☆安田章大【嫉妬】

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蒼いの∞妄想部屋(月の間) @daikyury

【嫉妬 1】 『…っ、うぅ』 「…」 声にならない声をあげて 飛び起きた私 隣りの章大が 眉間にシワを寄せて 呻き声をあげた そっと 体を起こして 章大の頭を撫でた 舞台が幕を開け 更に忙しく ハードな日が続いてる お稽古で かなり痩せた きっと もっと 痩せるだろ

2017-05-31 10:59:12
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【嫉妬 2】 今、どんな夢みてたの? その夢には私はいる? 章大が大きなお仕事をする度 私はどこか置いてきぼりされてるみたいで 私、邪魔じゃない? 隣りにいていいの? 繰り返される自問自答 ねぇ… 『おまえがえぇの ずっと傍におってぇ…』 いつも言ってくれる台詞

2017-05-31 10:59:15
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【嫉妬 3】 私はその台詞を聞く度 子供みたいに拗ねた顔して 小さく頷く ねぇ…章大… 我儘な私は お仕事だってわかってても 不安で怖くて泣いてしまう いつか、本当に お芝居じゃなくて あの人の手を 取ってしまうんじゃないか って…… 『アホ』 って笑ってよ、章大

2017-05-31 10:59:18
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【嫉妬 4】 だって 舞台の上の章大は すっごくキラキラしてて なんだか自分でも 持て余す気持ち 眼が冴えてしまって 章大の頭を撫で続けた 『__なん?』 低く掠れた声 「あっ_」 『どないしたん?』 顔をこちらに向けて 気だるそうに聞いてきた 「何でもないよ」

2017-05-31 10:59:20
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【嫉妬 5】 『…そか』 そのまま眠るのかと思ったら 『よっ』 のそりと体を動かした章大 慌てて頭を撫でるのを止めた 両手を伸ばして 私の腰にまわす お腹に頭を乗せて 目を瞑った章大 『俺…ここ好き…』 「章大…?」 『おまえのここ』 子供みたいだ また頭を撫でる

2017-05-31 10:59:23
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【嫉妬 6】 黒くなった髪 さらさらとすべる手 「(お仕事だけど嫌なの)」 何度、喉からでかかったか 何度、飲み込んだか でも それ以上に 章大の体が心配 満身創痍 全力投球 求められたモノに 120%で応えたい そんな章大だから 今はワガママは言えない

2017-06-10 01:14:33
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【嫉妬 7】 『…なぁ』 「…ん?なに…?」 『明日…』 「ん」 眼を瞑ったまま お腹に顔をのせたまま 『スタジオ収録1本だけなんよ』 「あー…そっか、舞台お休みだもんね」 『せや』 よかった…明日は少しゆっくりできるんだ 『ん…せやから…なぁ…ゆっくり話さへん?』

2017-06-10 01:14:36
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【嫉妬 8】 「…章大」 『なぁんか…ゆっくり色んな事、聞いてほしいんやけど…えぇ?』 「もちろんだよ」 章大はお腹に顔をのせたまま ゆっくりゆっくり 話し始めた… 『あんなぁ…』 一昨日みた夕焼けがめちゃくちゃ綺麗だった、とか すごく美味しい差し入れを貰った、とか

2017-06-10 01:14:39
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【嫉妬 9】 マネージャーに買ってきてもらった珈琲がめっちゃ苦かった、とか 昼公演と夜公演の間に作曲してた、とか ゆったりゆったり 時間を忘れて いっぱいいっぱい 話した 『…はぁ』 「…喋り疲れた?」 『んー…せやなぁ…今度はおまえの話 聞かせてや』 「私?」 『せや』

2017-06-10 01:14:42
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【嫉妬 10】 「…ん 特にないよー」 「それより章大の話 もっと聞かせてよ」 『うそやん あるやろ?言うて?』 顔を私の方にむけて 真摯な眼差しで問いかける 『なんでもえぇよ?』 「…」 『昨日の朝メシは?』 「…卵かけ御飯」 『そか ほな昼メシは?』 「お友達とパスタ」

2017-06-10 01:14:44
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【嫉妬 11】 『何味のパスタ?』 「メランザーネ」 『…なんや、それ(笑)』 『んー…せや よっこらしょ』 章大は起き上がって 背中から私を抱きしめた 章大の匂い 章大の吐息 『…もっと…聞かせて?』 『ほんまは言いたい事あるやろ?』 見えなくてもわかる 笑ってる章大

2017-06-10 01:14:47
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【嫉妬 12】 『寂しいんやろ?』 「…」 『俺は寂しいで?おまえとゆっくりできんくて』 「……ん」 『一緒にメシも食われんし 酒も飲めへん』 『今日あった話もできへん』 「……ん」 『こーやって くっついたりもできへん』 「……ん」 『パンツも自分で探さなぁアカンねん』

2017-06-10 01:14:50
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【嫉妬 13】 「パン…ツ?」 『せや、パンツや探しとる時 めっさ寂しくなんねん』 「……なんで?」 『なんでやろなぁ…?(笑)』 「章大…」 首筋に顔を埋め クンクンって匂いを嗅ぐ章大 『…ん、』 『これ、この匂いやぁ…』 ふふ、擽ったい 匂いを嗅ぎながらスリスリする

