テンションノートの話
- kazmaki_416
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なお、コードネームの表記方法については、ここでは網羅的に説明することは放棄しますが、C9とかC13とかいうコードネームは、C7(9), C7(13)の略記であり、♭7th (Cが根音の場合♭B)が入った、別物の和音であるということは、勘違いしやすいので要注意である。
2017-08-06 15:51:011階部分がCの3和音で、2階部分が9thのみのときは、C add9と書けばよい。C add13というのは、ありませんね(C6と書くので)。C add♯11というのは、理論的にはあってよさそうだけど、見たことないですねー(誰かありますか?)。
2017-08-06 15:53:051階部分がマイナー系のコードのとき
では次に1階部分がマイナーのとき。これも正確にはマイナーの3和音(たとえばCm)のときと、マイナー7th(たとえばCm7)のときの両方に適用できますが、使えるテンションノートはDmの構成音、すなわちD, F, A(つまり9th, 11th, 13th)となります。
2017-08-06 15:54:36他の4つのテンションノートは却下されます。♭9thは根音とぶつかるから、♯9thは♭3rdと同じで1階部分とかぶるから、♭13thは5thとぶつかるからですね。これらに比べると、♯11thが却下される理由は若干弱いと思いますが、実践上、テンションノートとしての実用性は低い。
2017-08-06 15:57:30ちなみに、1階部分がCm(3和音)のみで、2階部分が13thのみのとき、やはりコードネームとしては普通Cm6と表記します。C6という表記を採用するのと同じような理由だと思います。
2017-08-06 15:58:591階部分がドミナント7thのとき
さて、初学者がつまづくのが、1階部分がドミナント7thのとき(たとえばC7のとき)に、2階部分で使えるテンションノートがどれか、ということではないでしょうか。実際、僕もここはなかなかスッキリする説明に出会えず、苦労しました。
2017-08-06 16:00:30結論から言うと、1階部分がドミナント7thのとき、2階部分は、11thを除く、残り6つのすべてのテンションノートが使えます。つまり、♭9th, 9th, ♯9th, ♯11th, ♭13th, 13thですね。
2017-08-06 16:01:551階部分が単なるメジャーやマイナーのときは、「1階部分の3和音の構成音それぞれの短9度上の音は使用しない」という原則が厳格に適用されていましたが、1階部分がドミナント7thのときは、この原則は、3rdに対してしか適用されなくなってしまいます。
2017-08-06 16:03:15つまり、根音と5thの短9度上の音が解禁されるわけです。ここの理由付けはいくつかあると思いますが、ドミナント7th自体が1階部分ですでに緊張感を持ったコード(3rdと♭7thの減5ド、トライトーン)であるため、2階部分でもより「攻めた」音の選択ができるようになる、ってことかなあ。
2017-08-06 16:05:32ただし、使えるテンションノートが6つもあるからと言って、この6つを同時に使うということは、実践上ありません。1階部分にある音も合わせると、使える音が多すぎて、ほぼ半音階と同じことになってしまうからです。
2017-08-06 16:08:44そこで、ドミナント7thにテンションノートを付けるためには、様々な選択肢の中から適切なものを選び出すことになる。どれが適切か、というのは難しい問題で、正解が常に一つに絞れるわけでもないが、コードとスケールの前後関係、既存のメロディーラインなどとの兼ね合いで決まっていくことになる。
2017-08-06 16:10:57この部分は専門的な議論になるので深入りはしないが、ヒントとして、まず「♭9thを入れるかどうか」で分けるのが分かりやすいと思う。あとは、理論で覚えるより、実際の曲の中で、自分の耳をたよりに、「ここはこのテンションがいい」ということを研究していくほうが早い。
2017-08-06 16:16:54ただし、自分の耳だけをたよりにするのもしんどいので、実際の曲の中で迷ったときに、この手のことが詳しく解説してある本とか、信頼できるWebサイトとかにあたって確認してみるのがいいと思います。
2017-08-06 16:23:53さて、1階部分がメジャー、マイナー、ドミナント7thのときの2階部分についてみてきました。あとは、1階部分がハーフディミニッシュや、完全なディミニッシュだった場合に2階部分をどうするかですね。
2017-08-06 16:24:56この2つについては、メジャー、マイナー、ドミナント7thの場合ほど、厳密にいろいろと考える必要はなさそうです。
2017-08-06 16:26:331階部分がハーフディミニッシュのとき
1階部分がハーフディミニッシュ、たとえばCm7(-5)であった場合、2階部分はFと♭A(つまり11thと♭13th)が使えるということになっています。1階部分で使われている♭3rd、♭5thのそれぞれ長9度上の音ですね。
2017-08-06 16:30:011階部分の構成音を書き出してみると、C, E♭, G♭, B♭ですが、第2音~第4音だけを見ると、E♭mそのものですね。なので、E♭mを1階部分と見なしたときに使える2階部分の音、つまりF, A♭, Cが使える、と考えるのが一番分かりやすいと思います。
2017-08-06 16:32:18このうち、Cは大本の1階部分のコードであるCm7(-5)の根音に戻るので、テンションとはみなされません。そこで、FとA♭だけが使用可能なテンションノートとして残るというわけ。
2017-08-06 16:33:10ただし、僕の個人的な感覚かもしれませんが、ハーフディミニッシュの上では、他のテンションノートも、使用不可能というほどぶつかるものはないように思います。
2017-08-06 16:35:481階部分がディミニッシュのとき
最後に1階部分が完全なディミニッシュのとき。たとえばCdimのときというのも考えられますが、ほぼ、Cdim7など、「7」(根音の減7度上、事実上根音の長6度上と同じ音)が入っているケースだけを考えてよいと思います。
2017-08-06 16:37:49