- canjani8kanjani
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176 ちょっと背中気持ち悪いな…。 そんなこと思いながら目を閉じたら、ふとさっきの言葉が甦って来た。 丸子の彼氏…が、こっちいるって言ってたって言ってたよね、あの子…。 やっぱり気付かれてたんだろうか? 気のせい…ってことないよね、本当にそう言ったんなら。
2016-04-20 13:41:16177 やっぱりあの時見られてた…? てか何か変なこと言ってなかった? ここでしたかったとか憶えてるとか…。 前にもあそこで何かしたことあるの? 誰か他に…? いや、もしかして見られたこと、ある…? そうだとして思い返してみたら、心当たりある…気がする。
2016-04-20 13:41:18178 先生と付き合ってるって言ったときの丸子の反応や、彼氏の方がたまに私をニヤニヤ見てそれを諫める丸子、とか。 あれがそうなんだとしたら…どうしよう…えぇ…? 思わず顔を覆ってゴロゴロゴロゴロ…。 『あ~~もう…』 「もう、何やねん」 『きゃっ!』
2016-04-20 13:41:23179 ガチャって扉が開いて先生が運転席に入って来た。 「鍵は?」 『…はい』 鞄を後ろの席に放り投げてエンジンをかけた。 ゆっくりと動き出す車。 ハンドルを握る先生の顔を下から見上げる。 「…足」 『え?』 「足見えてんで」 『やっ!もう!』
2016-04-20 13:41:26180 一瞬触れた手を払って慌てて上着を直した。 「だから気いつけえって」 『…』 「…ん、もう起きてええで」 辺りを見回しながら先生が言った。 『…しょ、…きゃっ!?』 レバーを引っ張ったらガタンッてシートが一気に起き上がって来てダッシュボードに体ぶつけそうになった。
2016-04-20 13:41:31181 「何してんねん、お前」 呆れたように路肩に車を止めた。 何って…先生のせいじゃん。 あれもこれも全部、全部先生のせい。 「大丈夫か?」 咄嗟に伸びて守ってくれた腕。 『…うん』 シートを調整し直して、服もちゃんと整えて、そしてまた走り出す。
2016-04-20 13:41:34182 『せんせ、仕事は?』 「ん?別に何や顧問しとるわけちゃうしまあ大丈夫やろ」 『え、ちょっと…』 「…大丈夫やって。ちゃんとしてきたから心配すんなや」 『…ならいいけど』 私のことをチラッと見て、何か笑い出した先生。
2016-04-20 13:41:37183 『何?』 「いやー…安子に仕事の心配されるようになるとか思わへんかったなーって」 『何よ』 「サボりの常連だったやんか、お前」 『…』 「ホンマ真面目になったなあ」 そんなこと言ったら、先生は本当に先生なの…? そう疑問に思うほどに先生は悪い子、だ。
2016-04-20 13:41:42184 外や学校では真面目な顔して聖職者ぶってるけど…でも私の前では全然。 特に今日なんていたずらっ子みたいな顔してエッチなことばっかり…。 学校もサボったように出てくるし…どうしちゃったの? そんなこと思いながら、ニヤニヤしながら運転する先生の姿を横目で見てた。
2016-04-20 13:41:44185 「で?」 『え?』 「なにが、あ~~もう、なん?」 『あ…』 うー…思い出しちゃった…。 『あの、…さっきの、あの…』 「…?」 『…もしかして…』 一瞬、ん?って顔して、それから苦笑して、あぁ…って。 「あれなあ…」 『…』 「学校何やと思ってるんアイツら」
2016-04-21 08:54:36186 『はあ?』 どの口がそんなこと…。 思わずポカンとして先生見ちゃった。 「人のこと言われへんて?」 せやな、って笑う。 『…あれやっぱ、見つかって…?』 「や、多分ちゃう思うで」 『え?でも…あっちいるって教えてくれたって…』
2016-04-21 08:56:17187 「まあひょっとしたら誰かいたんはわかってるかも知らんけどな」 『どういう…?』 「こっち見てへんかったもん。多分あれちゃう?机の上の缶缶とか見て気付いたんちゃう?」 『あ…!』 そういえば机の上にゴミ袋とか空き缶とか置きっぱなしだった。 それで誰かいるって気付いた?
