【グランクレスト大戦】黒套騎士譚③【異聞絶望】

グランクレスト大戦の企画 GC異聞『絶望ノ極大混沌再来期』 に関するログ。 『インターバル期間』 続きを読む
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——— @Jay_gcac

@gc_340K 「へぇ?」 隻眼を丸くする。 「正直、意外だ。そういうのは苦手か、嫌ってるもんかとばかり思っていたよ」 見た目、冷静沈着で真面目で騎士然とした青年であったから。

2017-05-10 12:54:43
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Jay_gcac 「確かに私は騒ぐのは得手ではない。単に自分が乗れないだけで、その賑やかな空気を味わうのは好きだ。……ノリが悪いと場を白けさせてしまうから、遠くから眺める事が多いが」 薄く笑む。

2017-05-10 13:03:05
——— @Jay_gcac

@gc_340K 「なるほどなぁ」 その涼やかな容貌から感じた印象を修正していく。思っていたほど四角四面でなく、楽しみを解する人物らしい。 「楽しんでないわけじゃないなら、良かったよ」 なぜか安堵感を抱きながら、感想を口にする。

2017-05-10 13:43:56
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Jay_gcac 「私は何でも楽しむタイプなのだが、だからこそ自制をしないとキリが無くてな」 冗談めかせて、料理を口に運ぶ。 「こうして料理をつまみながら誰かと言葉を交わし、酒を飲むというのも久し振りだ。本当に楽しい。声をかけてくれてありがとう」

2017-05-10 14:13:03
——— @Jay_gcac

@gc_340K 「いやいや、楽しんでもらえたなら、よかった。オレも、楽しかったよ」 一人で食事を摂るよりも、誰かと一緒の方が楽しい。心なしか、味も変わるような気がするのだ。 「相席に応じてくれてありがとな。次は戦場かもしれねぇけど、また会おうなラコート」 笑い、グラスを掲げた。

2017-05-10 15:18:37
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Jay_gcac 「そうだな。ひとりきりで生きていくというのは、あまりに味気ない。出会いに感謝しよう」 ほんの少し噛み締めるようにはにかんで。 「ではまた会おう、ジェイ」 カチンと、掲げられたグラスに器をぶつけた。

2017-05-10 15:31:14

インターバルシトリンちゃん編

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

新秩序回復戦争による混乱の盛りもやや下ったある日の事。 朽ちかけた旧街道を一人の騎士が歩いていた。 精悍そうな金髪と涼やかな緑の瞳。 使い込まれた傷がありながらも存在感のある斧槍に、白銀の足甲と手甲。 → @Wilhelmina_7Lp

2017-05-09 14:46:11
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

.@Wilhelmina_7Lp ただ、同盟の紋が入った黒いコートだけは明らかに身の丈に合っておらず少し抜けた印象を周囲に与えていた。 ふと、騎士が足を止める。 その視線の先には、それなりの年月を重ねた巨木が生えており、根元に二つの人影があった。 →

2017-05-09 14:46:30
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

.@Wilhelmina_7Lp 幹にぐったりともたれかかった商人らしき人物と、それを介抱する旅娘の姿。 旅娘が、傷口があるらしき足に手を添える。 すると聖印が浮かび上がり、光を放った。 まるで柔らかな午後の陽射しのような、それでいて遍くモノを平等に焼き尽くす炎のような、輝き。 →

2017-05-09 14:47:30
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

.@Wilhelmina_7Lp それを目にすると、騎士は小走りで二人の元へと駆け寄っていく。 「大丈夫か?軽い化膿止めと包帯ならば、少しは持ち合わせがあるが」 傍に跪いて、君主の少女へと問いかけた。

2017-05-09 14:48:04
茉雪(まゆき) @Wilhelmina_7Lp

@gc_340K 「ぴえええぇありがとうございますううううぅ」 通りすがりに、足を怪我して動けない商人さんを見つけて。あわあわしながらとにかく傷を洗って、治癒の印をかけていたところでした。化膿止めも包帯もなかったので、天の助けです。手当ては戦で慣れて、もう迷わずにできました。→

2017-05-09 15:01:29
茉雪(まゆき) @Wilhelmina_7Lp

@gc_340K 「これでどうですか。立てますか」 なんとかなりそうです。ほっと胸を撫で下ろし。 「あのっ。 ありがとうございましたっ。 …………同盟軍の騎士さま、ですか?」 コートに、はっきりした縫い取り。 もしかして、戦場で後ろ姿、お見かけしたかな。とも、思っていました。

