壺井明氏(Akira Tsuboi @1876to1945)による、『福島行 「無主物」制作ノート vol.1』からの部分ツイートまとめ

画家、壺井明氏のツイートをまとめました。 なお、このツイートは壺井氏の出版物の一部ですので、全文を読みたい方や、壺井氏の作品をご覧になりたい方は、 「電脳画廊」http://dennou.velvet.jp/index.html をご覧ください。
5
前へ 1 ・・ 4 5 次へ
Akira Tsuboi @1876to1945

ーそんななかでの全文公表がなされたのだった。公の調査の把握する数字は最低限に留まる。ー pic.twitter.com/5f7zITPQn3

2017-08-01 15:16:00
拡大
Akira Tsuboi @1876to1945

ー3年ほど前だったろうか。道ばたで絵を見せている時に、近畿で避難者の支援している知り合いがいるという女性から、こうしたいじめで自殺したこどもがいると聞いた。現在確認すると、たしかな情報が出て来ない。メディアではこうした情報の扱いには抑制をかけるから、元から無理なのかもしれない。ー

2017-08-01 15:16:53
Akira Tsuboi @1876to1945

ーこうした件は伝聞で事実からかけはなれてしまうことが多いから、確証をもてずにいる。ご存知の方がいらっしゃったら真偽をお知らせてしてくださると助かる。 少年が公開した手記には、不登校となった後にフリースクールに転校し、中学一年となった時点での回顧的な文章もあわせて公開された。ー

2017-08-01 15:17:35
Akira Tsuboi @1876to1945

ーそこには、すこし大人となった感覚が記されている。いじめのさなかにあった手記に興味がある。手記の全文は以下に。asahi.com/articles/ASK38…

2017-08-01 15:18:17
Akira Tsuboi @1876to1945

福島行ー”ということはこのへんでやってもゼロ、何も出ないということになる?”自分は聞いた。「でも出るんです積算なんで」母親が言った。元スーパーバイザーが言葉を添える。「全体の積算でずっといくんだけど…。まあ(嗤い)…、ちょっとしたバランスで行けば『x』っていう…。-

2017-08-02 14:53:09
Akira Tsuboi @1876to1945

ー「『x』ってなるんですよわからない場合には」テーブルの上には、母親のこどもが付けていたバッジの積算線量についての通知表があり、たしかに『x』という文字が記されていた。”ーだってその『x』のところで危険があるかもしれないわけでしょう?”「”だから”…(嗤い)」ー

2017-08-02 14:55:17
Akira Tsuboi @1876to1945

ー元スーパーバイザーはやはり嗤って言った。『だから』の後は『危ないことが行われている』、そう続くはずだった。ー

2017-08-02 14:56:42
Akira Tsuboi @1876to1945

福島行―『x』。2017年8月時点で伊達市の人口はおよそ6万2千人。伊達市の、当時18歳以下だったこども10,621人に対する環境省下で行われた甲状腺の先行調査は2012年1月から行われ、結果、二名の癌が発見された。それから五年が経過する間に、のべで9名に増加している。ー

2017-08-04 10:35:03
Akira Tsuboi @1876to1945

ー広島長崎の被曝支援法において被曝者認定のめやすは爆心地から3.5キロ圏内の居住者だという。平成六年に施行されたこの法律の、この3.5キロという数字は年間の追加被曝線量1ミリシーベルトから割りだされた。このことからすると、福島、福島のみならず周辺にこの支援法に範疇に入るー

2017-08-04 10:46:21
Akira Tsuboi @1876to1945

ー人間が膨大に入ることになる。伊達市も例外ではない。被曝者の中で癌が、とくにこどもの間で増加傾向を見せる。このことは広島長崎の流れで考えれば在りうる話だ。だが、被曝者認定の話すらも生まれていない福島の、伊達市に暮らすこどもに配布され、日中つけておくように言われたバッジがー

2017-08-04 10:54:09
Akira Tsuboi @1876to1945

ー配られた側には数字が見えず、実はなにも計測できていない場合がある。公の調査は、この国で公害が発生した場合の流れに沿って放射線被曝とこの癌の増加に因果関係は認めていない。だが、もし、後年認めるようになったら?外部被曝線量を証明するものがあると思ってバッジのデータをー

2017-08-04 10:57:29
Akira Tsuboi @1876to1945

ー出させてみると、実は測れていない、ということになってくる。出てくるのは『x』ー。未来に向けて、こんな手筈がすでに打たれている中で、子供の癌は増加している。国際原子力機関が現地査察にやってくる。それまではただの塾の教師だった男が、いつのまにか放射線被曝の不安解消の伝道師としてー