2016-04-21 08:56:31188 え?でも…? 『でも何で私だって…』 「んー…まあそれは…前に見たことあるんちゃう?やっぱ?」 『…う、そぉ…』 「いつかは知らんけど…まぁ…」 ごにょごにょと言葉を濁して煙草に火をつけた。 窓の外を見ながら呆然と考える。
2016-04-21 08:56:58189 もし見られたことがあったとして、私と先生の関係を知りながら、私のあんな姿を見ながら…丸子はずっと一緒にいたってこと? そんなの…そんなの…うそぉ…。 『~~~っ!』 「どしたん?」 『…明日どんな顔して会ったらいいの…?』 「…ま、お互い様ちゃう?」 『そんなの…』
2016-04-21 08:57:05190 「別に言わへんかったらええやん」 勿論そんな話しないけど…!でも…! 『うー…』 顔覆ってジタバタしちゃう。 羞恥でもう死にそう。 やっぱり全部先生が悪い。 そうでも思わなきゃ正気保ってらんない。 そんな私を見てへらっと笑って言った先生の言葉に耳を疑った。
2016-04-21 08:57:15191 「ほんならもうあれやん。何やアドバイスしたったら?」 『はあ!?』 アドバイスって何の!? 「痛い言うとったやん、丸子」 『ちょ…!』 「相談に乗ったったらええねん」 『何言って…!?』 「だってお前やったら気持ちわかるやろ?」 『ちょっといい加減に…!』
2016-04-21 08:57:23192 「った!危ないやんけ!」 『先生デリカシーなさすぎ!』 腕を思いっきり叩いて顔を背けた。 「せやかてアイツらあの様子やとまだ最近やろ?男の方ただの猿やで」 『なっ…!あっ…!?」 「あのままやと丸子しんどいんちゃうん?」 『やっ!もーいい!黙って!』
2016-04-21 08:57:27193 ホントに…ホントにこの人は…! 顔が熱い。 もう火が出て燃え尽きちゃいそう。 「女同士ってそういう話せーへんの?」 『…知らない!』 男同士ならするの? 女同士でもする人はいるのかもしれないけど、私の周りではそんな…。 何かもうわけわかんなくなっちゃった…。
2016-04-21 08:57:36194 もう…丸子のバカ…。 心の中で悪態ついてたら、また先生の手が足をスッって。 『ちょっと!』 「出てるし」 『もう…先生今日変だよ?』 「ん?」 『先生こそ猿みたい』 ホント、どうしちゃったの? 「男はいくつなっても猿やで」 『ッ!?』
2016-04-22 08:50:27195 「そんなん若かろうが歳とろうが変わらへんって」 『…』 「そら目の前にこんなんあったらヤりたいやん」 信号で止まった隙に、今度は本格的に手が入って来た。 『ちょ、せんせ…!』 慌てて押さえても力づくで奥へと進む。
2016-04-22 08:50:31196 まだ濡れてるソコに強引に指を突っ込んで、ぐるりと撫でまわして出て行った。 『んっ…あっ…』 前屈みになって震える私を見ながら濡れた指を舐めて、また車は走り出す。 「…な?」 それでも…やっぱおかしいよ、先生…。 『…せんせ、制服好きなの?』 「んや、別に?」
2016-04-22 08:50:35197 『でも…』 どう考えたってこの服装が先生を変にさせてるとしか思えない。 「そんなん好きやったらもう仕事ならんやん」 『じゃ、…何で…?』 「…」 『…』 「そんなん…」 『…?』 「そんなん、そんなん着たお前が思いのほかエロかったからに決まっとるやろが」 『ッ!?』
2016-04-22 08:50:39198 「全然会われへんくて溜まってたとこにそんなん着て現れてみーな。今すぐヤってください言うてるようなもんやろ」 『~~ッ!』 「勘弁してくれよ…自業自得やって、ホンマ」 『なっ…!』 「ほんでそれで他の男の前立って接客して愛想振り舞いとってんやろ?」 『…え?』
2016-04-22 08:50:45199 「冗談ちゃうくて痴漢とか会うとったら即行お仕置きやったで、ホンマに…」 溜息をついてまだブツブツ言ってる先生。 ねえ先生それって…? 『心配してくれたの?』 「ああ?」 『他の人が見たのが嫌だった?』 「お前…」 『私だから制服、好き?』 「お前調子乗んなよ…?」
2016-04-22 08:51:47200 じろっと睨みつけられる。 でも怖くないもん。 『ね、せんせ?』 「…何や」 『先生、もしかしてめちゃくちゃ私のこと好き?』 「おまっ…!」 『きゃあっ!』 急ブレーキ。 後ろからクラクションが聞こえる。 大きく息を吐いて、また走り出す車。
2016-04-22 08:51:53