2017-05-09 15:05:18
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Wilhelmina_7Lp 「どういたしまして」 そう応えてから、騎士は少女の顔をまじまじと見る。 「ああ、如何にも私は同盟に従軍している。……そして君は、先日の戦争において私と同じ戦場に居た筈だ。マレフィシア・ユニカと邂逅しただろう?」

2017-05-09 15:09:34
茉雪(まゆき) @Wilhelmina_7Lp

@gc_340K 「ーーーーーーーあ」 思い出しました。 この騎士さまが。 あのときのわたしに、声をかけてくれたのを。 「はい。 …………あの。 気にかけてくださって、ありがとうございました」 言いながら、戸惑いもあって 「…………よく、おわかりになりましたね。 わたしだ、って」

2017-05-09 15:13:39
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Wilhelmina_7Lp 「聖印を見て分かった。出力は違えど、あの時君の身を包んでいた炎と、それは同じ輝きをしていたからな」 ちらりと、手の甲を一瞥し。 「それに、あれだけの強大な力を持った聖印で炎となると少し心当たりがあって……不躾な言い方をすれば、興味があった。だから記憶に留めていたというのも大きい」

2017-05-09 15:18:13
茉雪(まゆき) @Wilhelmina_7Lp

@gc_340K 「心、当たり」 この聖印に。 興味。 「…………ご存じなんですか。 この聖印の、こと」

2017-05-09 15:26:03
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Wilhelmina_7Lp 「“光芒の熾天使”、“戦火を灼く太陽炎”……君主ウィルヘルミナ」 唄うように騎士は告げる。 「あの静寂の庭においても、完全に力を失わない聖印となれば数は限られよう。その中で光と炎で現れ、尚且つ宿主が女性となれば私が知る内では一つだ。 ーー先程上げた名、思い当たるものは?」

2017-05-09 15:39:30
茉雪(まゆき) @Wilhelmina_7Lp

@gc_340K ちぢこまりすぎて、自分が一回り小さくなったような気がしました。怖かったのです。そうと反英雄レオンに知られてしまった結果が、あの惨事でしたから。 「……はい。 わたしは、“ミナ”です」 まだすごく違和感のある名前。 「あの。 誰にも言わないでくれますか。 ご質問には、答えますから」

2017-05-09 17:23:18
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Wilhelmina_7Lp 「やはり、そうだったか」 そう納得したように呟くと、安心させるように頷く。 「ああ、これは私の中だけに秘めておこう。最も、あの時のように我を失っていて……止めるのに誰かの協力が必要な場合は流石に確約しかねるが。まぁ、そう起こる事ではあるまい」 →

2017-05-09 17:49:51
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Wilhelmina_7Lp 「質問、質問か……」 それから暫し思案するような素振りを見せ、口を開く。 「君は、“ミナ”の事をどれくらい把握している? 能力や性質は勿論……如何なる歴史を積み重ね、他者から如何なる評価をされてきたものか、知っているか?」

2017-05-09 17:52:31
茉雪(まゆき) @Wilhelmina_7Lp

@gc_340K 話をわかってくれるひとみたいで、ほっとしました。 「…………能力とか、性質、歴史は…………知って、ます。 …………“ミナ”を継承した瞬間に、わかるんです。 今まで“ミナ”になったぜんぶのひとの。 記憶…………、共有、するので」→

2017-05-09 23:34:14
茉雪(まゆき) @Wilhelmina_7Lp

@gc_340K 「他者からの評価とかは…………」 口の中がからからに渇きます。 「…………“反英雄”と。 呼ばれてた時期も、あるみたい、です。 ……“ミナ”になると、あんまり、ひととは交流、しないみたいで。 なので、ちゃんとは、わかりません」

2017-05-09 23:37:55
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Wilhelmina_7Lp 「予想はしていたが、やはり記憶も継がれるのだな。そうでもなければこれだけの年月、同じ目標に邁進できはしまい。……発狂するような者も出る訳だ」 淡々と、騎士は所見を述べる。 「そう、偶然の一致だな。 最も『英雄に反する者』と 『世界に反する英雄』では意味合いも異なるが」 →

2017-05-10 00:02:54
らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@Wilhelmina_7Lp それから一息ついて。 「これから述べるのはあくまで私の意見だ。それも、アカデミーの研究のような学術性と客観性に裏付けされたものではない。参考程度に聞いて欲しい」 そう前置きすると、騎士は流暢に語り始めた。 →

2017-05-10 00:06:16
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