クラーベのお話

オルケスタ・デ・ラ・ルス現トロンボニストの相川さんによるラテン音楽におけるクラーベについてのお話。
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Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

クラーベの話。突然の補足。 緊張と緩和がすべての音楽の要素ごとにあるんですが、そのそれぞれの要素の緊張度、緩和度はその場面で加算されると思ってもらえると考え易いのです。 つまり、リズム的な緩和、和音的な緩和、メロディ的な緩和、他が重なった場面は1番緩和度が高くなります。

2017-07-04 23:16:01
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

実際の例えをすると、クラーベが2の部分で和音がトニック(キーがCメジャーならCのトライアード)でメロディーがCの伸ばしとかはかなり緩和した小節になると言う事です。 同じメロディ、和音でもそこが3だと少し緊張度が上がる訳です。

2017-07-04 23:21:11
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

そして、緊張度が上がると(その場面での緩和の要素が減れば減るほど)終始感が弱いので、終わらない(終われない)感じが強くなる事になります。

2017-07-04 23:27:23
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

具体的な話をすると、2の部分でトニックの和音上の時、終始感を強くしたくなければ、メロディの音をテンションノートにしたり、リズム的にシンコペーションをさせると緩和感を抑えることが出来ると言う訳ですね。

2017-07-04 23:28:42
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

通常のクラーベと6/8のクラーベは共通な感覚を持つのが大事なのですが、そのためにはソン・クラーベでは無く、ルンバ・クラーベの方が扱いやすいのです。 その共通な感覚を掴んでからソン・クラーベにフィードバックさせるとグルーブの理解がしやすくなります。

2017-07-05 18:39:49
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

その共通な感覚にとってポイントになるのが2の1つ目です。

2017-07-05 18:41:06
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

クラーベのそれぞれの音符の位置を分解すると、オンビート(1=3)、2頭=4頭、2裏=4裏、の3種類です。 1裏=3裏だけありません。 まずはあるものの同じ位置の音符は同じ様に表現する様に出来ないといけません。 それと、無い位置の音符も意識出来るようにしなければいけません。

2017-07-05 19:10:47
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

それで言いたい大事な事とは、クラーベと言うリズム(フレーズ)に囚われ過ぎて、それぞれの音符の位置が変な位置になっていてはいけないという事です。 ただし、その先にグルーブというものがあるので、メトロノームに対して正確で無ければいけない、のとはまたひとつ違う次元の話です。

2017-07-05 19:45:56
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

正しく(と言うと少し語弊がありますが)表現されてないノリの悪いクラーベ(やリズム)をキューバ人が聴くと「跳ねてる」と言います。 これは文章で表現していると誤解を生じる恐れもありますが、「落ち着きが無い」という意味と考えて良いと思います。

2017-07-05 19:53:49
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

6/8とルンバのクラーベで共通な感覚を持つための大きなヒント。 先に説明した3の前2つと3の3つ目から2の2つをそれぞれ繋げて感じる必要性、必然性を説明したものです。 これはクラーベの話の中でも相当核心の話です。 大サービスですね‼️ コレだけで、わかる人は色々解るはず。 pic.twitter.com/LnPXRhK1Pz

2017-07-06 06:48:56
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Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

さて6/8とルンバクラーベの関連を示した訳ですが、さらに必要なのはその両者を自由に行き来出来るかです。 どこをどうすれば良いのかは研究して下さい。 直接なら教授します。

2017-07-06 21:52:49
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

6/8とルンバクラーベを行き来するという事はキューバのポリリズム感にも関連して来ます。グルーヴにも深く関連してきます。 グルーヴに対しての理解も必須になってきます。

2017-07-06 22:11:17
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

質問を受けたので補足しておきますと、6/8とルンバクラーベを自由に行き来するというのは、1つのテンポ上で叩き分けがスムースに、移り変わりの「区切り」無く出来るかどうかです。 という事は、両者の共通点、ボーダーライン、グルーヴのポイント、を理解しておく事が必要になってきます。

2017-07-07 08:25:18
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

「ソン」と「ルンバ」のクラーベ、キューバで厳密な住み分けがされている訳では無く、発展がそれぞれ、ソンから、ルンバからという事です。 「ソン」と言いながらルンバクラーベをやっている事もあります。 逆にルンバの中でもテンポの遅い「Yambu」はソン・クラーベです。

2017-07-07 09:11:53
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

以前のツイートにも書きましたが、ソンクラーベは8ビート、ルンバクラーベは16ビート、のように、パルスの細かさ(シンコペーションの細かさ)の表現の違いで使い分けると考えると解りやすいし扱いやすいです。 特に近代のキューバ音楽はパルスが細かく、ルンバクラーベの方がマッチしやすいです。

2017-07-07 09:17:44
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

以前「テンポが速ければルンバクラーベって聞きましたが?」と訊かれました。結果から言うとあながち間違いでは無いんですが、「速いから」が直接の理由では無く、そのテンポでグルーヴするには?の選択が必要です。境目はハッキリ決まっている訳では無いので。

2017-07-07 09:30:38
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

ラテン音楽、特にキューバのもので考えると、基本的に多層的なリズム(パターン)が組み合わさって成り立つという仕組みの上に成り立っているためか、そこに乗るメロディのリズミックなアプローチは思った以上に自由ですが、そこであえてクラーベ感をどう出していくかが1つのポイントです。

2017-07-08 08:09:11
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

クラーベとメロディの関係性を決定づける(2-3,3-2どっちのクラーベにするか、メロディをどう作るか)要因としては、クラーベと合う気持ち良さや、呼応し合う気持ち良さが基本にあり、それはクラーベを身体で解っている人が自分基準で考える事がほとんどです。 一定の法則はありますが。

2017-07-08 08:19:03
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

そして、メロディなどのリズムが2-3,3-2どちらになるのかは、メロディのワンフレーズの中のトータルなバランスで、どこがよりそのクラーベらしい場所なのかで決まる事も多いです。 それは言い方を変えると、2になるポイントを1箇所作り、それ以外の部分を3で作る、とかです。

2017-07-08 08:33:04
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

先にも書きましたが、ラテンリズムは多層的な組み合わせで成り立っているため、その一部分だけに音符を乗せた場合、それだけ抜き出すと、3の部分なのに2を示唆するようなリズムになる事があります。 これは全体との組み合わせで3に感じられる事を理解する事が大事です。

2017-07-08 08:49:44

感想へのフィードバック

Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

クラーベの話はそこそこの反応を頂いていますが、ここで書けることは全体の2/3位でしょうか。それ以上は理由があって書けません。 中途半端という感想もあるようですが、中途半端にしてるんです。 あと、演奏用、編曲や研究用など両方ごちゃ混ぜに書いています。 続く。

2017-07-17 18:08:17
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

続き。 難しい、演奏はあくまで体感だ、と言う意見もありますが、体感を得るための補助としてこのような知識を持つと、会得する効率が俄然上がると思います。 そんな意見も直接もらえればと思っています。

2017-07-17 18:11:36
Hitoshi Aikawa @aypi_delaluz

続き2 また、体感が大事だと言うのはその通りです。 このような考えを噛み砕いた上でさらに感覚で演奏出来るようにすれば1番良いです。

2017-07-17 18:18:46