2017-06-10 01:14:52
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【嫉妬 14】 背中から抱きしめる章大の腕が 心なしか細くなったような 「…章大…ご飯…食べてる?」 『んー…食うてるよぉ』 「本当…?」 『おん』 「たくさん?」 『…ん…ちっと…かなぁ』 「ちょっと…?」 『タイミング…やな』 『舞台中は食うタイミングが、なっ』

2017-06-10 01:14:55
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【嫉妬 15】 きっと気まずそうに 笑ってるはず 「章大…痩せちゃった、ね…」 『せやな』 「心配…だよ」 『だーいじょぶやって』 「章大…」 『んー?』 「どこにも行かないでね」 「私を置いて行かないでね」 『ん?どこに行くん?俺(笑)』 「私を捨てないで…」

2017-06-10 01:14:58
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【嫉妬 16】 『えっ?』 『なっ、捨てるって、』 「章大…」 うまく言葉にできなくて 俯いて飲み込んで どんどん気持ちが堕ちてゆく 『アホ(笑)』 『お前が捨ててくれ言うても捨てんわ』 抱きしめる腕が 少し強くなる 「章大.…」 「章大は…章大、だよね…」

2017-06-13 23:11:30
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【嫉妬 17】 『へっ?』 「怖いの…」 「章大が章大じゃないみたいで」 「章大がずっと章大に戻らなかったら…」 「あ、の…」 胸の奥のすっきりしないモノが 漏れ出てくる 『えぇよ、言うて?』 「…章大が、舞台のコージのまんまだったら…」 「でもコージは素敵で…」 『ん_』

2017-06-13 23:11:33
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【嫉妬 18】 「だから章大はすごいんだけど、」 「でも章大は大変そうで、」 「なのに楽しそうで…もっとかっこよくなってるし、、」 「どんどん遠くに行っちゃってるみたいで…私、邪魔っけなのかなって…あー!」 支離滅裂だよ… 『…』 『…好き?』 「えっ?」 『俺の事…』

2017-06-13 23:11:36
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【嫉妬 19】 「ん…」 『大好き?』 「大好き」 『俺も』 ……ぎゅうって ……痛いくらい ……章大の腕の中 『それで充分や…』 『俺が惚れとるのはおまえだけや』 『俺、安田章大の女はおまえだけ』 「_ん」 『えぇか?生涯おまえだけやからな』 そう言うと耳朶を噛んだ

2017-06-13 23:11:39
蒼いの∞妄想部屋(月の間) @daikyury

【嫉妬 20】 「ひゃっ、」 びくっと肩が揺れた 『さーて一勝負したいとこやけど、もうちょい寝かしてな』 「えっ、」 『おやすみなぁ~』 ニヤリと笑って お布団に潜り込む章大 すぐに穏やかな寝息が聞こえてきた さっきのように 眉間にシワはない そっと章大に ふれてみる

2017-06-13 23:11:42
蒼いの∞妄想部屋(月の間) @daikyury

【嫉妬 21】 そしてお布団から見えてる手に そっと手を重ねてみた 小さな擦り傷とか 痣とか 「章大…」 「章大が大きなお仕事する度、私、ドキドキする」 「絶対全身全霊で頑張るのわかってるし、」 「そして、そこにのめりこんで、章大が章大じゃないみたいに感じるの…」

2017-06-13 23:11:45
蒼いの∞妄想部屋(月の間) @daikyury

【嫉妬 22】 「章大だけ、遠いとこに行っちゃうみたいで…」 「それにどんどん痩せちゃうし、章大がいつの間にかコージになっちゃうんじゃないかって…」 「それぐらい素敵なお仕事してるの、わかってるんだけど…」 「だから、心配だし、でも、なんか悔しいし、だけど、怖いし…」

2017-06-13 23:11:48
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【嫉妬 23】 「あー…もう、なんか、よくわかんないよぉ…」 はぁ… 一つため息 『全部、言うた?』 布団の中の章大が パチリと目を空いた 「えっ?あっ?ふぇ?」 『ほんま、そんだけ?』 本当に言いたい事は 飲み込んだまま 俯いてしまった… だってつまんない事だから

2017-06-13 23:11:50
蒼いの∞妄想部屋(月の間) @daikyury

【嫉妬 24】 章大は起き上がって ぐいっと抱き寄せ 耳元で囁いた 『……』 何か言おうと 開きかけた唇に 章大の唇が重なる 「っ、ん」 『アホぉ(笑)』 『俺は章大やしコージやあらへん』 『つまらんヤキモチやかんでよろし』 「うっ…な、なんで…」 『なんでもお見通しや』

2017-06-13 23:11:53
蒼いの∞妄想部屋(月の間) @daikyury

【嫉妬 25】 『…せやけど』 「…けど?」 『もうちょいコージでおらせて?』 『まだコージで走りたいねん』 「章大…」 『俺ん中のコージが…』 「…コージが?」 『まだまだや、言うとんねん』 『まだ走れ、』 「…コージったら(笑)」 ふふって、笑った 章大は魔法使いみたい

2017-06-13 23:11:56