2017-08-04 11:19:44
Akira Tsuboi @1876to1945

ー市にやとわれて奇妙な説明会を開催するようになる。そしてこの媒体を使っている方ならもうご存知だろうが『心の除染』なる言葉を、市長が吐くようになる。異常な世界だ。「ー伊達市にはUFO伝説があるんです。」こうした状況を話してくれた母親がぽつりと言ったことを覚えている。-

2017-08-04 11:22:15
Akira Tsuboi @1876to1945

ー”ああ、ぼくが子供の頃にいた会津にもありましたね、ぼくは見たことないですけど。こっちにもあるんですか” 昭和末年の話だ。会津地方の喜多方に暮らしていた頃、嘘を言わぬ質の兄が、中学だかの頃に血相を変えて帰ってきたことがあった。見渡すかぎりの田園を友人と自転車で走っていると、ー

2017-08-04 11:26:20
Akira Tsuboi @1876to1945

ー夕暮れにさしかかった中を、小国山という盆地の縁、その向こうにある猪苗代方面に向けて、みどりの巨大な光の玉が落下してゆき、落下してやはり緑の光をあたりに盛大に散らしたのだという。音もなく。友人とその光景を見て血相を変えて帰ってきたのだった。ばかな話だと思われるかもしれない。-

2017-08-04 11:30:45
Akira Tsuboi @1876to1945

ー自分は見たことはないが、この類の奇妙な光の運動を見る人間は会津盆地にほかにもあり、あまり言われないが伝説のように知られていることだった。それまで3.11後の放射線をめぐる社会の動きの異常さ、怖さの話をしているさなかにふいにそんな話を切り出したので(どうしたんだろう)ぽつんとー

2017-08-04 11:33:43
Akira Tsuboi @1876to1945

ー思った。母親は、笑い話をしている雰囲気でもない。こちらの認識を試しているのか、そうも思った。「ーほんとに、人間なのかな、って。」母親は言った。「今伊達をこんなふうにしているひとたちって、人間じゃないのかもしれないなんて思ったりしちゃうんです」母親は節目がちに言った。-

2017-08-04 11:37:29
Akira Tsuboi @1876to1945

ー「日本の放射線の専門家だとか、国策を動かしてきたひと、そんなものよりももっと大きなものに、私たち囲まれているような感じがして。」かなり、追いつめられている。母親に憔悴を感じた。「人間ってここまで悪いこと、できるんですか」言われて、自分は寸刻言葉を喪う。-

2017-08-04 11:40:54
Akira Tsuboi @1876to1945

ー「どこか人間の世界じゃないところからやってきた宇宙人なんじゃないか、て。」”ー残念ですが、人間は場合によっては人間ではないような残酷なことをしてきました。これまでの歴史を見ると、そのことが分かりますというか、そのことを知るために歴史という学問分野があります”自分は言った。-

2017-08-04 11:45:52
Akira Tsuboi @1876to1945

ー「わたし、ヘンなこと言っちゃいましたね、気にしないでください」母親は我にかえったように笑って言った。だが、憔悴の色が拭えなかった。それは元スーパーバイザーが居なかった頃のことだ。「ーだから、これの実証実験っていうかトレ―サビリティが100マイクロですから」ー

2017-08-04 12:09:38
Akira Tsuboi @1876to1945

ー母親は伊達市が配布したバッジを指して言った。”100マイクロなんですね。で、こっちの浪江の希望者向けのバッジが10マイクロ。”「そうです」元スーパーバイザーが言った。加えて言う。「メーカーが違いますから。これレントゲン技師もつけてました。-

2017-08-04 12:12:15
Akira Tsuboi @1876to1945

ー「わたしの妻が世話になってたとこはこれ付けてた、同じものですね。 ”じゃあこの伊達市のバッジは子供につけさせて100マイクロ以下はわからないっていうことは文字通り、100マイクロ以下のことはわからない?”母親が答える。「わからないと言っていいのかどうかわからないけど、、、。ー

2017-08-04 12:13:35
Akira Tsuboi @1876to1945

ー「あのなんていうんでしょうね、、、。実証実験では100マイクロ(毎時)のカウントの所でしか保証はされてない。ということです」元スーパーバイザーが「そうそう」と同意する。「ですから、これをまるまる信用していいのかっていう。今の政策だと帰還政策もこれですから、。ー

2017-08-04 12:14:42
Akira Tsuboi @1876to1945

ー「その問題はとてもおっきいんですよ」ー

2017-08-04 12:15:33
Akira Tsuboi @1876to1945

福島行ー”そうですよね。除染対象から外されるかどうかが関わってくるわけですもんね”自分は言い、続けた。”で、伊達市で配布されたガラスバッジでは『x』となる所を、この浪江町の希望者向けのガラスバッジ、これは一桁小さな10マイクロシーベルトの単位で計測できるということですが、ー

2017-08-07 14:35:44
前へ 1 ・・ 4 5 次へ