平成29年度税制改正の解説より

備忘
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Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

別の言い方をすれば、適格のスピンオフはあり得るか?という問いを考えるにあたっては、既存の類型(特にグループ再編)を参照してそこでの支配の継続の"本質"を見出して、その"本質"と整合するように適格スピンオフなり適格株式分配の適格要件を特定する方向は論理必然ではなかったのでは?と。

2017-07-07 01:40:15
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

このように考えていくと、"支配の継続"の内実を突き詰めて(解き明かして)、あるべき適格組織再編成の姿を解明していくというのは、もともと想定されていた方向性ではなく、いつの間にか既定路線になってしまった、というのがここ最近の組織再編成がらみの立法の実態ではないかなーと。

2017-07-07 01:35:48
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

共同事業再編でも、思考パターンは同じで、支配の継続が認められるように適格要件が作られているというよりは、共同事業のための資産移転と認識できる(納得できる?)要素を列挙したら、事業関連性とか、特定役員引継ぎとか、そういうのが出てきた、という感じなのだろうと。

2017-07-07 01:30:59
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

一つのグループ内で動かしただけだから支配の継続がある、こういう発想なので、移転の前後でグループの範囲が変わっていたらオカシイ。だから分割法人と分割承継法人が前後でグループを維持していることが重視されていた、これが平13路線だと思うわけです。

2017-07-07 01:18:02
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

平13路線というのは、要するに組織再編税制導入時の支配の継続の理解ということだけども、議事録とかみていると、経済実態に実質的変化のない類型としてグループ再編と共同事業再編の2つが措定されて、その共通項を(無理やり探したら)それは支配の継続だった、という感じがね、する訳です。

2017-07-07 01:14:26
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

勿論、適格現物分配を入れた時点で、資産の直接支配と間接支配との連続的把握は既に始まっていたということにはなるのでしょうけども。んで、スピンオフで支配の継続(非支配株主による投資の継続で置き換えて説明することなしに)認めるには、平22路線が適切だったので平13路線は理由なく放棄。

2017-07-07 01:08:16
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

しかし、改正前では支配株主と分割法人との間のでも支配関係が継続しないとダメとなっていた(支配の継続なしと考えられていた)という事情がある訳で、これは支配株主による間接支配(投資の継続に接近したもの)という理解が貫徹されてたとは言い難い。

2017-07-07 01:04:11
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

そしてこの命題の前提には、"現行の組織再編税制は、グループ経営の場合には、グループ最上位の法人がグループ法人及びその資産の実質的な支配者であるとの観点に立って判断しているという側面もあ[る](例えば、適格組織再編成における株式の保有関係に関する要件)"というものがあるという。

2017-07-07 01:00:29
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

"グループ最上位の法人(支配株主のない法人)の実質的な支配者はその法人そのものであり、その法人自身の分割であるスピンオフについては、単にその法人が 2 つに分かれるような分割であれば、移転資産に対する支配が継続している" 317-318頁も支配の継続の理解として大変じうよう。

2017-07-07 00:59:58
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

"完全支配関係がある法人に限定されているのは、少数株主が存する子会社においては、親会社の株主は少数株主の利益を考慮する義務がなく、我が国の会社法は少数株主の保護において必ずしも十分な対応がされているとはいえないとの議論が法制審議会においてされている状況を踏まえたもの" 307頁

2017-07-07 00:05:49
Masahiro Kozuka @Masahiro_Kozuka

すごい理由|"移転資産に対する支配の継続という観点では分割型分割に係る分割法人との間の関係の継続を求める理由に乏しいことを踏まえた改正であり、これにより、完全子法人から完全親法人への資産の移転においてその後の関係の継続が不要となる点で適格分割型分割と適格現物分配とが同様となりす"

2017-07-06 19:38:23