを試みる。親に怒鳴られて逃げ出して、ファミレスで描いて、スマホで撮って彩色して 出版社が予定しているイラストレーターのキャラデザと比べると勝負にならない。子供の遊びと大人の仕事 それでもヒロインは主人公の絵が良いと。

2017-06-04 19:14:53
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「ごめんやっぱ描けなくなった…」 「なんでですか」 「受験あるし…」 「でも…じゃあ出版やめます。別に」 「それだめでしょ。だって…俺見たいし。**さんの小説が本になって、アニメになって、あとゲームになって…漫画になって…」 「だったら」

2017-06-04 19:16:41
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid けっきょくヒロインは著名イラストレーターの挿絵でデビュー。出版社の見込みどおり、見込み以上に伸びていちやく流行の作品になる。 主人公は受験に失敗するけど、ふっきれて親の反対を無視して、東京のイラスト系の専門学校に行く。教育ローンとバイトで何とか。

2017-06-04 19:21:35
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 同じ学生仲間でルームシェアしてまあかつかつ暮らしてる。ほかはたいてい親の仕送りがあるので主人公が最貧乏 「お前の絵見たことある」 とか言われる 「あの小説のWeb版で載ってたやつじゃん。俺好きだったわ」 「まじか」 「けっこううまかったよ」

2017-06-04 19:23:27
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid ひたすら絵の勉強にうちこむので成績がよく、いちおうそんな専門学校にも奨学制度というのがあり、それで多少暮らしが立つ。 バイトは配送、引っ越しとか色々だが、カフェチェーンのキッチンで黒板に絵描いたりするのが好評でそこが長くなる。

2017-06-04 19:26:31
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid ネットであまり絵は出さない。出せない。出せばひょっとしてヒロインの目に止まってしまうかもしれないから。 「もったいねえしSNSとかに投稿すればゲーム会社とかから発注くるかもよ」 「まだいいわ」 「まだってどんくらいだよ」 「**先生ぐらいになったら」

2017-06-04 19:27:57
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid ヒロインの小説の挿絵をやってる先生の名前をあげてルームメイトにドン引きされる 「夢がでけえ」 「へへへ」 「まあ頑張れよ。お前すげーうまいからさ」 「てれる」

2017-06-04 19:28:47
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid そんな専門学校に特別講師としてヒロインの小説のイラストレーターになった先生が来る。会ってみると若い。 ちょっと太めで、おとなしそう。でも絵の話をしてるとかなり理知的で整理して説明してくれてすごい。

2017-06-04 19:30:09
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid それぞれの学生の作品も見てくれて直した方がいいところを嫌味なくスパスパっと指摘してくれる。一件ぼんくらオタだがプロといオーラがある でも主人公の絵見て 「もしかして**先生のWeb版の挿絵描いた人でしょ?」 とまた言われる

2017-06-04 19:31:22
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid ヒロインのペンネームを出されてびびる主人公 「そっか。なんでやめたの?」 みたいに聞かれる。なんだかんだで授業のあとファミレスで飯食いながら話し込む。

2017-06-04 19:32:30
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「いや僕じゃ力不足で…」 「つか俺のデビューしたとき君より下手だったけど」 「え、そんなこと」 「知らない?一回ペンネーム変わってて…まあいいか」

2017-06-04 19:33:16
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 書籍化のときキャラデザ対決をして負けた話とかをぼそぼそするとイラストレーターが引く 「まじそんなことやったんだ…え、そういう使われ方すると思ってなかったわ…うわーあそこの編集の**さんめっちゃ腕いいけどラノベの悪役みたいなことするからな…」

2017-06-04 19:34:51
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「え、じゃあ」 「**先生といまは結構仲良くしてるけど、最初すっごい冷たい感じでまじビビったけどそういう経緯だったんだね」 「はい…」 「まあ編集の**さんも悪気ないんだよ。あそこラノベの新レーベル立ち上げでとにかくヒット出さなきゃみたいな」

2017-06-04 19:36:19
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 「はい…」 「そっか…俺実はWeb版の挿絵好きだったよ。割とキャラデザも踏襲してる」 「知ってます…それはOKって言いましたから」 「うん。今度**先生と会わない?」 「いや…」 「いっぺん会った方がいいと思うよ?」

2017-06-04 19:37:41
帽子男 @alkali_acid

@alkali_acid 主人公はヒロインの出す新刊は全部買ってる。ほとんど生活費以外お金使わないなかで唯一の出費。 ファンアートもいっぱい描いてる。でも発表はしない。自分の創作も進める。でも発表はしない。

2017-06-04 19:40:37