
SFの、いわゆる「バリヤー」の元祖は何だろう?~初出探偵カスガの事件簿
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gryphonjapan
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【プロローグ】
もとは「宇宙戦争」とその映像化のアレンジついての話でした。

【プロローグ】この話題から「宇宙戦争」の話になったのですね。 以下コメント欄を転載 『科学の進んだ星の侵略者が、なぜ地球人に撃退されるのか』⇒実はその星では零細企業やいたずらっ子、ダメ人間レベルでは? - Togetterまとめ togetter.com/li/1122283
2017-06-23 07:40:26

自サイトで虚航船団の同人マンガとか海外同人コミックの翻訳とかやってました。発語訓練(by小林信彦)の一環として、今更ながらtwitter始めてみました。

【コメント欄より】
カスガ @kasuga391
「宇宙航行の技術を持っている」→「軍事力や戦略も地球以上」というのが地球人の思い込みなのかもしれない。ウェルズの火星人だって地球に来るのがあと五十年遅かったら、バクテリアで自滅する前に爆撃機で一方的に蹂躙されてただろうし。

@foxhanger あの話でもダブランダーやコス博士が生まれるのが600年ほど早かったら、ちょっと危なかったかもしれません。「『科学の進んだ星の侵略者が、なぜ地球人に撃退されるのか』⇒実はその星では零細..」togetter.com/li/1122283#c38…
2017-06-21 13:08:46
ここでSF豆知識。ジョージ・パル版『宇宙戦争』に出てくる火星人の戦闘機械をトライポッドじゃなくて空飛ぶ円盤だと思ってる人が結構いるけど、あれ実はちゃんとトライポッドなんだよ。
2017-06-21 14:42:28
劇中でフォレスターによる「ある種の磁束を使って見えない足のように機体を支えている」という説明があり、更に戦闘機械が迫ってくる場面で地面にあがる閃光から、その足の数が三本であることがわかる。つまりちゃんとトライポッドしてるわけだ。 pic.twitter.com/SxsK9SaOpy
2017-06-21 14:43:45
【ここから本題です】

そういや実際に公開当時の地球に火星人が現れるジョージ・パルやスピルバーグの『宇宙戦争』では、謎のバリヤーで核攻撃や近代兵器の集中砲火に耐えられるという設定で辻褄を合わせてたけど、個人的にはこういうの安易で好かん。
2017-06-21 14:41:24
@kasuga391 むかし(SF的な、光線みたいなアレの)バリアーの歴史を調べてた筈だな…と自分の過去記事を検索したところ 「疑問書いただけで 調べてなかった」 日本バリアー史考。なぜ「バリアー」はこうも一般化し、子供の遊びにまで浸透したのか? - d.hatena.ne.jp/gryphon/201109…
2017-06-21 22:15:35【記事より】
……たしかに子供は「えんがちょ」のかわりに「バーーーリア!」とかいって絶対の防御圏をキープすることがある。
しかし、いわゆる光の、透明の「バリアー」は実在しない。
どうしてここまで広まったのだろうか。
ただ、面倒くさいのでいまは調べません。
ウィキペディアの「バリアー」で目当てのものに一番近いのは「シールド(SF)」。
世界的にはシールドというらしい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/シールド_(サイエンス・フィクション)
あと、「どうせ横山光輝か永井豪が広めたんだろう」と偏見でかってに決め付けて終了。
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※自分で書いててなんだが、
こんなんでいいのか!

@gryphonjapan 今調べたところでは、フィクションで一番最初に「非実体の防御シールド」の概念を扱ったのは、クルト・ラスヴィッツの短篇『アポイキス島』(1882年)らしいですが、残念ながらこの話は読んだことがないです(と言うか、原書がドイツ語……)。
2017-06-22 00:40:58
@gryphonjapan TVtropes.orgの解説によれば、この作品のバリアーというのはアポイキス島をヨーロッパの侵略から守るためのエーテルの流れで、それを通り抜けようとした固体はたちまち原子に分解されてしまうのだとか。
2017-06-22 00:41:51
@gryphonjapan おそらく「防御シールド」という概念を世間に広めたのはE・E・スミスの『銀河パトロール隊』(1937年)に出てくる防御スクリーンで、日本に「バリアー」を広めたのはウルトラマン(1966年)のバルタン星人が使う光波バリアじゃないかと思います。
2017-06-22 00:42:26
@gryphonjapan E・E・スミスはこの装備を基本的にwall-screenやdefensive screensと書いてるんですが、比喩表現としてbarrierという言葉を使っている部分があり、小西宏訳ではこの語を「障壁」に「バリアー」とルビを振って訳しています。
2017-06-22 00:43:38
@gryphonjapan ひょっとしたら、これが日本で防御壁としての「バリアー」という言葉を広めた最初のきっかけかもしれません。
2017-06-22 00:44:03
@gryphonjapan 小西宏訳『銀河パトロール隊』の初版刊行が1966年5月20日で、ウルトラマン第16話「科特隊宇宙へ」の放映が1966年10月30日と、時期的にはぴったり重なるんですよね。
2017-06-22 00:44:38