壺井明氏（Akira Tsuboi　@1876to1945）による、『福島行　「無主物」制作ノート　vol.1』からの部分ツイートまとめ

Akira Tsuboi @1876to1945

ー”もう一つ基準となるバッジを準備して計測してゆくと、この『ｘ』がより正確な数字で出る、と？”「出てましたね。」元スーパーバイザーは言った。”それで出た結果が、0.1だから100マイクロシーベルトだった、と”「そう。だからそれを12カ月でやれば」”×12で、年間1.2ミリ。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー”そうなると、伊達市の除染施策の基準で言うと、ここは1ミリ以下の第四番目ということになっていますが順位が三番目になってきますね。確認ですが、この浪江町のガラスバッジはスパンは一か月、ということですよね”「これ一カ月なんで。それも、これ空間線量でシンチで測ってー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「コンマ２の場所だったんですよ。GM管でも測りましたからまちがいない。一応いろんな測定器でその空間測っておくんですわたし。でそれでやってこれを私自身の契約している会社に出したところ、コンマ１（100マイクロ）で来ましたから。まちがいないとは思うんですね。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「若干こっちのほうが細かくでてるんで高くでるんですね。で、今は声は録ってる？」”ええ、録っています”「ちょっと切ってくれる？」元スーパーバイザーはこちらに視線を向けて言った。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

福島行ー彼がこの後話ことはごく自然な流れの話だった。100マイクロ未満は『ｘ』になってしまうのなら、数字で出せる機種を使うように働きかけること。彼はこれまで書いてきたようなやり方で蓄積したデータを示して、伊達市の累積被曝線量計のメーカーである千代田テクノルにかけあったのだった。－

Akira Tsuboi @1876to1945

ー彼はそのデータを基に訴訟も考えていた。裁判の進め方の都合上、そのやりとりでメーカーから得た応答はしばらくは伏せていたいようだった。なので、手元に文字起こしはあるが書けない。”ーおおまかに言って、現在伊達市が一般人に認識させている放射線量は、空間線量で言って4割減くらいー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー”というところですか？”そのやりとりが過ぎて自分は言った。「うん。これもそうです。実際は、どんなに性能良くても、性能がよくてもって言ったらおかしいんですが、方向性によってどうしても四割くらい減っちゃうんですよ」元スーパーバイザーは言った。”からだの後ろから来たり”－

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「そう。だから補正係数っていうのを実際計算してるはずなんですが、やってるはずなんですが、斜めから入ってくるものに関しては6割程度までにしかならない。だから真正面のレントゲン技師が使うようなもんなんですよ」”レントゲン撮影ならば向かってくる放射線の方向が決まっている”、と。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「そう。だから現場で使うのにも、現場で使うんですよ。あの、使用済み燃料あるでしょ。キャスクありますよね。中で燃料入れてキャスク挙げた時にも向く方向決まってますよね」”そうなんですね”「だって、見てなきゃ自分も危険ですからね。だいたい作業するひとって線元のほうを見てるんですよ。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー”あ。そういうのも考えて実際には遮蔽する物をどこに身につけるか決められるんですね”「ウン実際は。」”なるほど”「で現場で使う場合はフィルムバッジなの。ガラスバッジは中性子線まで拾ってくれるんで性能のいい物なんです。で、使用済み燃料のキャスクって言うのは中性子線だしますんで。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「だから実際ガラスバッジを特別もってくんです。で、それで計測するんです」”事故後の現実は、環境中に放射線を発する線源がそこらに散らばっている。その環境でそうした機器を使って上がってくる数字に、これだとみんな認識を誤ませられてしまうことになる、と。”「はい誤りますね、実際。」ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ーこの後、仮設住宅で出会ったひとびとの言葉を書いてゆくが、その中には大熊町出身の事故当日まで原発作業員をしていた男がいた。彼も若いながらも福一のだいたいの場所に入ったことはあるという男で、彼もまたこの自分のような門外の人間からすると細かい差異について認識し、－

Akira Tsuboi @1876to1945

ー嗤いの対象として話していた。（こどもだましのトリック使ってる。しかも、大々的に）彼の嗤いの意味としてはそんなところだった。”ー環境中に線源がそこら中にあり、放射線はいたる方向からも飛んでくる。しかも場所によってはα線、β線、γ線それぞれが実際には存在するようになってしまった、ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー”しかし事故後福島の各地に設置された線量計はγ線のみの計測で、伊達市の累積被曝線量計もγ線のみ。いずれも方向性が限定されている代物。そうじゃなくて、現実的にほんとの正味のところを測定し反映させるところの物というと、そういうCPMとかの値で出すべきだと”－

Akira Tsuboi @1876to1945

ー自分が確認すると元スーパーバイザーは言った。「うん…。だから空間線量とか、環境測定でしかないわけですよ。線量率、シーベルトですね、でしかみなさんには説明できないでしょうね。あなたのは影響どうのこうのだと。だけどこのガラスバッジにもリングバッジっていうのが在るんですよ。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「でレントゲン技師も、あの鉛の服着てますよね、チョッキ。チョッキ着た場合はどういうふうに測定するかっていうと、首には鉛の遮蔽がないわけだからそこにバッジをつけなきゃいけないわけですね。で、鉛をつけたところの”後ろ側”にバッジをつけるんです。で、足もないですよね。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「だから（放射線を遮蔽する物が）無い所に、”三つ”必要になるんです、ガラスバッジっていうのは正式には。一か所じゃないんですよ」伊達市の配布したバッジは一人に対して一つだけだ。どこをとっても、事故前の正式なものがぐずぐずに溶けて崩れてしまったようだった。－

Akira Tsuboi @1876to1945

描きかけ。続無主物『SPEEDI問題と母乳』部分。計測器たち。 モニタリングポスト、ゲルマニウム半導体検出器。母親。 pic.twitter.com/cZsuGA3fRR

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Akira Tsuboi @1876to1945

福島行ー”いろいろな測定基準があるんですが、3.11前の東電の中での線引きがあって、それを適用すると警戒だとかとされるようなものがもういたるところにある、という状況だということなんですよね”自分はまとめを確認するように聞くと、「”在る”。」元スーパーバイザーは硬く言った。－

Akira Tsuboi @1876to1945

ー”で、それがある時点でもうヤバい、ということがまず一つですよね。で、それにも関わらず、その中でこういう機器が配られてるんだけどこれも実際の汚染状態に関して市民に軽度な方向で誤解を生むような造られかたをしている、しかもそれが公が行っている、ということの悪質さがある、と。”ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー自分がそう言って、彼にこの問題の構造を改めて差し出すと、応じて彼の中で怒りが増幅されたようで、もつれながらの口調になった。「そう。なぜかというと、なぜかというとね（二度繰り返している）、現場では、これだけの汚染あったらβ線とγ線を測るAPDっていうのがあるんですね。ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー「アラームメーター。それを付けるのに、なんで千代田（テクノル）さんの、要するにいくらアレ”伊達市は”…、南相馬もアレなんですけど『”なんで”、』『β線測んないんですか』、てことです。それからしておかしいですよね」ー

Akira Tsuboi @1876to1945

ー”で、これまで％％％さん（母親の名前）と協力して、この伊達市にも周りの人は分かっていないけど、これだけ汚れているという見つけた場所がそこら中にあると”「いや『無数』なんてもんじゃないですよ…」彼は状態のひどさの一線の超え方に、複雑な嗤いを添えて言った。－