【不器用すぎる恋】

りえこ @eighter_rieko83

101 〔俺らはねぇ？心配やったんすよぉ～後輩としてぇ、残業しとる先輩が！〕 え…なに…？ 《差し入れ持っていこうてなったんすよ～♪なぁ？章ちゃん♪》 まっ…まさか…。 《あ～んなに心配したのに～、》 〔書庫に行ってみたらぁ～、〕 一気に血の気が引く…。 見てた…？

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102 会社のロビーが見えた所。 思わず足を止めると、亮ちゃんと章ちゃんが顔を近付けてきて、ヒソヒソと言った。 《好きや、って言われたでしょ？》 〔ギュッて抱き締められたでしょ？〕 心臓が…破裂しそう！！ 恥ずかしくて…心臓止まっちゃう！！

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103 何も言えなくて、２人を見れない…。 《まぁさか、キス以上せんかったでしょうねぇ？》 へっ？！ 《俺もっと見たかったのにさぁ～章ちゃんがあかんて…真面目でほんっまおもろないわ！》 〔おもろない言うな！あれだけ見たら、もう心配することなんかないやん！なぁ？〕

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104 見…見てないってこと…？！ キス以上は…見てない？！ 『あ、あるわけないでしょ！！会社だよっ？！ばっかじゃないのっ？！てか、何見てんのよ！！』 もぉ…逆ギレじゃん…(泣) でも…アレを見られてたら、ホント…もう会社に出て来れないとこだった…(泣)

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105 「なんやねん、会社の真ん前で騒々しい…。」 先輩…！！ 《おぉ！主任！！なんやね～んもぉ…やるときはやるやん…！》 「…はぁ…？」 〔幸せな…週末でしたか♡〕 何かを察したのか、耳まで赤くなる先輩。 そして、急にわたしの手首を掴んだ。 『せ、先輩？！』

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106 「もぉ！行くで！！」 わたしを引っ張って、グイグイとエレベーターへ向かう。 背後ではあの２人がヒューヒューって古いリアクション。 タイミングよく来たエレベーターに乗り込む。 先輩と２人きり。 『書庫の…少し…だけ…見られてたみたいです…///』

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107 「ん…そぉか…。」 なーにぃ？ 素っ気ない……って…すっごい耳まで真っ赤…！！ なんだ…照れてるってか恥ずかしいってか…そういうこと…？ 「またじっと見とる…。」 振り返ってそう言う先輩。 エレベーターは間もなく目的地到着…。 その時急に先輩の顔が目の前に…！

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108 一瞬触れた唇…。 「もぉ会社ではやめとこな…？」 わたしは…ダメだって言ったもん…！ エレベーターの扉が開き、先輩はいつも通り颯爽と降りる。 「あ…。」 立ち止まった彼の背中を見つめる。 「とりあえず先週末の残り仕事…、」 そうだった…書庫に行かなきゃ…。

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109 「先に行っといて？」 え？ また先輩も来てくれるの？ 「……もぉ…その…無茶せーへんから…会社では…。」 今度はわたしが顔を赤くする。 「でも…家では…多少無茶させてや…？」 先輩…無茶って何ですか…？ Fin.