#8「望とノゾム」　フォビドゥンフォレスト５話「選ばれし者、選ぶべき者」

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

まとめを更新しました。「#7「四羽の若鳥③」　フォビドゥンフォレスト５話「選ばれし者、選ぶべき者」」 togetter.com/li/1117734

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

●●●●■■■●●◆▲● twitter.com/fbd_forest/sta…

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

感想・実況タグは #禁森感想 でお願い致します。

2017-02-05 01:03:33

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

フォビドゥンフォレスト５話「選ばれし者、選ぶべき者」 「#8「望とノゾム」 （セクション題は変更しました）

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

（前回までのあらすじ：俺は片桐。田舎町の風科に住む高１だ。俺達の町の北には人を襲う妖怪共が出る禁忌の森がある。俺は僚勇会って組織で幼馴染達や大人と一緒に奴らと戦っている。今は週末の作戦に向けて準備を進めている。森の中に拠点を作り、最近続いた異常事態を調査する為だ）

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

（昨日は俺の武器の強化の依頼をしたり、戦闘訓練をした。つまり裏の準備だ。今日は表側の準備をしなきゃらねぇ。二重生活の厄介なところだよな）

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「へぇ。じゃあ無事にクリアできたんすね」 俺はパソコンに打ち込みをしながら、向かいの藤宮先輩に言った。俺達は長机を４つ長方形に配置して座っている。 「ああ、お陰様でな。今は次のアルパカの町に着いたところだ」 「そっすか…」 町の名前が微妙に違ぇが、俺はあえて指摘しなかった。 1

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「大丈夫っすか？今度は大人の言いつけを破っていいんすからね」 この人は前回、大人が入るなと言った最初のダンジョンに律儀に入らず、イベントが進まなかったという負の実績がある。 「…ネタバレはよしてくれ」 先輩は書類整理の手を止めて鋭い目で俺を見た。 2

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「ええ～…」 本編の内容には触れてねぇのに理不尽な…。つっても先輩は本気で怒ってはいゃねぇ。口元が１・２ミリ上がってる。あれが笑っているうちに入ると分かるのに数ヶ月は掛かったな。 「しかし装備品が一気に値上がりしたな…」 「武器は一番良いの買えるまで金貯めたほうがいいっすよ」 3

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「そうか…それと、やはり防具より武器を優先すべきか？おおよそのダメージ計算式は把握したつもりだが」「まあ敵を倒せばダメージ喰らわねぇですからね…計算式？」 聞いてみると、装備をつけ外したりしながらダメージ量の統計を取って式を割り出したそうだ。 4

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

…普段全くゲームしねぇ人が初見プレイでどうしてそんな発想に至るんだよ…。 「あと道具屋だけは昼の内…休む前に買ったほうが良いっすからね」 危ねぇ。主人公の子供時代は基本夜にならねぇけど、このイベントは例外だとバラす所だった。面倒なことに道具屋だけ夜はやってねぇんだよな。 5

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「取り敢えず薬草類は買えるだけ買ったが…？」 先輩は書類の束をプラケースに入れ、次の束に取り掛かった。俺ももう一息で一区切りつく。 「金は大丈夫っすか？」 「ああ、確か今は１０００くらい残っている筈だ」 「なんで！？」 思わず腰が浮いた。最初のダンジョンで何でそんな貯まる！？ 6

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「うるさいぞ、片桐」 久浦が文句を言う。俺の右側の机で朝来と椅子を並べて、連携して打ち込み作業をしている。 「悪ぃ…てことは先輩相当洞窟探索しましたね？」 俺は軽く頭を下げて会話を再開する。作業もな。 「宝の取り残しがあるといけないと思ってな…」 7

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

どうも、この人は町の中同様に、洞窟でもマップチップ一枚づつを調べに調べたらしい。何も無ぇ地面には何も無ぇのに。俺は先輩よりもむしろ前回の時点でそれを言っておかなかった自分に呆れちまった。 「て訳なんで、足元はもう調べねぇで良いですから。っと」 俺の左肘が鳩寺にぶつかった。 8

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「すみません！」 鳩寺が勢いよく頭を下げる。風が俺に当たる。 「いや、いいけどよ…謝るより先に気にしたほうがいいことがあるだろうが…」 ぶつかった理由は、俺が先輩と話してた上にちょうど作業に蹴りがついて集中が切れたせいもあるが、他にもある。 9

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「はい…」 鳩寺は俯くと懐からスッと財布を取り出し、中から紙の金を多分全部出した。それを俯いたまま両手で俺に差し出す。 「金じゃねぇよ！？」 手で鳩寺を遮る。 「…こんなことで慰謝料取るかよ…逆に迷惑だぞ…ヤクザか俺は…見ろよホラ」 周りを見るように手で示す。 10

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

皆が『そんな人だとは思わなかった』みてぇな顔で俺を見ている。いや、絶対分かっててその顔してんだろ！？ 「違ったのか…！」 「黙ってろ久浦、内臓売り飛ばすぞ」 真剣な声でおちょくって来た久浦にガンを飛ばす。野郎、すました顔と口調のままで俺をからかってくんだよな…。 11

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「ヒィィィッ！ご、ごめんなさい！！」 「売らねぇよ！」 鳩寺が何度もブンブンと頭を下げる。俺を何だと思っていやがるんだこの後輩は。俺は浮かしかけてた腰を椅子に付け、深く息を吐いた。 「あのな、話し込んでた俺も悪かったし、それはもういいけどよ…お前な…」 「はい…」 12

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「近いんだよ！！」 俺達の間の空間を指指す。実は肘が当たったのは今日三回目だ。長机はただ座る分には三人で余裕だが、作業しながらだと卓上が狭いんで二人づつで広く使ってる。なのにコイツは異様に近い。俺が右半分全体を使ってんのに、コイツは四分の一くらいしか使ってねぇ。寄り過ぎだ。 13

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

話を続ける前にいま生徒会室にいるメンバーを説明しとく。まず入口側に俺と鳩寺。向かって右に恵里、反対側に久浦共、俺の向かいに藤宮先輩と金枝先輩だ。会長とラッタはそれぞれ別の用で後から来る。瑠梨はアイドルの仕事で、憐治のやつは部活でいない。鳩寺は手伝いだ。 14

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

手伝いと言えば新司も来たがったが、病み上がりだから休めと無理やり押し留めた。金曜は無理して出席してたからな。実際、急ぎの仕事は終わってる。同じ月曜でも先週より人が多いのは、週末の作戦とその事後処理で来週が忙しくなるからだ。２月後半以降の仕事も前倒しでやっちまおうって訳だ。 15

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

普段ならＳＮＳとクラウドの共有フォルダで作業をやっちまうから、無理にメンバーを集める必要もねぇんだが、やっぱり集まったほうが早ぇからな。…だからって密着する必要は全くねえんだがな…。 「すみません…」 鳩寺は左へ移動した。５ｃｍくらい。 「いや変わんねぇよ」 16

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

その後も鳩寺がちょっとずれては俺が足りねぇと言うやり取りを数度繰り返し、ようやくＡ４の教科書の長辺の分くらいどかすことが出来た。どかしてみて改めて近過ぎたことに気づいた。何なんだよ…？俺は気を取り直して作業を再開した。そして１０分ほど経った。 17

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

フォビドゥンフォレスト５話「選ばれし者、選ぶべき者」 「#8「望とノゾム」終わり 「#9「望とノゾム②」に続く

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「「#8「望とノゾム」　フォビドゥンフォレスト５話「選ばれし者、選ぶべき者」」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1120829